湿った風の残る残暑に
崩れた線が、幾筋も幾筋も
飽きることなく遊泳していて
嗚呼、眩しいばかりだな。


わたしも何とか飛んでみようとは思うのに、
どう真似たってなかなか上手くいかない。 ....
新字新仮名編)

憂いと恋を取り違えし愚かなる女あり。
己が憂いは詩人の言の葉ゆえと逆恨みして、
詩人の口に轡を填め己が耳に大鋸屑を詰めしが、
詩人の指ひらひらと動きなお言の葉を綴りた ....
さっき何となく星が見たくて外に出ました曇りなので星は見えま
せんでした街灯ばかりがあかるい淋しい夜です何がしたかったの
かわからなくなって家に戻りました家の中は静かなようでいてじ
つはいろ ....
 
わたしの家の近くに加茂川という名の川がある
川べりはきれいな遊歩道になっていて
朝はきもちのいいミルク色のもやがかかる
わたしと子供はその中を自転車ではしっていくのがすきだ
わたしは愛車 ....
ライフジャケット
 右のポッケにはジッポ

「行ってらっしゃい」なんて言わないで 
「行かないで」なんて聞き分けない言葉聞きたい で 言わせないで

そりゃオレは 夢があって頑固で
その ....
すこうしづつ ずれる
それはとても気持ち悪い

裸眼の月は重なる どっちが本物なんだろう
砂糖を入れすぎた大根煮
一人しか踊ってないクラブ
お湯で割ったコーヒーはアメリカン
手首を切って ....
何はともあれ
やっとのことでお触りバーにたどり着いた
とにかくここまでの道のりが大変だったのだ
目覚し時計にカミキリムシが巣をつくって
がちゃがちゃ長針と短針を適当に動かすものだから
 ....
ここに俺がいると思うか思うなら挙手せよ
インターネット上に俺がいると思うか思うなら挙手せよ
あるいは印刷された紙に印字された文字に
夕方の台所に夜明けのシャワー室に
ビールが臭う真昼間のネット ....
手が
想いを伝える

静寂のなか向かい合い 私たちは話したね
ときどき喧嘩もしたけど楽しかったね
でももう貴方はいないもうこの世界のどこにも いない ....
人の向こう側に横たわる人よ
横たわる人を跨ぐ人よ
潰された眼は見ていただろうか

白く透ける少女の抜け殻を
地下水脈の夜光虫を
皮膜に隠された結晶体を

地は焦げるほどではなく ....
ガソリン浴びて火をつけられりゃ誰だって悲鳴を上げたくもなる
ああ悲鳴 それだ おれの耳に直接届くのはその声だ
燃えてら どっかの惑星じゃ燃えることもなかったもしれないが
ここ ....
わたしは家族に会いたいなと思って
晴れた日曜日におでかけしました

家族はどんな人だろう
わたしを愛してくれるかな
晴れた日曜日の道はゆらゆら揺れる

ポストは赤い
空は青い
犬はわ ....
このままどこかに行ってしまおうか

帰りの車中でそんなことを言っていた二人は
どこにも行けないことは知っていたけれど
その言葉だけで十分満足だった

今、僕らは三人になって車も一回 ....
いつもあのひとのことを考えているわけではないから
たまには大目に見てやってほしい

外は爽やかに水色の夏の朝
汗で酸っぱいTシャツを脱ぎ捨てて窓辺に立っても
田舎の農道に車一台通るでもなく
 ....
早稲田にも
青山にもなれなかった
予備校の街で
私はその年の夏を過ごした。

現役生のフリしたまま
講義を受けて
教室を出ると
ミンミンゼミの大合唱。

ミンミンゼミは
ミンミン ....
おれたちは
おれたちだけで
この海の流れをつくる。
呼吸だけで
すべてのデトライタスを
浄化し
この干潟に
硫化水素はつくらせない。

だれの世話にもならない。
抱き合うことでしか伝わらない言葉で
君は
忘れられないモールスを
ボクへと送った

ボクは
その意味を図りあぐねて
夜行列車が奏でる和音を
ずっと数えてた

少し開いた窓の隙間で
 ....
木目の顔はきみ
横になるたび
天井にうつる

深爪のゆびを
きみに伸ばす と
枕元で なぜか
目覚まし時計がなる

きみはどこにいるの
答えず微笑んだままに
人差し指の月に照らさ ....
それは口付けでしたように思う。
唇は芋虫だったけれど。
山田詠美の芋虫のように、飛び立たないことはあきらかでした。
となりの部屋では現社の木野がみんなの書いた詩を批評していました。
私のは才能 ....
アスファルトの上を

