ひけらかすような寂しさを
風が夜更けに運んできた

分かり易過ぎて僕は
冷たくしらけてみたりする


寂しさなら山ほど
ウチの廊下にも溜まってるし

そんなに暇じゃない ....
彼の眼は遠くの風景を見る
地平に沈む夕陽の色
冬に砕ける灰色の海
湿地を覆う冷たい霧


彼の耳は遠くの音を聞く
森に降る激しい雨
向こう岸の教会の鐘
鉄橋を越える貨車の響き

 ....
たまに都バスに
揺られて
目的地を決めず

地面と近い
おおきな窓から

東京の景色を
楽しむことに
している

山のような
仕事を持ち帰って

いざは ....
ポチが走ってくる

ポチが尻尾を振りながら走ってくる

ポチが全速力で尻尾を振りながら走ってくる

ポチがよだれを垂らしながら全速力で尻尾を振りながら走ってくる

ポチが乳母車を弾き飛 ....
あなたの方で風が吹いている
わたしはわたしで知らないことばかり捜している
秋がそこらじゅうで溶けはじめるとき
空き瓶には夕くれが満たされるとき

幾つもの詩を繋げるようにして
わたしはあな ....
ねぇ見て 不思議よね
こんなにちっちゃいのに
ちゃんと爪もあるのよ と
満ち足りた母親の顔で彼女は
小さなこぶしをを開いて見せる

アキアカネが飛び交う夕暮れに
生まれたから 茜
はい ....
ぽくぽくと砂埃の道を
踵の低い靴で歩く
道端にときおり現れる
柿の木の下で
風に吹かれて和みながら

寂れた雑貨店は
小さなオアシスのように見えた
冷蔵ケースのコーラの瓶の
くび ....
もうひとり詩人が欲しいわね
彼女が言うから
もう一人生むことにした

{ルビ同胞=はらから}は多い方が賑やかだ
哀しいときは
兄と妹で手をとりあって泣くのだ

経費のことはまかせな ....
ふと遠いところへ行きたくなる

通過電車に手をのばせば届きそうで届かない
本気で身を乗り出すと本当に連れ去られてしまうから
「危険ですから、黄色い線の内側までお下がりください」
というアナウ ....
すずしいかぜが ふいてきた
なつをすこしづつ
つれていってしまうよう
ぱたぱた ぱたぱた
あつあつ こぼして
このからだ
そっと
なつごこち

じりじり なく むしと
のう ....
明日は翼が折れて
二度と飛べなくなったとしても
今日の青いこの空を
飛ぶことはやめない


飛び立つときの
地を蹴る勇気
畏れを抱いて
憧れ抱いて

まだ見ぬ明日の
自分を探し ....
あなたのいない       空       白       を、日々うめる努力をしています。
もう、慣れました。     空が      白く      雪で染まってから随分たったので。
昨日は眠 ....
  山並みを巡って
  一本の道が続いていく
  夕暮れ時に
  耳元でふと寂しい曲が流れるものだから
  あの道がどこへ続くのかを
  未だに誰にも言えないでいる



  「 ....
サフラン色の吐息をつめた
紙風船に
虚空の稚児は
灰色の笑みを浮かべている

道なりに歩いていると
小さな星がすすり泣いていたので
モザイク柄の
傘をさしてあげた

陰った景色は
 ....
輪郭だけをのこしたまま
あのひとがいなくなってしまったので
いつまでもわたしは
ひとりと半分のからだで過ごしている


明かりの消えた部屋で ひとり
アルコールランプに、火を点ける
ゆ ....
白鳥考








むかし、むかし、花束を手に鼻水垂らしてやみくもに団地をつ
っ走る緑のテイーシャツ青年がいました。赤炎筆尾殺樫手架毛呂
けちゃっぷ命之四朗という名前でした ....
夢のように美しく 哀しい

きらめく空中ブランコ
この手に掴めたもの
掴めなかったもの

きらめく空中ブランコ
この春と夏とを彩った
ときめきを見送る

きらめく 宙を舞う肢体
 ....
蝉は夜企んでいる
おてんとさまが顔を見せたら
どんな風に吠えてやろう
入道雲を飛び越えて
知らぬ街まで響かせようか!

