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胸を小分けにして笑う
そのうち一つに
また今度を添えて
空に指をならす

ひそひそ声が聞こえても
隕石を夢見ても
昇らない場所を守る
私の

手の中で回る軌道
見つめて
後ろ髪 ....
買い物に出かけた初冬の街角で
あのひとの姿を見かけた
両の手のひらをパンツのポケットに入れ

開店前のパチンコ屋に並んでいた
私の姿に気付くこと無く

他愛も無い夢と引換えに大切なものを ....
東京都内上空500mより
10回目の飛び込みジャンプ 開始
慣れた動きで 美しい(と私は信ずる)弧を描き

成功

ビルディングの縁には相変わらず子供達が
退屈に足をぶらぶらさせながら合 ....
先生は死んだ木に触れたことがありますか

深い深い森の奥で妖精の羽音がしています

静かを湛えて眠る沼には
子供の夢が沈んでいます

沼の周りを縁取るように
名のない花が咲いていま ....
わたしは言った
「あなたのことがすき」
彼女は夏のような目を開いた

ただ、セミが潮騒みたいに鳴いていた
緑がざわざわ動いて、そのむこうのとぎれとぎれの空もいっしょに動いていた
祠の向こう ....
            081111

古い狸を
投げ飛ばす
飛ばす傍から
バッタが跳ねる
トノサマバッタを追いかける
お腹を空かしたカマキリと
声色を無くしたキリギリス

投げ飛 ....
ぼくらは夕暮れ
チョコレートを食べすぎた
赤いランドセル
黒いランドセル
へんなランドセル

長い影

おうちに帰る歌 べろんべろんにのびて
絶対音感ちがって 耳を切る

血がち ....
たださぁ、風が吹かないんだよねぇ。

弱ったなぁ…
 
その噴水のある公園に
二十五になったばかりの
僕がいる

もしまだそこにいたならば
連れてきてほしい

そこにいてかまわないと
前置きしてから
やさしい声で伝えてほしい

 ....
ポタージュが冷めるのを待てず
やけどする舌
冷たい朝に

湯気の向こうで
陽の光が磨りガラスにはじく
無邪気なほどきらきらと

関東地方の今朝は今年一番の冷え込み
半袖のニットを着た ....
孤独は ビタミン
孤独は 存在
孤独は 原子核

私の小さなマイナスを あなたの周りへと投げる
電子のひと粒で

私たちはつながっている
ように見える

私たちは触れあっている
 ....
何気ない気遣いが嬉しくて
立ち去るあなたの背中を見つめてしまう

父とは違う
兄とも違う

これが初恋ってことなのかな

山吹色に姿を変えた銀杏並木が
来る春のときめきに思い巡らすよ ....
 
 
 
*シアター
 
エンドロールが終わらない
私は世界史を勉強していて
あなたはきっと誰かを抱いていて
この子はたんぽぽの夢を見ているのに
 
 
 
*レストルーム
 ....
 型が良い
 生きが良い
 新鮮な奴を
 
 タタキにする愚か者
 
 一刺し一刺し
 心をこめて
 
 ただただ
 
 切って出せ 

 
 
 
合宿所の小さな食堂
人と話すのが苦手な僕は
ひっそりと息を潜めながら
周りの会話に耳を傾ける



スプーンを洗いに席を立つ
「その唐揚げ美味しそうだね」
その言葉に振り向いてみたけ ....
報告書書いて
給料明細間違えてる
会社に電話する。
忙しい

お袋の買い物に付き合って
皿を洗う
予定表書いて
コピーして

マーカーペンで印し付け
床屋に行く
雨に降られる
 ....
あなたは
「&」という記号を
上手に書けない

あなたが「&」と何度書こうと
ただ紙上に首のひん曲った
醜いアヒルが出現し
不器用な水浴びと遊泳を始めるだけで

事物は結合も 強調も ....
トリスタン・ツァラの
傷ついたガラスの翼が
電線にとまっている
厚い黒雲の下
かすかな光を受けて

誰でもない誰かの夢の投影機
初期宇宙のスープの中を漂っていた
清潔な怒りは
未来で ....
叱るつもりが
感情に身を任せ怒っている
自分の醜い姿に気づく

ひとは誰でも
誰かを叱ったり怒ったり出来ないはずなのに

自らの思いを通そうとでもするのか
声を荒げてみたり
ときは手 ....
ルラルラニャ〜ン
ぼくは太陽の子 元気いっぱい
ぽかぽかいい気持ち
ルラルラニャ〜ン
えさは魚で十分です いい匂い
今日もアンテナ三本ぴーん
ルラルラニャ〜ン
とっておきのベストポジショ ....
感じたふりしてゴメンね
と君に言われ
皆の前でパンツ脱がされたトラウマが蘇る

アナタのってまんまラッキョだわ

それでも人はすべからくラッキョの前に跪き
日々の祈りを捧げる

ラッ ....
昔遊んだ近所の公園からは
いつの間にか遊具が撤去されていた
鉄のスイングや回転式のジャングルジム
あの頃は怪我しながら沢山のことを学んだ

最近の子どもは公園に集まって
別々のゲームして遊 ....
どこへ行くの
と、聞くので

おれの中へ、おれ自身へ
と、答えたら
牛は

モウ〜とひと鳴きして

とてもつまらなさそうに
空へと消えていった
やっと気がついたか地球人め
冥王星はルンルンしている
俺様は九人兄弟の末っ子なんかじゃない
冥王星一族の大王なのだ

カロン、抜かるなよ
誰にもまけないぜ、マケマケ
ハウメア、ハウメニー ....
夢を追いかける
歳じゃないけど
二人でいつまでも
夢を見ていよう

朝のおはようと
夜のおやすみと
うるさいくらいの
鳥の鳴き声
目に届く数多の緑
夢のように行き過ぎるくらい
変 ....
             080922



五重塔を再建した

再建したのは
債権者達
お金がないなら
身体で払えと
全国に
50の塔を拵えた
台風も紐で結わえて
張り切っ ....
日曜日に開催される
みどり市で
みかんの盆栽を
かって

収穫祭に
よんであげるよ



それまで
夢の中で練習するから

今は目につかない
ところにいてよ


なん ....
懐かしいリコーダーの音
懐かしい曲
懐かしい顔
懐かしいうわばき

華やかしい町並み
華やかな声
華やかな祭
華やかしいゆかた

金魚すくい
命の大切さ
ダーツでの
むずかし ....
郵便局に車椅子に乗ったおばあちゃんがいて、
ガムテープで段ボールに蓋をするのをぼくは手伝った。
得意気な気持ちで車を走らせていると、警察に捕まった。
ぼくはシートベルトも切ってたみたい。はい、そ ....
 
人と
人ではないものが
遠く
電車の音に
秋を知る

かわいた肌を
懐かしみ
風を舐める

ふみきりの
音が止む
くしゃみしてる
静けさの向こうで
人恋しく
こおろ ....
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