繁華街のビルの壁
男はチョークを振りかざし
白い壁に白い粉を降らせていた
書いた文字はたちまち剥がれ落ち
男の足元に降り積もる

時間×距離×事情 
時間×距離×事情・・・

同じ文 ....
あなたの肩にあるものを
わたしも一緒に背負いたかった

あなたが歩くその道の
景色をともに眺めたかった

でもどうぞご安心を
わたしは理解しています

あなたの力になれるのが
決し ....
オレンジの雲をかじる
甘酸っぱい空気を冷やして飲んだ
気流が発生する前の
静かに流れる朝は鳥の声に押されて
ようやく白い地を染める
地球の回転は空の綱引き
勝ち負けのない勝負は
けれど引 ....
空を

どこまでも飛んでみるということを
振り返った視線の、端のほうの夢の中
ほんの少しの香りで、漂っている

今、この辺りで



いつのまにか、梯子がなくなっている
あの木の ....
仄暗い公園のベンチで
みかんの皮を食べろと言われている老人が
喜んでと言って頬張っていたのは新聞紙
これでいいですかとにこにこしながら
鳩の目で少年たちを睨みつける

ぽおっぽっぽっぽ ぽ ....
そうやって夜は沈み
盲目のあなたは歩くこともできず
杖を探して這い回るのです

まぶたを透かす希望に
わずかなぬくもりを感じると
胸の奥に溜め込んで満ちるのを待つ
狂いそうな ....
とかげのしっぽ
途切れたしっぽ
さらに細かくして
きれいに並べた
つながらない先端
二番目、三番目
つながらない
動かなくなって
それは死んでもいなくて
近づいた胴 ....
淀んだ感情にくるまれて
不安げな蛍光灯が影を揺らす

遠くに
まるい光がぼんやり見えてくると
敏感な肌が泡立つように怯え始める

やってくる
近づいてくる

しがみつくものもない孤 ....
あなたを想って
一つ一つ記憶を浮かべていたら
どこからか笑い声が

鎖骨のくぼみに頬を近づけて
澄んだ胸を押さえると
その声が
自分の中の空洞で響いていることに
気づきました

そ ....
開放されない夜

こんなにも悲しみは
不快な落下を求めて
その瞬間を嘆くことさえ許さない

形を維持できない感情は
なめらかに体をすり抜ける

闇を潜めて光彩に垂れた
 ....
遠いめまい
かすむ声
押さえても届かない
痛み
息ができるほどの
苦しさ
穴に吹き込む風
根拠のない寒さ
血のような涙
どれもこれも
あなたを悩ます
無意識に探す
安らぎ
水 ....
錆びついた思い出たちが
時を越えて目覚めだす。
ほこりにまみれた君の笑顔、
すべては遠い記憶のこと。
思い出さなくてもよかったのに、
思い出したくなかったのに・・・。
わざと雨の中に置き去 ....
建築現場の鉄骨が
空の重さに耐えている

昼下がり
子供たちがホースで虹をつくる
二階のベランダから身を乗り出す猫
視線の先には
鳥が羽を休めている

鉄骨が発する低い唸り声が
体 ....
37.2度の恒温動物は
夜行性の眼を光らせている

今日は何だか疲れてしまって憂鬱
そんなセリフは引き裂いてやった

暗闇の方へ
暗闇が呼んでいる

それはまったく習性で
インター ....
やわらかく夜は
わたしと明日のあいだを流れてゆきます


あなたは
向かいあう見知らぬひと、や
すれちがうたいせつなひと、や
ほんの1ミリのすきまでとなりにいる
わたし、

ふい ....
「少女の名前」

ちょんちょんと
ケンケンを
庭石でしている
突然かがみこむと
名も知らぬ花に
手を伸ばす
摘みゆかれる花
かわいそうなお花さん
お花はきっと痛いから
摘まないよ ....
右手を軽く握って手首を曲げます
そしてそのまま右耳のそばへ

もしできるなら
左足で首のつけねを掻いてみましょう
気持ちいいです

陽だまりでぐてーっとなって
幸せそうな表情を浮かべま ....
一月の風が過ぎ去った頃
空を迷って辿り着いた木の実が
夜を探していました

まだ
日暮れ前の鳥たちが並んで飛んでいる
公園の歩道には誰かが落としたハンカチが
あと少しで浮こうとしています ....
  青い森の中の小さなベンチ
  腰掛けたままの少年は
  もうずっと切りとられた空を眺めています
  かつて街角の公園だったその場所は
  今では小さな青い森
  時折少年の握り締めた手紙 ....
もぅ つかれちゃった

