すべてのおすすめ
女は強くてああ
男ははかない生物だって最近わかった
ラップもなにも言葉ひとつで
僕たちだって意味を創出
自分の手で
規制するな
すべて逃げる
愛すれば少し変わる
誰かの手で ....
人を好きになることって尊いことなんだな
ぼくのかけらは今日も空をとびたがる
きのう銀河の果てで小さな爆発が起こった
夜間飛行星が眼の高さにあるんだぜ
僕を睨んだ君の目がいつ ....
白木蓮匂い立つ日になに想う空よ
正論を掲げた君の私論哀しい
儚くも忘れじの記憶桜に辿る
室外機の上忘れられた鉢よっつ
春日の主無き部屋花一輪
菜の花の黄色に埋もれて眠る夕 ....
春うらら 喪服で出掛ける お買い物
春うらら梅香る城散歩猫
昼寝猫はなさき薫る梅一輪
黒猫が丸く膨らむ春うらら
黒猫や背に梅の香を漂わせ
蛙
手のひらに汲んで夢見る春時雨
言葉なく静かに澄み咲く猫柳
片隅にちいさく仰ぐいぬふぐり
柔らかさ強さと一緒にまとめ買い
遠くには港もないけど筏船
胆石を患ってから知る臓器
美輪さんの美に酔いしれて酔いつぶれ
マイ・ギター埃の積もりて音もせず
わすれたころに君 ....
つい眠れない夜を楽しんでいる
インク少なく肝心なところかすれた
連射しておくどうせぶれるんだから
やや多すぎるのを知って食うわさび
裸木や老いて小鳥を注ぎ出し
秋深しとっとと黒猫歩きけり
紅葉舞う掌の中のぞくはてな猫
落ち葉踏み尻尾を立てて猫二匹
蛙
芋堀や数年ぶりに触れる土
きまぐれに寄り道しても彼岸花
行く秋や蕾が孕む闇光
接近す蜻蛉の羽根の中の空
夕暮れの夢の間に間にユビキタス
月光や ....
だくだくと環椎の音よっぱらい
木枯らしに土産を置いて父の夜
ネクタイは符丁の小切れ今何本
新橋のあれは夜汽車よ過去へ発つ
未明の背汽笛響くか耳着けば
少年の頃は機関士そらにかぜ
コスモスできらいすきすきだいきらい
赤とんぼフレフレ赤勝て白が勝て
今秋も流行りは赤だと鷹の爪
本年の出来はどうだと柿に聞き
もう少し渋いようだと鵯が鳴く
火恋し抱えて帰 ....
大輪のピンクの朝顔咲きにけり
ショパンのピアノ・コンツエルト窓のゴーヤ
家族の絵沢山飾り晩夏の日
目的地を知らされていない旅路の途中はみなトランジット
不安定のエネルギー浮上して高気圧
空に立ち上る灰色の龍、雷
絵葉書に古い遺跡の写真ありどこか懐かしい気がする夏
蝉蝉蝉、は ....
コトバの残骸を踏み越えていくときはいつも裸足
狂い始めた気がして音叉を頭にあてる、脳ミソを調律
あたらしい歌ください、ぼくの中古ピアノに
雨粒がみずたまりで正しい円を描く、コンパスも ....
彼岸桜優しげに咲く此岸かな
野に遊ぶさも値段高そうな猫
イヌノフグリ閉じてぽろんと今日でおしまい
産卵を済ませて二度寝のヒキガエル
コーヒーの記憶 取っ手のとれたミル
....
コスモスがささやくコスコスサインサイン
トーラスなドーナツ揚げる霾る日
筍で円、放物線、双曲線
曲水の宴メビウスの帯締めて
死者互入生者の輪の中盆踊り
吊るし雛アルキメデスの立体で
....
(朝の森)
トンネルを抜けると森に熱気球
十月の地に繋がれた熱気球
熱気球巨大坊主が起き上がる
熱気球深海クラゲの傘の色
熱気球プカリと浮かぶ朝 ....
●素肌かりかり。
切ったばかりの爪で君の背中をかき抱く
●そういえば糸。
抱き締める 絡む腕は糸か鎖か
●濃いのかしら。恋なのかしら。
アルコール 耳の奥で心 ....
樹木
山桃の実のぶつぶつの舌触り
葛のつる川土手の樹を緊縛す
炎天や犬の尿に樹木立つ
昼の樹の葉叢の奥の星の夜
窓を叩き梢が夜を連れてきた
....
頭痛
倦怠が成層圏から降ってきた
うっすらと頭痛呑み込むパスタかな
氷床の軋む音する頭痛かな
頭痛飛び地球を巡り海に墜つ
雨
生まれ ....
自由気侭に家事放棄
笑って誤魔化せ実能力
外弁天の内弁慶
明朗快活腹黒々
矛盾してこそ育つ自我
暴いて欲しくて隠してる
そもそも隠すほどの爪 ....
ただいま正月おかえり新年
抱負は毎年変わらず 無事
蟹を食べ始めるまでは賑やかでした
虱潰しに暇潰す
初笑いとの根競べ
初の雑煮に既に飽き
....
空前絶後のはにかみ屋
距離感間違え馬鹿のふり
自分に厳しく飴で鞭
手折っても手折っても茂る煩悩
笑顔の旋毛が禿げだした
思い留まるたび迷子
....
冷静沈着というよりは枯木死灰だ
天衣無縫というよりは無知蒙昧だ
多面的というよりは気まぐれだ
ひたむきというよりは妄執だ
奇抜というよりは悪ノリだ
繊 ....
儚くも逞しくもない雑草
卑屈になるには育ち過ぎた
真綿で自殺を図るような詩人
歯に十二単着せてスマイル
まだ息が白くないから秋だ
劇的な何かを待ち望む ....
天に飽き天かきむしる鱗雲
おまえには冬しか居らぬしるし刺す
鉄を裂き鉄かつぎあげ冬を打つ
とどめからとどめに至る永さかな
仮 ....
無数行列ファクシミリ白紙吐く四月
滔々と糖度計りの白亜紀子
林檎飛語次女長女化石化姉妹
跳ね車三女を斬首生まれながら老婆
カンカンと鐘打ち鳴らしゴルゴンの首
秋高し聞こえて来るは夢の果て
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