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 季節という音楽を君が奏でるのを聴いた。
 透明な旋律は白銀の街には鮮烈だ。
 音楽は創造され、どよめきの中の瞳を凝視する。
 真昼の動揺を隠せない人々はそのまま夜になだれ込む。

 夜 ....
日差しは入り江を満たす穏やかな波のよう
ちいさな冬も丸くなった午後の和毛のぬくもりに
鉢植えの場所を移しながら
――古い音楽が悪ふざけ
週日開きっぱなしのトランクをむやみに閉め隅へ蹴る
―― ....
 漂いの中に浮かぶ船はとても空虚だ。
 空虚は僕の心を浸潤する。
 広がり、閉じる。
 この情緒こそ難破船にはふさわしい。

 水面に移る悲しみを鳥たちが啄む。
 僕は自分が何か勘違い ....
事務のことが
あまり分からずにいた
町医者はようやく
面接を終えたあとでした
この紙は職安にFAXすればよいのかしらと
採用を決めていましたが
横たわる夜空に向かって
そう尋ねたのでした ....
 ピアノの音色が白く輝いている。
 僕はその中を歩いている。
 この先に何が待っているのか。
 初冬の風が厳しく吹いている。

 孤独とは。
 僕はピアノの音色に包まれている。
 ほ ....
冷たい雨音を遮りながら
仕事帰りに紺色の雨傘は
静かに溜息をついていた
鉄道駅に着いたので
ちょうど雨傘をたたもうとして
夜空を閉じるときに
満月がみえると本当はいいのにねと
何か反実仮 ....
心が
カサカサに
なりそうになったら



私のところに
来たらいい



私は水だから
私を
飲んだらいい



もっと
潤いたかったら


もっと
私を ....
さようならアメリカ
たぶんぼくはアメリカが好きだった
ジーンズが好きだった
コーラが好きだった
ポテトチップスも好きだった
さようならアメリカ
自由と平等と人種差別の国よ
民主的で覇権的 ....
君はキャプテンで

夏の最後の大会は
男子も女子も敗退

僕は試合終了まで
ベンチからの応援

涙する部員の前で君は
毅然とチームを讃え
後輩達に来年こそ
屈辱を ....
いつだっていまだって青い
地球は朝で昼で夜だ
なのに地表の隅っこで(あるいは真中で)
いまブルーライトに照らされぽつねんと
もの思いに耽っているわたしには律儀にも
朝昼夜は朝昼夜と巡り訪れる ....
 憧れを胸いっぱいに抱いて飛んでゆく私の青い半身。
 山を越え、海を渡り、異国の地へと行ってしまった。
 時折届く君からの手紙に安らぎを得る。
 私にもまだ笑顔が残っていたのだ。

 黄 ....
ふわあ
なんとも落ち着かない気持ちは
文字を書き殴ることで和らぐ

書き殴るとは随分乱暴な言い様だ
けれどもこれは事実だ

事実だから曲げる訳にはいかない
なんとも曲がりようがない
 ....
腰のまがった老人はめったに見なくなった
まがった腰で
ヨッコラショと 
風呂敷をしょった爺ちゃん婆ちゃんは
わたしが子供のころの爺ちゃん婆ちゃんだ
農村や漁村では今だって
腰のまがった老人 ....
 彷徨い、戸惑い、流れて、漂う、私の内なる魂よ。
 疲れ知らずだったあの頃を知る者はもういない。
 だからこそゆっくり進めばよいのだ。
 人生半ば過ぎにして恥をかくのもいいじゃあないか。
 ....
光の傾斜のよわいめまい

いななきも止んだ朝の膨らみ
秋は秋と重なって遠近を失くしながら
凧のように {ルビ空=くう}の{ルビ空=くう} 淡く燃え


無限の、 矛盾の、 
存在の、 ....
 
 二人の天使が私のために降りてくる、あの星空の彼方から。
 一人は私を引き上げ、一人はそれを支えた。
 感情の渦を通り抜け、感性の輪を広げ、創造の平野を飛び立った。
 それを逃避だと誰が言 ....
 青い看板に白い文字で
 
   ビジネス
   カジュアル
   フォーマル

 朝のだだっ広い駐車場

 少しくすんだ 慎みの季節が
 春に巣立った雛たちの 瞳にも
 映って
 ....
ブランデーを喉にながす
こくりと飲み込んだうつつは儚い
床にぶちまけたこころの黒さは
いつのまにか天井になり
わたしを覆い隠した、ほし、星のようだ

眠れずにひとの温もりだけを ....
 沈黙を身の回りに置く時、私は決まってここに来る。
 森は必ずしも沈黙ではないが、きっとそれは心の状態なのである。
 沈黙を私は求め、愛でる。沈黙は私に寄り添う。
 物事の美しさは常に変化す ....
同じ道を歩いた
くり返し歩き
くり返し問い
くり返し答え
水の写経のようになにも
こころの所作だけが
ただ――


くり返し祈った
石の中のロザリオ
沈黙の塵は満ちて
尚も空白 ....
 清らかな川辺に降り立った白鷺を見た。
 しばらく彼の美しい立ち居振る舞いに目を奪われた。
 彼はどこからやってきてどこに向かってゆくのだろう。
 なせだか彼を自分と重ねてみた。
 少しも ....
 貴女滑稽で妖しい

 またこんな季節が巡ってきた
 名月を仰ぐ野分の風も乏しく
 焦がれる余裕もなく 
 日常に背中を押され
 されど視覚からのニュースで

 滑稽で妖しい貴 ....
久しぶりに電話してみる
着信音が十回で、切る
内心ホッとする
まもなく向こうからかかってくる
少し慌てる
「なに?どうかした?」
声を聴いて安堵する
「いやどうもしないけど。今話せるの? ....
 ある書物は私を受け入れ、私の居場所を示している。
 そんな時私の心は大きく開き、静寂の中の喧騒にただ驚く。
 私の頭上に雲はなく、大地の裂け目では清冽な泉がこんこんと湧いている。
 私の精 ....
カーテンの向こう暑くなると告げて
にわかに泣きだすそら

すぐに澄み
そこなしの青の静けさへ
置き忘れられた幾筋かの羽毛は
朝へと生まれ落ちた夢たちの骸
季節の手妻は継目も見せず
ゆ ....
四季に手を振り手を招き
多忙の風の中 刹那に傾く 夕焼けの如く

鎧のような交感神経から
いつも幸運にも真水の中を泳ぐ魂になれる ひとひらの降り

快い爽と秋空 黄金色の結晶の影の趣くまま ....
 悲しみのヴェールに霧が溶けてこの村に訪れる晩夏が眩しい。
 お前と過ごした最後の夏はこのフィルムに焼き付いて時を彩る。
 優しさは或る晩の静けさに紛れて、一枚の絵画には音も無い。
 描かれ ....
嘆息の理由なら他にある
豊満な月に耐えきれず包み紙を脱がせただろう
子供みたいにあちこち汚して
今日がその日ならと狼みたいに祈ったね
誰かのせいだと言うのなら
それはわたしのせい(玄関前の犬 ....
始まりがあり
終わりがある

でも魂は
永遠を知っている
永遠に生き続ける

始まる恋があれば
終わる恋もある

ネガティブではなくて
ポジティブなこと
成長の旅を続ける

 ....
生きる理由をかぞえている東京の部屋で
だけどつらいと泣いてる独りに
ふと友人からの一通のメール
一枚の花の写真に、添える言葉はなく でも
君はこのさびしい堂堂巡りに句点を届けてくれたんだよ
 ....
渡辺亘さんの自由詩おすすめリスト(603)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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