ぼくはなにもできないのに

みんな、きたいをかけてくるから

ごめんね おかあさん おとうさん


そう言い残して

四葉のクローバーは自殺して


 ....
午後に揺れる はちみつ色の池が
   とろり とろり
  眠くて仕方ありません

医学的にホルモン・バランス
春の陽気を否めませんのよ




かすんだ景色を走るの 普通電車が
 ....
何もかも面倒くさくなって
風呂に入るかわりに洗濯機に入ってみた

さすがに寒いと思ったので
あたためた風呂の残り水をポンプで移動
全自動のスイッチを「お急ぎ」にして
ボディーソー ....
たくさんの紙片が撒かれて散って落ちてきます
これは誰かのカーテンコールなんでしょうか

私はそれを静かな病院の採血待合室、
大きな等身大以上のガラスから見ていました

降り積もる紙片
溶 ....
どこにもない慰めを
深い色にまぜてとかしてみたら

少し落ち着いたみたい

ぬくもりって
だんだんと冷めてゆくものだから

あたりまえに溜息なんてついてみる

琥珀色の鏡に
吸い ....
スノーワルツにあわせて
銀盤の上をまわる少女

胸を押さえ
そらに向かって

左手を掲げる

壊れて出ない
一番たかい音を求めて

未完のワルツを踊り続ける
かーごーめ かーごーめ

  うずくまっていました、ずっと
  赤い空がぐるぐる回って
  頬を舐める風が怖かったから

かーごの なーかの とーりーわー

  怯えた背中を公園の木に ....
猫の眼のような月が
僕を見ているようでしたが

見ていたのは実は僕でした

そこには宇宙が広がっていましたが
実は僕こそが宇宙でした

常に生まれ
常に死にます

それは調和のた ....
つめたい風に消えていった君の姿。
君へと叫んだ僕の声は、風に消えて・・・。

今はココにいない君の笑顔を思い出し、
ふっと笑って見せるけど、思うように笑えなくて・・・
あぁ。君への想い届けた ....
ゆっくりと沈めてゆきます
きれいになりたくて
きれいになれる気がして
沈めてゆきます

あと少し

とても穏やかになります
静けさに包まれて
何も恐くはなくて
眠る ....
重たい言葉を呟きながら
折った鶴はくずれた格好でいました
尾なのか頭なのかわからない二本のツノは
怒っていました

指がふるえて
上手に折れないのですから仕方ありません
せめて寂しくない ....
Yousukeさんのおすすめリスト(379)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
時間×距離×事情- ベンジャ ...自由詩4*05-2-16
優等生- フォマル ...自由詩8*05-2-15
明け方の月はよく笑う- ベンジャ ...自由詩4*05-2-15
いつか、忘れるという日のことを- 霜天自由詩1605-2-13
仄暗い公園で- ベンジャ ...自由詩33*05-2-12
火トカゲの鎮魂歌- ベンジャ ...自由詩6*05-2-11
散らばってる- ベンジャ ...自由詩5*05-2-10
「夜、プラットホーム」- ベンジャ ...自由詩4*05-2-9
鎖骨の奥のあなた- ベンジャ ...自由詩6*05-2-9
流線型の悲しみに- ベンジャ ...自由詩9*05-2-8
あなたのやまい- ベンジャ ...自由詩5*05-2-7
心深切な- 天使自由詩3*05-2-6
完成しない今- ベンジャ ...自由詩11*05-2-4
微熱- ベンジャ ...自由詩3*05-2-4
やわらかく夜は- 望月 ゆ ...自由詩23*05-2-3
少女の名前- 梼瀬チカ自由詩9*05-2-2
2月2日_猫の日?- ベンジャ ...自由詩7*05-2-2
「錆びたトタン」より- ベンジャ ...自由詩12*05-2-1
青い森の少年- 嘉野千尋自由詩7*05-1-31
クローバー- くしゃみ自由詩11*05-1-30
うたた寝_うらら- 千月 話 ...自由詩9*05-1-30
洗濯してみたよ- ベンジャ ...自由詩6*05-1-28
紙片- ふく自由詩4*05-1-27
コーヒーと僕と- ベンジャ ...自由詩4*05-1-27
壊れたオルゴール- ベンジャ ...自由詩3*05-1-26
かごめかごめ- ベンジャ ...自由詩3*05-1-26
宇宙- ベンジャ ...自由詩6*05-1-26
君の笑顔を思い出し- 天使自由詩2*05-1-23
水中花- ベンジャ ...自由詩5*05-1-23
折り紙- ベンジャ ...自由詩9*05-1-23

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13