一匹の蟻が

一匹の蟻だったモノを 

引き摺って行く




 突然の
    雨










     は、上が ....
たましいに といかける
ほんのちょこっとした ぎもんを けずってみる
けずりきる ようすなんて みじんもない
いちばん このからだに かんじて
いちばん わかりやすい はずなのに
すこし ....
−1.青の頃−

沢山の顔
溢れんばかりの
闇 病み ヤミ
黒に支配され始めた僕は
やがてくる悩みにうたれた
終末のような薬の数は
僕を支配することなく
机の上に転がるばかり

 ....
田舎から出てきたばかり
まだ都会に慣れていない
デートの仕方も知らず
ま、若いからあっちのパワーだけは全開

お金も持ってないし
住んでるところも地味
ついでに見た目も地味
でもよく見 ....
横たわった端整な顔が
眠っている 女だ

前景に
積もる砂粒がせり上がって
早く厚く 
それを埋めていく

呼吸のように耳へと覆い被さる風
急速に埋め尽くされていく 砂

もはや ....
自らも足音を立てぬ盲目の猫は、泣き砂にのみ足を下ろす。
風紋に食らわれる足跡に、可能な限りの夜を映し、銑鉄の水盆に月を盗む。
青く凍てついたまま水没し、日々に焼ける砂のみが、ただ残る。

 ....
コイン型の潜んでいたりありてぃが溢れそうで思わず叫んでしまいそうでした
部分的に降る雨、といいますか、
局所的にそれはまるで僕だけに降り続けるような
金色でも銀色でもない
猿ぐつわでございまし ....
真夏の渓谷の薄暗い木陰で
川音を聞きながら
ひっそり息をしていた
ひとりといっぴき

濡れた岩のうえ
つんとまっすぐに伸びた胴
行儀よく揃えて閉じた翅
その黒曜石の輝き

日の当た ....
トンボならギンヤンマ
ぎらぎら青光りする腰
淡い緑の腹に飴色の尾
それからあのぐりぐり動く目玉

生まれ変わるならギンヤンマ
青々と輝く水田のうえ
セロハンの羽音響かせて
軽やかに飛ん ....
雑多な思いが縦横する駅構内は人を感じる
喧噪と抗いながら人を感じとる
古里への思い溢れるペーパーバッグ
婦人の膨れ上がったボストンからは家庭がこぼれている
神経症の男は幾度も腕時計を覗き込み
 ....
ダントン課長は本来は古いタイプ
事務職の姉さんたちがウルサイから
お茶を自分で入れて飲んだ

ノルマのこなせない私に
容赦なく怒鳴るくせに
飲み会ではセクハラ
帰り際こっそり
「仕事な ....
やぎしきさんのおすすめリスト(700)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
崩れた線たち- かのこ自由詩4*04-9-2
愚かなる恋の顛末- 佐々宝砂自由詩104-8-30
置手紙- 佐々宝砂自由詩504-8-30
川縁の風- 渡邉建志自由詩7*04-8-30
23:10- 末吉剛士 ...自由詩204-8-30
奇妙な感じ- 初代ドリ ...自由詩4*04-8-30
TOKYO- たもつ自由詩15*04-8-6
トリプトファンレス・トリプル- 佐々宝砂自由詩10*04-8-6
雲の上まで- 未詩・独白204-8-4
散水塔に虹- がらんど ...自由詩12*04-8-4
器官Baby- カンチェ ...自由詩4*04-8-4
家族に会いに- チアーヌ自由詩1004-8-4
どこかに- たもつ自由詩3204-8-4
夏の朝、午前5時半、- 佐々宝砂自由詩604-8-4
ミンミンゼミ(百蟲譜30)- 佐々宝砂自由詩704-8-4
干潟の風景〜アサリ貝の自負- 草野大悟自由詩5*04-8-3
抱き合うことでしか伝わらない言葉- umineko自由詩704-8-3
ねむる- 竹節一二 ...自由詩304-8-3
- びわ自由詩3*04-8-3
美しき日々- あとら自由詩6*04-8-3
けずりかす- 玉兎自由詩7*04-8-3
凍える声- かえで自由詩6*04-8-3
子犬くん- チアーヌ自由詩704-8-3
目覚め- まつお未詩・独白504-8-3
盲目の猫- がらんど ...自由詩404-8-3
ハイウェイ、おまえは本当に馬鹿みたいだ。- 示唆ウゲ ...自由詩504-8-3
ハグロトンボ(百蟲譜28)- 佐々宝砂自由詩704-8-3
ギンヤンマ(百蟲譜27)- 佐々宝砂自由詩404-8-3
ステーション- 佳代子自由詩204-8-2
営業課長ダントン- 木葉 揺自由詩10*04-8-2

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