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鳴りものに そそがれる蜜
削がれる 鉢植えの暗闇

黒い雪崩に つかまる鳥の爪
横切る 銀色ワイヤー

透ける板 はずさないで
みたくないなら みないで
からすは海をわたる新開地で暮らしています

近くに海があっても泳げません

桟橋があっても泳げません

魚は暮らせても泳げません

浮き輪をつけても泳げません

水着にな ....
君がその女子高生の自転車のサドルに生まれ変わるなら
僕はその女子高生が三十路を過ぎたぐらいに使う勝負パンツに生まれ変わる


君がその女子高生のワイシャツから透けるブラに生まれ変わるなら
 ....
*


ビブラートに揺らぐ空の裂け目を
幻視の鳥が飛ぶ


*


明滅をくりかえすビル群が剥がれ落ちる
 ((NYという記号を描くその一点として わたしが燃やされる))
 ....
 オタマジャクシが
 ぼくのまぶたの裏側に棲みついてしまった
 けれど、だれからもみえない
 ぼくにも
 影の輪郭しかみえないが
 たしかに棲みついて動きまわっている

   ....
{引用=



夏がころがりおちてゆくのを
陸橋のうえから
ぼくは
ずっとみていたんだ
いつかかならずくる
嵐が
ニンジン畑のどこに潜んでいるのか
だれも知らないことが残念でなら ....
低価格が売り
のイタリアンレストランチェーンで
今日も時間を潰している

学校帰りの高校生集団
乳児を連れた家族
帰りに一人で夕飯を食べる会社員

そういえばこの店では
おひとりさま ....
{引用=



ふいに落ちてくるのは声
ねむりを破る声

とどまることなく走りつづける
でんしゃのなかを
でんしゃと同じ速度で疾走する男がいて
疾走する男のその努力をもし徒労という ....
「おーい 空くん
 今日はやけに機嫌がいいねえ」
「ほーい 機嫌がいいさ」
「どうだい 見てごらんよ
 君があんまり機嫌がいいから
 ほら 風が歌っているよ」
「ほほう そうさねえ
 風 ....
 光に目を凝らすと
 色彩が失われ
 あらゆるカタチはこわれている
 ひとつの塊にしかみえなくなっている

 蠢くものの姿がみえない
 ほかと選別できないから言葉がうかびあがら ....
服を脱げば
汗をぬぐえば
そこには
熱い風でもない湿りでもない


夏が


夏というものが現れる



幼子のころを思い出すなつ
幼子はおとなにあこがれた
おとな ....
 たとえあなたが農夫でも農夫でなくてもあなたが文章家でも文章家でなくてもあなたが小鳥でも熊でも蛇でもあなたが空でもあなたが風でもあなたが土でもあなたを好きわたしはずっとあなたのそばにいるあなたとキスを .... ねこを見てると眠くなる
ねむねむねむねむおねむのまほう
ふわふわの
お腹のお毛毛をなめている
おねむの国に行く前の
おねむの前の身だしなみ

 あたしはそんな風だって、頭をひと振りするだ ....
すずめをひいた
会社に出勤途中
青空の下でひいた

フロントガラスからみえた
ちゃんと道の上を横切ったのに
なんですぐ私の車の下に引き返すの
くちばしから餌を落としちゃったのか

あ ....
たとえば、わたしは、とても広い大地に立っている。
大自然が 与えた ゆたかな大地。
わたしは、太陽を正面に見据えている。
わたしの 後ろには影ができている。

太陽がまぶしいぶん、影 ....
 なき虫であっても
 なく虫ではなく

 よわ虫であっても
 つよがる虫なのである

 にがり虫に似た
 にがい顔で
 本の虫は点とり虫というが
 てんとう虫はほんらいお ....
美しい7月

太陽はまた新しく耀いて
波涛を映して瑞々しく
熱した白いアスファルトの上を娘たちは
日一日と灼けて
ときめきに図太くなって行く
楽しい事なら何でも起こる
碧いカレンダーの ....
小さな蛇のミイラも大雨で流されて
ほっとしていた
蟻に狩られた子蛇
もしかしたら毒蛇の子で
しっぽしか食べられなかったのかもしれない
食べた蟻は死んだのかもしれない
助けを呼ぶように身をく ....
 眠らないバスにのった
 眠れないぼくは
 あの野性化した雲といっしょに
 あかるい夏の海辺をどこへむかっていたのだろう


 写真でみただけの
 マリアナ諸島の鮮やかなブル ....
     若)まろがふたり でそろった!
     いまからね、バチバチッと
     かっこいいとこ見せあうからね
     その間に 逃げるんだよ

     面白そうだからって見ていて ....
 その身を削いでゆく
 どこまでも
 いつまでも
 と、いうわけにはいかないのだ
 だれであっても
 どんなひとであっても

 あげくの果て
 使いものにならなくなった
 ....
かみなり



ひんまがり 醜く よじれてペンダコのように頑なな私が
理想としているのが 渡り鳥の抑揚のように柔らかい けんこうこつだよ
ほしいよ
大理石の有翼女神像すら
空に ....
アリスはそこへ乱暴に投げだされ
黒い瞳に大粒の涙をためた
やがて朽ちてゆく散らされた意味の
灼熱に乾いたサハラカラーの砂漠の丘に
一面、蒼く鮮やかに咲く魔の花の
雑音交じりの夢へといざなう、 ....
湿った風 追い風 まとわる

体中すいこんだ わたしたち

早足で 砂浜のような 濡れた アスファルト

バスを 待つ余裕も なく

霧雨は 小さく崩れて 銀色 とけあう熱気

あ ....
             考える 考える
             君のことを考える
             君について考える

             油断していた
          ....
 白紙の畑がひろがっている
 一本道をゆく
 と、ポツンと
 巨大なショッピングセンターがある
 集合住宅のコンクリート塊が墓標のように、山塊のように建っている

 そんな
 ....
{引用=

 またいつもの
 自転車にのって
 ぼくがむかっていた
 先とは
 どこだろう

 でも
 いまは
 どこだろうがかまわないおもいでいっぱいなのは
 はたして
 ど ....
 泣く女

泣く女は階段の下で
セーターを編んでいる
赤い毛糸と緑の毛糸で

 哀れな女

シンデレラは靴の片方をなくした
シンデレラは靴の片方を探している
シンデレラは義足の片足 ....
泣けないボクは考える

(瞳を想う 唇を想う)

言葉に出来ないもどかしさは

(指先を想う 首筋を想う)

何なのだろう

(肩を抱く 胸に触れる)

悲しいのか 苦しいのか ....
こんなに悲しいのに
誰もぼくのこと理解していない
少年は海を前に呟いた
猫は鳴き声をあげた
少年には賛同していると理解したが
そうじゃなかった

猫は雌猫のところへ駆けて行き
じゃれあ ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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