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端午の日茶を入れくれし雨森庵
波静か霞立ちたる余呉の湖
麦酒のみ蕎麦を食いけり福井の里
泳ぐ空どこまで行っても泳ぐ空
水平線こえた世界が知りたくて
木漏れ日よそこに私はおりませぬ
麦藁帽編み目の数の夕まぐれ
思い出に暮らすが我が生きた証
いつの日か小さい緋鯉 ....
翼の先はすぐに郷里や夕燕
飛ばんとし両手拡げり種案山子
母の老いあざむき香水闇にひかり
早朝に 笑いこらえる つつじかな
水槽のある夜であればよいのに
君放つ闇を見送り過ぎる華
君鳴らす一弾指さえも春疾風
一巡で更に重なる基次郎
邪曲した想い返すもあいのうた
溶け落ちる心後ろに猫の恋
春障子わたしをごっそり抜け落ちて
懐かしい春の匂いと君の顔
滲みでる空へ向かって飛び跳ねて
曇天のもとをあるく春
ふつふつと田のあぜにふきのとう
椿咲くかげで地蔵がてをあわせ
短歌撃て弾幕のごと花の昼
曇り空よ 降るか降らぬか はっきりせい
人ふいに春の水から石拾ふ
うららかや友うつくしく疎ましく
花冷や行方不明の恋敵
ボンネットに足跡残し春の猫
春嵐緑の騎士を連れて来よ
花冷のされど ....
アネモネの恋の痛みが風に散り
着飾って並んで見てるチューリップ
蒲公英の綿毛に乗って空へ行こう
隠れてもわかっているよ沈丁花
青スミレ君に捧げるサムシング・ ....
公園で悲しい枝が空を刺す
オレンジに溶けない僕の影長く
桃色の洪水安売りハートチョコ
無機質な日がかすむ街わたしの目
白鳥のくび憂鬱な長さなり
一九九五年一二月二六日
意地悪を言ひたくなるの冬の薔薇
一九九五年一二月二六日
青空に鉄塔高くそびえたり
ワイン色の暁の空に酔いしれて
虹の橋渡って会いに行きたいな
星月夜君と二人でランデブー
首筋に冬のくちづけ雪の華
雨上がり君 ....
黒犬が冬連れて来る稲光
落武者とロボット深夜感電死
君緩めるなかれスピード!スピード!
落ちてゆく背骨を走る重低音
手裏剣の尖ったところで指を切る
海 ....
辞世の句
ば
あ
さ
願 ん
う や
は
来
世
つ も
....
なき母に 「帰りが遅い」と こぼす父
はしりがき 貸したノートに 君がいる
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