クリオネの夢をみた
あおいあぶくを泳いでいる
ほんとうのぼく
あいかわらずぼくは
みっしつで
ちぎられている
どうやら
ながされているらしい
あぁぼくも
ぼくのうでみたいにな ....
左目を右目にあげたのに
右目は涙を流さない
目が覚めたら一緒にごはんを食べよう
そう書いた手紙を残して
眠ったまま逝った人の声が
もう一度どこからか聞こえてくるまで ....
君とキスをした。
君の噛んでいたチューインガムをそのまま僕の口の中へ。
噛んでも噛んでもかみ切れない感情。
新たに湧く依存心はもうすでに残っていなかった。
ただ前へ、前へ。
僕は群青 ....
きゃらめる 6
ねじ
1
まいばん
ねむるまえに
もうひとつだけ
からだのねじを
はずしてみる
おそるおそる
....
あったかくなったとおもったのに
きょうの朝もひみつみたいにひんやりとして
ねむい
重たいあたまをひきずる
あの人と会うようじがあるんだわ
埋まりすぎることのないページ
シャーペンの ....
たとえば悔いることも
不意に 喜ぶことも
時とともに 偶然にとけてゆきます
午後4時半
Tシャツの上に羽織るこのニットを
褒められたのは 初めてです
それはなんて 心躍るできごとで ....
久し振りの雨音で目が覚めた
六畳一間がしとしと濡れる音
しずくのざわめきが障子から
淡暗い午後の光に溶けている
繰り返し寝直しても浅い眠り
一人だけだから広過ぎるのか
持て余す ....
今日、ボクは友達の墓参りに行った。
3年前の1月20日から、何度と無く足を運んできた。
しかし、今まで、ただの一度も、その墓の前で手を合わせたことは無かった。
手を合わせてしまえば、その子の死を ....
アスファルトはもちろん
六甲山の山並みも、ヨットハーバーも
歩道橋も、イカリスーパーも、スーパーのトレードマークの
「錨」の横に捨てられている小犬達も
スペイン土産にもらったチョコレートに混入 ....
仕事以外で
誰とも話せなくなった。
植木鉢に名札をつけた。
「人は愛し合っていないと生きていけない」という映画の台詞
「一人暮らしの女が猫を飼ったら終わりだ」という雑誌の記事
野良猫のわ ....
檸檬は今にも飛んでいきそうな色と
形をしているけれど
決して空を飛ぶことはない
朝、テーブルの滑走路で
ひんやりした おんなのひとの細い指先を噛んで
ゆるくウェーブがかった髪のなかに 僕の手を差し込む
そう こんな 汚いネオン街を見下ろす山道の中で
ぼくは お ....
バイトの面接の帰り、吉祥寺で降りて、井の頭公園に寄って
ふと、入院したいと思った。
でも、実際に苦しむのは嫌だから、
病気とかじゃなくて足の怪我とかがいい。
複雑骨折か何か分からないけど、長引 ....
そのほほを
りょうてで
はさんで
あんいなことばを
のみこむ
おでこから
つたわる
ねつに
すこし
うろたえても
あんいなわたしを
しかって
まだ
あなたのや ....
卑猥だ
どうしてか 椎茸が卑猥である
もう寒くもない夜に自転車を走らせて川べりに行く
警察官に止められて ライトをつけろと言われ
彼らもこう見えて 楽しく生きているといい
上々な証拠 ....
赤い電車が走る高架の東の空で
ふいに舞う者がいた
文字はその黒色を烏と呼んだ
夕焼けを映す高くそびえた
不吉な刀身のような建物の群れ
その間を縫って烏は軽やかに挑戦する
突如 そこに近現代 ....
貯金箱のサルには
わからなかった
食っては出し
出しては食っても
狼色のコインばかり消化不猟で
胆のうにヒシヒシと溜まっては
廊下に流れてゆく
遠くそびえる針の穴にまつわって
おじ ....
あさはまだくらいうちから
うしうまにえさをやり
いどでみずをくんで
ひえつぶのういたしるをすする
ひがのぼれば
たはたにでて
はるはあぜぬり
なつはくさとり
あきはかりとり
....
すこぶる逆だった
逆でした
逆だったのは
コンタクトレンズだったもよう
なんか変だとおもったんだ
冷えたゆうべのカボチャコロッケ
彼は常識人であるらしく皿のうえで微動だにしません
....
亜由美ちゃんの三回忌に行った
三年前、目黒の葬儀場でおばさんが言った
『みんな亜由美の分もがんばって生きてください』
という言葉。
今日はおじさんや、おばさんと、みんなでごはんを食べながら
....
いま全てを弔うために
一つの歌が降りてくる
それは風にのって柔らかく
全ては安心して死んで良い
そして私は一粒の悲しみを
小さな微笑と淡い幸せとを
火にかけて燃やすだろう
遺され ....
嫌われてもいいから
相手にされたい
心にもない言葉で
君を怒らせた
君からだったら
なんでもいい
マゾヒスティックな
片思い
おかげでますます
君に嫌われ
君との距離は ....
娘のおえかき画用紙に 黒いクレヨンでおおきく ぼくは
パウル・クレーの天使の絵をかいた。
単純なモノクロームの曲線。いくぶん丸みをおびた輪郭。
やさしく閉じたひとみ。かるくほころんだ口も ....
きゃらめる 5
よる
1
なにもみえない
から
こわいんじゃない
なにもみえる
はずがない
から
こわいんだ
....
水色の海に
浮かぶ綿菓子
幼い頃は食べられると思っていた
でも 今は
そんな素直な考えはなくて
どうせ水蒸気の固まりで
甘くもないただ浮いているだけの
手でつかめない不思議な綿
....
“ヤラセか、その瞬間を狙っていたのか”と責めたてられ
キャパは口を閉ざしてしまった
頭に被弾した兵士の写真 真相は闇の中
やがて彼の肉体もカメラとともに地雷で散った
病弱の祐三は ....
簡単にすむのなら
言葉なんていらない
分け合えるのなら
心なんていらない
何もかもを取り去った世界を
君は美しいと言えるのかな
「ダイヤブロック制作カイ」
http://www.geocities.co.jp/Milano-Killer/4780/
イカしたサイトです。
詩とはなんの関係もありませんが ....
マシンガントークと言って、本当にマシンガンを撃ちながらトークすると、相手は、まあ、ほとんどの確率で死んでしまうと思う。でも、向こうもマシンガントークだったりすると、今度はこっちが死んでし ....
花の素顔
(http://www.ne.jp/asahi/tochigi/sakamoto/index.htm)の中に掲載されている
この詩(http://www.ne.jp/asahi/toch ....
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