かみなり
るるりら

かみなり



ひんまがり 醜く よじれてペンダコのように頑なな私が
理想としているのが 渡り鳥の抑揚のように柔らかい けんこうこつだよ
ほしいよ
大理石の有翼女神像すら
空におしあげる あまやかな率直さ
胸のあたりで いつも熱いものが
飛びたがっているよ

海に落ちる かみなりをみたことがあるよ
かみなりも 避雷針におちるよりも 自由で嬉しそうだった
今日もまた 子どもの頃と まったく同じ夢をみた
カナアミの柵を越えられない夢
私のこころは まだ こんなにも幼い

かみなりは
海の中にも
ささやかにあるよ
波間の海螢のように
わたしも わたしなりの いかづちを持っている

ねぇ あまいろ
情熱だけでは飛べないよ あめいろ
むしろ翼を重くするだけだなあ はいいろ
あなたの声が必要なのですよ あまいろ
囁きは大切ですよ あめいろ
嵐の風の中だよ はいいろ
ヨーデルのように ひるがえる あまだれ

かみなりってさ
神也なんだってね
虹までの距離は
フィートではなく
心でしか計れない






*追記*

ウミホタルとは


米粒のような姿をしている海の生物。昼間は海底の砂中で生活し、夜間に遊泳して捕食や交配を行う。遊泳活動が盛んなのは春から秋にかけて。水温が低下すると活動が不活発になるようですが、冬季でも完全に冬眠することはなく、雑食性で何でも食べるらしいです。

名前の由来となっているのは青色発光するから。発光の目的は主に外敵に対する威嚇。刺激を受けると盛んに発光する。ウミホタルは負の走光性(光から逃げる性質)を持っているため、発光は仲間に危険を知らせるサインにもなっていると考えられているようですが、そのためか危険を察知すると 海に光のウエーブがおこります。その様子はなかなか幻想的です。
また、海面を波立させず静かにしていると安息の中に 光の群れを 確認できることがあります。求愛ディスプレイとしても発光を用いられることもあるようです。


自由詩 かみなり Copyright るるりら 2010-07-11 08:53:34
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