脱ぎ捨てた靴下のように
二人分の日常が床に転がったまま
今にも歩き出しそうなのは
きっと逃げ始めた体温のせい
鏡越しに いつのまにか
髪が伸びたあいつに舌を出す
時間なんて残酷で
最後の ....
はがきをかってきてください
かわむこうのおみせにたちよって
はがきをいちまいかってきてください
呪文のような声がして
我に返る

誰もいなくなった
午後の大通りには
牛車がのろ ....
有名になったヤエモンを
無理矢理走らせて
耐用年数超過した
鉄橋から突き落とす
お人形の
機関士と機関助手は
可哀想に殉職し
みんなの涙を絞り取る
橋のたもとには小さな碑をつくり
花 ....
冬の暖かな陽光で
包むように
あなたに寄り添う

旅立つ前に
残せるものと言ったら
うまい棒半年分


  半年待てば会えるの?と
  今日もとてとてまた一本


もう私には ....
太陽が昇りだすころ
私は電車に乗っていた。
そこにはいろいろな人がいろいろな目的で電車に乗っている

出勤途中の疲れきったサラリーマン
大慌てで、危篤の母に会いにいく人
昨夜彼氏に振られた ....
荻窪の町には昔ながらの駄菓子屋がまだあり
自分の足音がちゃぁんと聞こえてくるのです
ゆっくり道端の雑草や花に目を向けたり
空を音もなく区切る電線に止まるすずめを数えたり
荻窪の町には年老いた夫 ....
なににも負けない柚子の香りにひかれて
家につれて帰った
冬なのに
ここには
まだ雪が降らない
一度も白を見ることもなく
この季節が過ぎてゆく気がする
寝ぼけた春を思い浮かべて
重たい気 ....
コンビニのレジから
僕らのタクシーがあふれ出すから
春はまた息苦しい

行き先も告げずに乗ると
君の家を通過して
犬小屋の屋根を壊してしまう

料金を体温で支払う
少しのおつ ....
久々にハラピンの所へ行くと
焚き火をしている
煙がもくもくと空に消えていく

声をかけると
慌てて後ろに隠したものがある
あれはまさか
原稿用紙

ふざけんなよ
俺はハラピンを怒鳴 ....
彼は胸に大きな傷を負っていた。それは裂け目のように、胸から臍まで。
「二年前に、事故でね」と彼は微笑んだ。「大きな手術だった」
私がその傷に触れようとすると、彼は強く拒んだ。「何故?」と訊くと、「 ....
さてと。
最近、詩を読んでいて、「信頼」ということが気にかかる。
あとは、アクセス。
このひとはどういう世界を生きていて、
どこへ向かってアクセスしていて
どういったものを信頼しているの ....
春の朝も
冬の夜も
代わり番この
月がでる

びしょびしょに縛られて
かちんかちんに凍り付いた
寒い夜
堅い手足を
揉み解す時
回転体の約束を反故にした空の誓い
生まれ初めの空虚 ....
アダムとイブが
神様の庭を追われた一週間後
アダムにもしものことがあったとき用に造られた
もう一人の落ちこぼれのアダムは
目を覚ました

神様には
目覚めたときに
優秀な方のアダムがい ....
毎朝決まって川沿いの遊歩道を散歩している
古びた 老人ロボットと
ほとんど毎日すれ違っている女子高生ロボットの側で

ガンジールックな哲学者が行ったり来たりしながら
何やら彼にとっては
非 ....
「もう無理なんだ・・」 と

電話の向こうですすり泣く男の声を聞きながら
鳩サブレーの袋を破いた。

バターのきゅんと効いたこの銘菓を、私は好きだ。

ぼりぼり。

むしゃむしゃ。
 ....
薄命の子鹿が食べ残した枯葉なんか君食べられないよとぬかす紳士をちくわで撲殺した帰り道。ヘチマを百葉箱にお供えして満足げにため池に入水した姉の背中には薄黒いアザがあった。冠雪を記録した菩提樹の真下で逆立 .... 死んだ街で私は生まれ
死んだ街で
私は死にました

死んだ街には
たくさんの死んだ人たちが
住んでいました

死んだ人たちは
毎日毎日
仕事に行き
学校に行き  ....
私には任務がある、やらなくちゃいけないことがある。
そう、サトリのことは考えちゃいけない。

僕は野球のユニフォーム着て夜の道を歩いている。練習帰り、地下鉄の駅に向かう地下道で、親子連れに出会っ ....
女子校育ちは気がつよくて
と、眉を顰(ひそめ)る父の
たしなめる手にエスコートされ
日曜はショッピングに行く

青白いガラス窓の
温室に咲く花でさえ
その身を愛らしく
あざとく子種を残 ....
 
 

いったい
どうしたことだろう



むらびと1は
むしをきめこみ


むらびと2には
ぎゃくにみちを
たずねられ


おおさまに
なやんでるけはいは
ひ ....
カシスが含まれたケーキを
よくいただきます

思えば私はあなたについて
とても甘い夢を見ています

逢いたいです
逢ってください

微笑みたいです
微笑んでください

口づけた ....
 写真が嫌いだ。風景写真は好きだが人間が写り込んでいる写真が大嫌いだしじぶんが写り込んでいようものならその写真を処分するためにおまえの妹の身柄を確保して交換条件にしたいぐらいに嫌いだ。思い出は必要 .... テクノゴシックな パーティ会場で
はめをはずして 騒いでいる
認証キーをもらったら 母船を操縦できる
最終兵器の プログラムに
アクセスして 宇宙を滅ぼせる 
コインランドリーにパンツを忘れた
慌ててとりに戻る

男が一人 イスにすわって雑誌を読んでいる
ほとんど 裸
パンツ一丁だ

それはどう見ても 俺のパンツ
洗いたての 俺のパンツ

 ....
どんなに言葉を尽くしたって
どうせ誰にも届きやしない


この前マックに入ったら
てりやきバーガー食べさせて
自分はつっぷして寝てる母親
子どもは静かにDSで遊んでる

だいじょうぶ ....
職場にとても変わった人が入社してきた。
出張者の手配をする仕事。
ひたすらJRや飛行機の発券をする仕事。

そして彼女は
聞いてもないことをよく言ってくる。

「わたし、電車が大好きなん ....
輪の裏で
小人の群れを掴み
握り潰す
手の端から
零れる体液を頬に塗ると
始まりと終わりの境界を見ることのない
私たちが
夕日を捕らえ
夜に
引きずり込んでいく
えりくすま、え ....
吐き捨てた果実は街の中へ消えた

キチガイ沙汰にも程がある

一足一足踏締める回廊で思考が生まれ

笑顔の中に凝縮された意味がある

『遠くへいってごらん』と囁かれて

アジアだ  ....
波はもう台所まで押し寄せている
娘はバシャバシャ水を蹴りながら
学校の仕度に忙しい
妻は膝まで海水につかりながら
朝の牛乳を温めている
もしもの時のために集合場所を決めておこうか
と言 ....
好きで好きでどうしようもない詩がある。教科書で偶然その詩を見つけた、詩のことなど何も分からない当時十二歳の少年を一発で虜にするような詩だ。中学校の国語の教科書に載るような詩だから、当然 難解な詩句など ....
やぎしきさんのおすすめリスト(700)
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そろもん(新星人の話)- みつべえ自由詩207-1-8
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伝わらない言葉- つばくら ...自由詩6*07-1-8
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【光煙】- 穢土自由詩1*07-1-4
水没- たもつ自由詩1307-1-4
■批評祭参加作品■_アンファンス・フィニ- 和泉 輪散文(批評 ...1407-1-4

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