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キャスターが告げるGWの始まりに壁の暦がもてあます明日
人様の都合を聞かぬこの星を苛めるために振りかざす鍬
白米に気色の悪い虫が湧く結局おんなじように生きてる
要するに食物連鎖のくく ....
コスモスできらいすきすきだいきらい
赤とんぼフレフレ赤勝て白が勝て
今秋も流行りは赤だと鷹の爪
本年の出来はどうだと柿に聞き
もう少し渋いようだと鵯が鳴く
火恋し抱えて帰 ....
青色を知らない子供になんと言お?海の色はと聞かれたときに
結局はさかなの名だと君は言うアイという音コイという音
朱鷺色に染まった爪に憧れる10年経っても子どもは子ども
{ ....
「あの海は何色ですか」
「鉛色」
「かもめの羽のような色です」
「あの空は何色ですか」
「真珠色」
「冷たい霧を重ねた色です」
ひらり、と
スカートがひるがえる
木枯らしだろうが
春一番だろうが
関係なく
吹く風にあわせ
ひらひらと、揺れる
その頼りなさが苦手だった
ひらひらと、揺れる
その頼りなさでは
....
ひもじさで己の足を喰ふ蛸を真似て己の爪を食む夜
霊長類以外は死なねばできません死んださかなの目といふものは
二枚貝裏と表は同じ顔見習いなさひ二枚舌の君
一〇五円で買える二匹の命かな二 ....
手の内におさまるほどの椀の中赤茶けた汁を泳ぐ鯨よ
飲み込んだ林檎の行方今何処智恵も叡智も遠い我にて
さよならの響きがこだまする校舎白亜の壁は赤く染まれり
{引用=今まで自分が ....
ぐっしょりと汗をかいて見醒めた日
私の中身は薄くなってた
シーツへと吸い込まれた
私の中身は
悪夢のもとから
遁れられたのが
よっぽど嬉しかったのか
いくら呼びかけても
もう戻って ....
チクタクと時計の針が刻む音音もないまま積もった想い
夢を見て泣いて目覚めた{ルビ朝=あした}は遠く気づいてしまう母も老いると
竹の葉に埋もれて眠る秋の午後「もういいかい?」のこだまは遠く
....
アダムの喉に詰まった林檎
人類が未だ飲み込めぬその叡智の一欠け
貴方の皮膚越しに噛み付いて
賢くなった気になりましょう
数多の月日をそれ無しで
無事に過ごせていれたとしても
飲み干せな ....