すべてのおすすめ
ムーミン谷に不眠症はない
眠れなくても誰も困らないから
ムーミンママは
もし眠れなかったら台所の整理
夜出てくるトロールたちに
小さなお菓子をこさえてくれたり
あたたかい飲み物をくれた ....
ジェニ、ジェニ
気楽へ行こうよ
ちっこい僕の車に乗ってさ、
すなはまへ
ゆっくり行こうよ
塩の柱をながめながら
ほら
かわいた気分が
アメリカまで続いている
そこにあるのがどうしてな ....
マグロ釣ってるのか
{引用=
蕾の温度の
貴女の愛
花びらを
散らすように
こぼれる
紅の 白の 黄の 紫の
言葉 透明の雫
あの日
雨の中を
歩 ....
なべの罅、天井の滲み、なにもかもに音色があるんだぜ、
昨日塩揉みしたり加熱されたりしてたお前や、これのあ
れもそれも然りだ。ぞっとするような山積みの椎茸の軸
で耳を閉じ、ろくでもない大きさの ....
遠い管楽器の呼吸が
校庭にゆき渡る
共鳴して震える放課後の
まぶたが橙色にうつ伏せて
伸びてゆく睫の影が、滲む
正しく失われたチャイムの
赤い、低い、余韻
その、金属の香 ....
先生、あのね
アメンボ赤いなあいうえおっていうけど
僕は黒いアメンボしか知りません
先生、あのね
今日もお父さんはいろんな人を裁きました
テレビの前で、ビールを飲みながら、ニュースを見て ....
空中の緑を
音も無く貫く光
音も無く跳ねる光、の
無数の視線の合う一瞬
摩擦熱が
無数の蝉として発火してゆきます
公園で遊ばずに焦げる皮膚は
可愛らしいアイスクリ ....
目をつむろうか
草花が閉じるように
ゆっくりと心にぶらさがって
切り取り線に沿って歩く
内側よ 自分のものになれと思って
誰かに火を
ともしおえたなら
安 ....
なにもたべずに、朝
あたらしい電車のはしっこからはしっこまで
わたしは仕事に出掛けていく
どんなに長い距離も
君のそれと交差することはもうないけれど
それでも駅に停車する度、未だ息が止ま ....
{引用=
青い闇の水をたどって
近づいてくる
紅斑のある
白い身体
永く向き合ったまま
微かに身体を
揺らす貴女
どうかこのまま…
幸せすぎる ....
県道に戻ると
職員が猿を駆除していた
何ですか
このアンテナみたいなの
んとね
畑が荒らされてさ
人にきこえねえ音出して
猿をいやがらせてんだ
そうですか
ど ....
080805
生えるためには水が要ると
ステンレスのボールが喚く
サルビアの花の写真は
今からでも間に合いそうに
麗しく艶やかで瑞々しくて ....
もう ラヴソングはうたえない
なぜって、尊皇攘夷派だから
あるいはラブでもソングでもないから
チャントとかポエムとか
いや、もう記述でいいんだ
こいうたとか抜かすにしろ
淡色ピンクを多 ....
エントロピーは海だろうか。奔流だろうか。日本の川は西欧人の目に川ではなく滝と映ったらしいがでは生物とは何か。宇宙におけるさまざまな天体とは何か。生み出された電力でさらに揚水し発電するダムのささやかな循 ....
奇跡を起こす
魔法はなくて
過去のあらゆる
自分を恨む
泣いても唄っても
呪文にはならない
けれど
嘆くわたしは
詩を作り、また
思い出を自分の
世界に閉じ込めて
....
またほお杖でほら
また一日がほら
遠くの駅前ビルを見るだけで終わった
「なんかあったの?」
聞かれる自分にちょっと惚れてる。
ほお杖でほら
また自意識がほら
「誰か気付けよ」って言って ....
カラーボールズ・スマイルをあげるよ。
カラーボールズ が 転んでいる
心の中の 鏡に たくさん 映る
カラーボールズ が 転んでいる
深海魚の 胃の 奥 深く 遊泳する
サブ ....
激しく降りつづいて
やむ気配のない雨
屋根や庭を盛大に叩いている
縁側にすわって
いつもより濃いお茶を飲むあいだも
軒先にならべた大小の容器が
たてる音がまるで不揃いだ
灰色ににごり ....
{引用=
色はにほへど
はらはらと
うゐの奥山
かなしみの
惑ひの細道
たどれども
古里さむく
風まじり
夢の通い路
ほろほろと
散りぬる淋しさ
....
一線を引き続ける僕らの鉛筆が迚も長いことを全部夕景のせいにして、要らない考えを消去しなければ。こんな小さな東京でどうして君には遭えないんだろう?僕は馬鹿に冷静で、狂うことすら覚束ず、右手の ....
{引用=
咲く花の魂を抱きしめても
萌ゆる幸せは月光のように
透きとおってしまう
玻璃の盃に浮かべた幻想は
思い出のように甘くただようが
あなたの生命のときめきは ....
はにかむ四角い箱を見つめて僕は妄想する
世界中に素敵な音楽を乗せた電波が飛んでいって
派手なあの子の耳の後ろを掠め飛んで
不精なおじさんのおなかの線をなぞって
可愛い 十字路の ....
赤い鉄筋の橋をわたり
360度くるりとまわる
軸足がずれてよろけても
雨上がりの空は青い
駅前のカフェで
正面に座る人を見つめた
睫毛の長さと
指の節の太さ
あと首筋の香り
....
一息ついた
まだ飯はこないので
目の前に置かれたメニューを見やり
何するわけでもなく
ぼんやり
時折、熱いお茶をすする
厨房の奥より
カラン
と音が響く
それもまた良し
....
気がつくと足元にりんごが転がっていた
ゆっくりと地面に沈みこむ自分を見ていた
自由にならない体で
涙だけが自分の肉体を離れていった
遠くからやってくる
7人の働き者の同居人たち
胸 ....
季節の変わり目に
心だけ置いてきぼりにされた
そんな私のおなかは
春の夜風にさらされて
きりきりと痛む
手を当てると
こんなにも冷たい
夢の柱がぐらついて
今現実に引き戻された
....
炭鉱に潜り込んだハンチング帽がフライパンを平らげた夜
カタツムリが春を迎えて太陽とセックスを繰り返す
傘を持つ女は破魔矢だろう
そう見立てたソメイヨシノが牛のよだれに塗れている
悲しい夜だ
....
いっそ窓を開けて、
ほったらかしにした方がいいのだ
窓の外には
トラックが作った轍が何本もあって
昼間、そこで
鳥が水浴びをしているのを
ぼくは見ている
ストーブにのせた
タライの熱気 ....
白い大きなシャツを着た
無邪気な少女が
駅前のロータリーに
集う鳩の中心で
詩の朗読をはじめた
僕も鳩に交じって
道路にダンボールを敷いて
排気ガスを吸いながら
彼女の言葉を聞いた ....
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