ついに定規は曲がった
まっすぐにしか使われない自分が
悲しくなったという
まっすぐに測れるものなんて
世の中のほんのわずかしかない
そう思ったらしい
もっと柔軟のある生き方を求めて
現実 ....
                  ―RIOJAにて



見渡す限りの葡萄畑を歩いてゆく
そこ此処に きれいな花をつけた木が点在している
アルメンドラ!とおまえが叫んで 駆け寄って
木 ....
科学的に考えて
涙は枯れたりしない

いくらふいてもまたあふれだす

例えるならば曼珠沙華の花を
いくら刈りとっても
また次の年になれば咲いている
そんな風に例えてみようか

 ....
どんなに熱い想いも
やがては冷めていく

けれどそれは
失ってしまうのではない

心の奥深く
沈んでいくのだ

私にだけ
聞こえてくる音楽

ほら
こんなにも高く
まばゆいまばゆい光です。まばゆいだけの光です。
いいんです。気にかけないでください。
気にかけたところで
私は地球を七週半している最中です。
いいんです。思い出さないでください。
思い出した ....
             はばたき
               怯え
                鼻先で
                子供たちの
             ....
その花を見た人は
誰もがきっとこう言ったであろう

何て美しい花なんだ

その花は暗い暗い谷底に咲いていた


その花を見た人は
誰もがきっとこう言ったであろう

何 ....
シチューを煮込む鍋のとなりで
牛が熱心に腕立て伏せをしている
ぼくは牛に近づいて
両腕を切り落とす
そして二本とも鍋に放り込む
牛がうらめしそうな目でぼくを見る
こちらもギッと睨み返すと
 ....
愛想をください
愛想を、ふたつ、ください
遠まわしの言いかたで苦しめられない
番号の割りふられない愛想を

つれなくしてください
むしろ、つれなくして、ください
飼いならされた狼にだって ....
繋ぎとめていてくれ、僕を
この地上に
きみの その温かな手で。

僕は、何時も、境界線に立って
炎の上、軽やかなステップを踏んでいる。
迷いがないわけではないのに、
ここを飛び出せず、行 ....
朝起きると武士だった
(拙者、もうしばらく眠るでござる
と、布団を被ったが
あっさり古女房に引き剥がされた
長葱を{ルビ購=あがな}ってこいという
女房殿はいつからあんなに強くなったのだろう ....
『私は、夜明けと共に、この大地へ、やって来て、
 この陽が沈めば、海へ帰らねばなりません。

 この空の下では、失うものばかり。
 大切なものは、何も見えない。

 ですが、愛しい ....
断じて違う。
私は大マゼラン銀河ではない。
それは何かの誤解というものだ。
それは私どころか
世界を曲解している何よりの証拠だ。

断じて違う。断じて違うのだ。
私は一級品のミョウガでは ....
自分さえよければいいのだと
平気で人に投げつけるナイフ
一度ささったナイフはなかなか抜けない

みんなが幸せならそれでいいと
心をこめてつくってあげるシチュー
一度飲んだシチュ ....
山から駆け下る
細い川沿いに
置き忘れた人形が
初めての記憶
あまりに強い夕暮れが
記憶の中を暗い黄色に
染めて そして
歩いて返す道で
私は誰と一緒に
どうやってここまで
歩いて ....
美しい花で満たされた花束
それを手渡す時に
その人との架け橋が築かれる

しかし美しさだけで作られたものを
手渡すのが怖くなる時もある
これで築かれた架け橋は
実は幻ではないだろうか?
 ....
クリスマスイルミが
豆電球からLEDに変わってしまった
この街のクリスマスは
昔よりずっと明るいのにうら寂しくて

キミがあのときふと言った
自分らしく生きるって結局
自分勝手ってことで ....
土日祝日月曜日
そんなシキタリは忘れました

造園家好みの素直な体躯
私の嫌いな南京櫨

秋風にやらしく揺れながら
葉を猛毒色に染める

とうだいぐさ科は大抵
どこかに毒があるもん ....
秒針が/ちくともちくとも何かを刻む/焦燥をこぼす君の眼差し

自死を希う/君の髪からフレッシュベリー/毎晩シャンプーしている癖に

此の世には/奇跡もドラマも無いけれど/幻覚や妄想なら ....
小津安二郎のアングルで
見渡すかぎりに手を繋ぎ合う
梨の畑を見ている
綺麗だね
白い 白い 白い 花
人に{ルビ矯=た}められたのだとしても


ガラス張りのカフェで見ている
晴れて ....
棚に飾られた人形
一体全体何処も見てない
ガラスの瞳に溜まるのは
精一杯の誇りでしたか?

二十一歳の人型
一体全体何もしてない
粘膜の眼に浮かぶのは
虚勢を張った希望です

対峙 ....
風が吹いておりました
風が吹いている日に飲む野菜ジュースは哲学の香りがするのです
そんな日は詩を書きたくはないのです
空があまりに無知なので

わたしの青春としての位置づけは
もう随分と前 ....
畦 道 に 自 転 車 ゆ き て 蛍 舞 ふ


幼 虫 が 齧 る 花 食 べ 羽 化 を 待 つ


夏 に 首 痛 め て 星 も 見 れ ぬ 夜


古 井 戸 や 落 ち ....
『まず、ないものねだりをしないこと』http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=781&from=listdoc.php%3Fcat%3D5%26from%3D ....
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