一面緑の草原に囲まれていた、人気のない路上で私は
太っちょの男と一緒に、真っ白な車のボンネットを
ぐいぐい押している。それを車内から美しい娘が見ている。
心配そうとも申し訳なさそうとも、そして ....
私の祖父は今年で八十半ばになった
少しは名の知れた人物だったが今は違う
痴呆を伴い記憶が錯乱している

{引用=
記憶とは大きな水溜りであり
{ルビ情報=いきること}は雨の様に降り続く中を ....
緑色に発火した昼が
わたしたちのまだ柔らかな背を滑り落ちたら
全ての事情が濃紺になる川原にて
音が消えてゆく水音の肌寒さでわたしたち
ちょっと強張って、けれどそのこ ....
雨の日には、少しの香水を纏うのが好い

薫り立つその体温を残しておいで

鼻をくんくんさせて、君を捜しに行くよ 
いつも通る公園の入り口に
いるホームレスのおばちゃんがいなくなっていた
でも
そこにあるマグノリアの木に
真っ白い 大きな花が咲いていた
おばちゃんがその大きな白い花の中から
にこにこ手を ....
右に花束左に手錠
世界が100人の俺だったら
消費税なんて必要無いのに

右に花束左に手錠

蝸牛の歯の様で噛み砕いて押し込む肉片
私は月夜の晩に夢精する
風呂場に沈む幾重もの越中褌
 ....
初夏坂を上りきると
左利きになっている
左利きになれば
スローカーブは美しい

スローカーブは街に流れてゆく
絵のような人々の側で
スローカーブは速度を止める
初夏坂を見上げる

 ....
さようなら
さようなら
もう全てが昨日見た夢

さようなら
さようなら
もう私を思い出さないで
痛みがない生など無いように
痛みがない死などないのだから

見慣れた景色
振り返る ....
いつだって夏は長かった
測量を終えたばかりのヘルメット姿が
今年もだ、とかそんなことを言っていた
確認したがるのは何故だろう
何日と、何時間何分何秒
それを知ったところで
今日も君は
左 ....
あくせくしてると
虹が出る

ものを思うと
消えてゆく
ブナ林を歩いていた
二人で 
おれは少し茸や山菜をさがしながら
おまえはきれいな花や苔に触れながら
ブナ林を歩いていた


木漏れ日が、いいな。
そうおれが言うと
おまえは、そこここ ....
僕の手が青青のインクで染まって

洗っても落ちないインクで染まって


いくら洗ったところで行く末の水が青くなるばかりで

どこでそんなに青くなったのか全く思い出せないままで

僕は ....
そして 落ちた 朝日から
恋文が 洗われる
落ちた 朝日は 父なので
娘の 洗いきれぬ 服などに
圧倒されつつ 奇形の涙を流し
落ちた 朝日なので
沈むと 月になる

だが 娘は 月を ....
イチリンソウが 咲いた
一輪で 咲いた
手折ればすぐしおれる
春の日の夢

一輪で咲くことを
神に 赦された
一輪で悲しむことを
神に 赦された

染まらない
その 白の痛みに
 ....
精神科に通い続けて一年半ば
毎月高い薬を得て生きている

入院を勧める医者
入院を拒む僕
それが病気の一種

境界性人格障害を抱えている

関わりを持つ人を傷付けて舐めて癒す
写り ....
また腐りかけた吊り橋だ
いつもこうやって
たどり着く先で
誘う危険は
谷奥からのそよぎに共振する

   銀河を流す暗い川には
   大きな{ルビ鰐=わに}が寝そべり
   冷たい水に ....
夜半
街灯の柔らかいスポットライトに冷たい風は吹いて
それでも少女は拒絶する
(何を、かは分からない)
優しい夜、ごとに
彷徨う足はなくせずに
寄り掛かりたい気持ちの始まりも
どこに根差 ....
マクドナルド二階の窓際の席で
新しく出たと言うハンバーガーを胃袋に押し込む
昼間に見た何百と言う皿のビーフフェレポワレよりも
こういう飯の方が煙草にはよく似合う
そう言っている間も目の前の煙草 ....
いつまでも動かない
物欲しそうな顔に
デコピンをしてやると
驚いて次のページをめくる

晴れたり曇ったり
雨が降ってるのに晴れてる
洗濯物が干せない日
リビングの少し大きめのテーブルに ....
東京には月がない
智恵子じゃないが
東京に見上げる空はひとつもない

