諸君 私はカレーが好きだ
諸君 私はカレーが好きだ
諸君 私はカレーが大好きだ
カツカレーが好きだ チキンカレーが好きだ チーズカレーが好きだ から揚げカレーが好きだ
ソーセージカ ....
ぼくらはいつも
見ていたんだね
同じ窓から
午後の青空
透ける葉脈
震える小枝
それらにも似た、未来
ぼくらはいつも
感じていた
同じ風を、違う感受性で
教室にいる ....
明け方のカラスの声も
遠く聞こえる電車の音も
駅の雑踏も
私を癒しはしない
向かいの席で美しく眠るあの人も
競馬新聞のこの おじさんも
階段を駆け上がるミニスカートの女 ....
何でも消せる消しゴムがあったら
何を消しますか?
みんなに問いかけてみた
妹は“猫のひげ”と言った
理由はチクチクして痛いかららしい
僕にはなついてこないので解らないが
“痛いのな ....
シェリル
まぶしいな、区切られない場所は
名前を持つのかどうかも知らないような虫が
指先をつたってきて
それはぼくになにも響かなかったから
そっとしておいた
シ ....
今日もまた
放課後
シーソーの片側に座って
浮き上がれる瞬間を
待っている後藤くんは
自分を宇宙人だと思っているらしい
グラウンドには長く
影が伸びて
僕の生まれた星にも
....
吹きすさぶ風音
窓をたたく雨音
ベッドに横たわり
耳に入る外の音に耳を傾ける
自力で寝返りをうつこともできない
かろうじて動くのは左手のひじから先
声も出せず
ただ目の玉だけを動かし ....
勇者は旅に出た
武器も無く
力も無く
仲間も無く
勇者は旅に出た
勇者はどんどん強くなった
武器を手にし
力を得
仲間を作り
勇者はどんどん強くなった
....
人を殺した先輩から
手紙がきた
最近流行っているそうだ
便箋には大きく
「戦車」
とだけ書かれていた
「チャリオット」
って読ませるんだって
縄文時代と江戸時代と現代や
一ミ ....
わたしのようなものならば
独りの夜は 寂しさもまた友のようなものだ
しかし何の悪戯か酔狂か
時にはおもむろに紙とペンを取り
意を決し かの人に思いを綴る
酒や ....
君がはじめて家に来た日を覚えているよ。
車で迎えに行くときすごく楽しみだった
姉弟に負けて母犬のお乳に近づけなくて
一番小さかった末っ子の君
はじめて抱いた時
白くって温かくってコロコロしてたっ ....
ビジネスホテルの一階の
回転寿司屋で黒人さんの握った
トロのしゃりがあまりにも真っ白くて
私は奥歯で笑いながら
虎を溶かして作ったバターを思い出す
たしか、色素の抜けた太めのコックが
伝統 ....
目をきつく閉じて
何度も何度も反芻する
あなたの姿
暗闇でも兵士が
銃の整備をするための
あの訓練だ
分解は簡単だ
合理的にできたあなたは
いくつかのホックをはずすだけで
そのす ....
12時
「もうなにもかもやめる」といいながら
見た事の無い男がキッチンに立っていて
重力の関係かすこしだけ勃起していた
わたしはリビングでまるくなって泣きながら
声でいろいろな嘘 ....
ヤリたいだけだっていーぢゃん。
そんなに自分を高く売るなよ。
だけど、安売りもすんな。
価値なんか見いだすなって、バカくせぇー。
まぁ、ヤリたいだけだっていーぢゃん。
早漏だけどねー ....
太陽の息吹は大地にふりそそぎ
山は水を作り出す
花のように咲き乱れ
植物が根を生やす
舞妓が舞うように種を撒き散らし
熱を持った有機物は活動をしは ....
なんでそこにいるのかも
忘れてしまった
世界一大きな
白いスポンジを見ている
どのくらい大きいかは
見ていれば分かる 今までに見た
一番大きな海より
大きい
白いスポンジとはつ ....
湖心から湖畔へと
一艘の無人の白いボートが
静々と漂つて来る
寄せくる波に身を委ねて
従順な驢馬のやうに
いつたい何を乗せるつもりなのだらう
あるいは誰を
....
旅慣れた人の荷物は小さいという。
わたしの鞄はぱんぱんに腫れ上がって重い。
たった一人遅れてやってきた草原で一息つく。
鞄を開くと
女が入っていた。
死んだはずのわたしだった。
やっぱり死 ....
そういえば最近 アドバルーンを見かけない
昔はアドバルーンをよく見たような…
空にプカプカ浮かんで
色とりどりに 遠くから呼んでいた
“いらっしゃいませ”とか
“本日大売 ....
{引用=映写機の音がする}
彼は 人のいない小さな劇場の
古く湿った 客席に座り
白くぼぉっと光るスクリーンを見つめる
{引用=ただ、かたかたと廻 ....
発達した地下街迷って
ぶつかった人が舌打ち
便利って後ろ暗いものですね
どうやら
モーター音で唸って
遠心力で想いとか振り切られ
僕たちブリキロボット同然で
アンダーグラウン ....
師走の空は高く澄んでいて
雲は静かに流れています
朝方は特に冷えて息は白くなり
凍える手で自転車のハンドルを握る
力が入らなくてフラフラと彷徨うばかり
小学生の低学年の頃に ....
誰かがウソをついています。
誰かが給食費を強奪したのです。
ちょうど意味が言葉に強奪されるように、
ちょうど言葉が解釈に強奪されるように、
給食費という、
私の管理下にあるものを強奪した ....
ぜろてんのうた
なんてむいみ
とかおもってたけど
だれもてんくれない
なんてむかち
とかおもってたけど
ぜろてんのうたがあって
いってんのうたがあって
にてんのうたがあって
....
夕焼け
みんな迎えがきて
またね
またあした
手をふって
さよなら
ジャングルジムのてっぺんから
いつも
見送るだけ
砂場のシャベル
ブランコのさび
おかあさんが
きょ ....
午後三時くらい
その老人は看護婦たちのふとった尻に目くばせしながら
いつしか、二月の朝窓辺のちゃぶ台の上でゆれていた
みそ汁の湯気のことを考えていた
なれた手つきで鍋にうずをえが ....
詩えない者の声を聞け
摩擦をすり抜ける
声は燃える
枯れた泉に
言葉は腐れ落ちる
枯れた泉で
喉を潤せ
錆び付いた下水道
手の届かない生活水
ガブ飲みし ....
それで ええねん
そんなふうに やさしくしてくれたりな
そんなことでも ええねん
その気がないことだとか
そんなことは ええねん
むしろ 期待することが ....
狡猾な鶏ガラみたいな婆様が。
自動改札ピコンピコン。
通せん坊で、しかめ面。
その後ろの若旦那。
ガッチリ嵌まって、しかめ面。
更に後ろの彼の妻。
愛し旦那の醜悪な。
し ....
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