蛙たちの雑談に
まぎれた樹の幹
食い込むほど爪を立て
ひっそり ....
  あなたが海を歌うとき
  わたしの瞳は波になる
  愛していたと
  告げる言葉が悲しくて
  静かに揺れる波になる


  あなたが空を歌うとき
  わたしの胸は波になる ....
どんなに薄めても
悲しみは消えませんでしたから

少しずつ明日を
塗り重ねてゆこうと思いました

悲しみは複雑すぎて
はじめとおわりの区別もつかないけれど

晴れわたる空に喜びは
 ....
明日がある
と貴方が言ったので
私はすこしだけ淋しかった

いつだっけ
明日がどこにあるの
と尋ねたら
東北東
と答えたのよね
貴方は

どこからくるのか知らないけれど
明日は ....
猫の手も借りたいくらい
忙しかったりしてる時も
日溜りで遊んでいる
となりの猫を掴まえて
手をとってバンザイさせてみたり
ぷにぷにの肉球を瞼に押し当てて
和んでみたり

そんな時間はあ ....
きれいにいきること
ゆめをひきつけること
赤い靴とおどりつづけること


 と
  こ
   と
    こ
     と・
       ・
        ・
      ....
台風が近づいてくるという
天気予報通りに降りだした雨に
慌てて部屋の窓を閉めました

(淋しさというものは
 そんなささいなところに隠れていて)

窓の外から聞こえてくる雨音を
半歩遠 ....
カナカナが
鳴いていた

紅の夕日が沈むのさえ
浸れない私だった

いつの間にか
蚊に刺されていて

皴の多い手は
なかなか美しくなれないでいる

自分だけを愛していた頃は
 ....
僕はきっと虫なのだと思うありふれた夜。

その理由はいくつかあるのだけど、つまりそれは虫であるはずもない僕の外見からは想像もつかない。たとえば横断歩道をわたろうとするとき、わき腹のあたりがむずむず ....
爽やかな日曜日
朝からお洗濯
はりきってお洗濯
お洗濯は大好き
がらんがらん
洗濯機が回るところを
見ているのも好き
暇だから見てるんじゃないよ
暇じゃなくても見ているの!
ごしごし ....
かけおりた坂道のおわりには
ボーダー柄の、夏が
波のような顔をして
手をふっていた


それから、 と言ったあとの
あのひとの声が
ノイズにのまれて、ちらちらと
散ってしまったので
 ....
入院してる友達のために折ってるのと
その子はちょっと淋しそうに

鶴を折っていました

それを手伝おうと
わたしも折ったのですが
できあがった鶴の
羽を広げようとしたとき

その子 ....
いま泣いたら
なぜかもう二度と
笑えなくなるような

そんな気がしたから
空に向かって入道雲を
ググっと睨んでやった

まひるに嘘をついたりしてはいけません

善良なあたしは
 ....
Yousukeさんのおすすめリスト(379)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 松本 涼自由詩8*05-11-4
遠近法- 安部行人自由詩605-10-24
都バス- なかやま ...自由詩305-10-3
ポチが- 大覚アキ ...自由詩2505-9-29
約束- tonpekep自由詩27*05-9-27
アキアカネ- 落合朱美自由詩48+*05-9-17
田舎道- 落合朱美自由詩16*05-9-9
月夜- あおば自由詩12*05-9-2
夜の地下鉄は海の匂いがする- ベンジャ ...自由詩53*05-8-31
なつじかん- 玉兎自由詩3*05-8-30
空へ〜翼〜- さち自由詩9*05-8-28
空白- ふるる自由詩23*05-8-25
帰路- 嘉野千尋自由詩11*05-8-24
失恋- こしごえ自由詩29*05-8-22
透明な宿題- 望月 ゆ ...自由詩65+*05-8-20
白鳥考- m.qyi自由詩705-8-18
サーカス- 塔野夏子自由詩11*05-8-17
蝉の夜- かや自由詩4*05-8-12
波になる- 嘉野千尋自由詩17*05-8-10
空色の絵の具- ベンジャ ...自由詩17*05-8-8
明日について- 佐々宝砂自由詩9*05-8-2
となりの猫- 落合朱美自由詩19+*05-7-30
*花を抱いて*- かおる自由詩12*05-7-27
雨が止むのを待ってます- ベンジャ ...自由詩14*05-7-26
カナカナ- 蒼木りん未詩・独白705-7-17
僕はきっと虫なのだと思うありふれた夜。- ベンジャ ...自由詩23*05-7-16
あらいぐま- チアーヌ自由詩13*05-7-13
空の底- 望月 ゆ ...自由詩49*05-7-3
千羽鶴- ベンジャ ...自由詩68*05-7-3
まひるの嘘- 落合朱美自由詩12*05-7-3

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13