鈍くにじんだ星々は
目も当てられず
人恋う想いも消え失せる


こんな迷いの空の下
誰を想えば
報われる ....
飴玉をねぶる

餓鬼のように

噛み砕いた

いつかの日和

幸せの爪痕
自分と向かいあいすぎて
時折その界面をとおりぬけて
向こう側の自分と
いれかわってしまうのだ
星々を吊るした 天空を仰いで 
今夜も眠れない、
自由へとつづく 格子の窓辺
月の海へと拡がる街、勝手気ままな娘たち。

やみくもに走るジャガー、ながれる孤独 点滅するその愛、
左折だ!  ....
命と言うたった一枚の切符を
御旗に掲げて一生懸命生きている
それが当たり前

死という地雷が
どこに埋められているかは
神のみぞ知るところでしょう

すると今だって
戦国時代と言 ....
 コンビニまで下を向いて歩く
 ヤケに喉が渇く
 紙パックのお茶だけを買う
 
 コンビニにはおっちゃんが店員をしてる
 お客がかたまると
 テンぱるおっちゃん
 マニュアル通りにで ....
今朝についてを知りたかった
例えば諦めるというまじない
人が、幕を引いていく
そこに眠る、その前に


知らない道を歩いた日のこと
自分の名前さえただの文字に見える
覚えて欲しいことは ....
点滅する信号に気付いて
駆け出す僕の背中越しに
野良犬が小さく吠えかけた

立ち止まり苦笑い
どうせ誰も待ってないから
そんなに急ぎなさんなって
そういう事を言いたかったのかい?

 ....
よるのアコーディオンが
カーテンのようにとじられて
くすだまわれた
こどももわれた
ぐずぐずにくずれてみずにながれた
すいかのように
もろすぎた

ひみつたんていのおじさんは
コート ....
夕暮れよ 夕暮れよ
成層を疾け肌をよろこび
倒れ込む木々の力で風を呼ぶ 果てしなく
どこまでも墜ちてゆく静けさよ
力と

それら水のよろこびにうつり翳りの海を
満ちたよろこび

夕 ....
たこ焼きは天才だ

たい焼きは爆発だ

お好み焼きは鉄鎚だ

焼きそばはハレルヤ

鉄板は格闘する

だしとメリケン粉の応酬

青海苔の葛藤

キャベツの ....
THANDER BIRDさんのおすすめリスト(596)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
初夏の救出劇- プテラノ ...自由詩3*06-6-7
「記憶の水溜りと祖父の手紙」_海月と雨宮一縷- 海月自由詩4*06-6-7
水性感情- A道化自由詩906-6-7
6/6- エラ自由詩106-6-7
一緒になっちまう- 水在らあ ...自由詩18*06-6-7
薔薇手錠- 虹村 凌自由詩2+*06-6-6
初夏坂- tonpekep自由詩9*06-6-6
死ぬと言う事- 自由詩206-6-6
長期休夏- 霜天自由詩506-6-6
点描- 吉岡孝次自由詩206-6-5
KUKUA(くくあ)- 水在らあ ...自由詩13*06-6-5
とれない青のインク- 箱犬自由詩106-6-5
婚約者- 奥津 強自由詩206-6-5
一輪草- 北野つづ ...自由詩4*06-6-5
唐突に見上げた月は綺麗- 海月自由詩4*06-6-5
吊り橋を渡る、僕は帰らない- たりぽん ...自由詩13*06-6-4
三重らせん- 霜天自由詩606-6-4
- 虹村 凌自由詩1*06-6-4
休日にはカタログを- 美味自由詩7*06-6-4
東京鬱々。- 杉田蝶子自由詩306-6-3
『』- しろいぬ自由詩306-6-3
存在しない鏡- 塔野夏子自由詩12*06-6-3
ジャガー- atsuchan69自由詩3*06-6-3
*今も*- かおる自由詩9*06-6-3
永遠のガキ- 山崎 風 ...自由詩5*06-6-3
縷々として- 霜天自由詩806-6-3
野良犬とサラリーマン- 松本 卓 ...自由詩1*06-6-2
よるのアコーディオン- ZUZU自由詩606-6-2
夕暮れよ- 浅見 豊自由詩5*06-6-2
関西の夜- ジム・プ ...自由詩2*06-6-2

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20