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あけましておめでとうございます。 たま
オロチ
箸は一本でいいと言う。
ふたりの子は箸を一本ずつ持った。
狐の権太はうどん屋に化けて
村の二本松の辻に店を出してい ....
い 一笑一若(いっしょう いちじゅく)
一味(ひとあじ)ちがうよ 来年年女
ろ ロバのバン よべどさけべど のろまなバン屋
は 馬簾菊 バテレン来襲のごと 過ぎし夏
に 仁王 ....
こんもりと雪に覆われた朝
夢中でついばむすずめたちは
埋もれることもなく
枯草を折ることもない
だがまんまるの愛らしさは鋭い冷気への対抗
食糧不足は天敵も同じ
生きることは戦い
いの ....
ね・・、きれいでしょう・・・。
踊り子は楽屋のソファに胡坐をかくように両膝をたてて
物憂い女陰をひろげて見せた
ラッパのふくちゃんは太鼓腹をきゅうくつそうに折りた
たんでひたいに汗を滲 ....
世界は しらじらしい
夢の中すら 雪がふりはじめたから
道は 白く はばまれて 遠い
雪にかわったり 曇天に変わったりする幻を
さて いくつ超えようか
カーブごとに
ド ....
転がり
笑いにおよぐ手は
あなたの汀(みぎわ)に触れただろうか
いつしか愛は 大きく迂回する
あなたの的は
わたしたちの的であり
なのに欲しがるわたしの瞳はもろく
瑞々しい
....
12月ともなれば街はいやいやに浄化されて、今年楽しかったひとや哀しみに嗚咽したひと、苦しさからいまだに便秘気味なひとたち
」想定内に収まりますから と、わけのわからない押し売りの陰謀が一気に ....
)捕まえるにはまず肩書きのある壺からはじめなければならない
(畑はうしろから前へと耕してゆく
)知らなかった!
それは、学歴を探さなければならない
(蛸)を堀当てる
たまに取り逃がさ ....
なにもつたえあわなくても
こころをよせあっている
なにもいわなくても
いきているおと かんじている
あなたの こころ ぬくもり
さみしさ
....
微生物にとって
わたしのお腹の柔突起は
きっとかれらの全て
微生物は
生まれてから死ぬまで
わたしの姿形を知らずに
過ごすのだろう
空いっぱいの夕やけを見たいとHが言う
寒くない?
うーん、だいじょうぶ。
今日はあったかいし絶好の夕やけ日和よ。
どこがいい?
うーん、
海がすぐちかくにあって、川の流 ....
感覚を駆って
熱と湿度が飛び交って
ふたつの身体を高めていく
星間飛行の鈍色の船体が
故郷の水を恋しがって
恒星の配列をなぞるように
五感が跳ねて
目を閉じているのに ....
水面ははるか上
光は届いていないはずなのに
ぼんやりと明るい
呼吸の仕方を覚えたのは
もうだいぶ前のこと
少ない養分にも慣れた
清さがいまは心地よい
先のことはまだ分からないけれど
....
まるでこの世の始まりから
僕を待っていたように
茶色い床に君の
十二枚の写真が散らばっている
秋の風が窓の外で
穏やかにはためく午後
僕はグラスに冷たい ....
およそ百年前
大学二年の一人息子を交通事故で亡くした時
既に寡婦であった資産家の江古田夫人は
今度の悲嘆には到底耐えられないと思った
そこで息子のDNAを研究機関に預け
一年半後
スーパー ....
・・・
徐々に拍手
やがて喝采
そんなふうにして雨が
ふりやまない
かなしくない
矢印が斜めに
さしこむ窓に涙
いえ、ここはみずのくに
・・・
そらに昇ってゆく人は ....
1)
庇には樋がなかった
コールタールの屋根をはげしく打って
雨は黒い路地に、まっすぐ流れおちた
ひくい窓を大きくあけて
わたしは雨の音を聴いたはずなのに
路地に敷きつめられたコー ....
外灯を見つめる
それが照らした淡いアスファルトの
気配を今にかさねている
自転車の影が消える
町がだまって現れ続けている
ひとのこころを見つめている
たぶんそう ....
鼓動は いつも我と共にあり
孤独や不安も 共に受け止めた
うごめく感情も すべて
そこにいたんだね
感情ってどこにあるんだろう?
見えやしない心の傷を
どう癒せばいいのだろ ....
朝ひとつ
文鳥を買う
老朽の小鳥店で囀るけたたましさに呆然として
毱のような歪んだ標(まと)を見上げた
アクリルを
内側を
痛めつけながら悲鳴(いのち)は
雛たちから剥 ....
お空にうかぶお月様
まあるい大きな傘さして
明日はすねて出てこない
足元で咲く小さな花は
精いっぱいに背伸びして
きれいでしょ?と自慢顔
隣のあの子は憂鬱そうに
あくびと一緒に涙 ....
「明日という希望の光」
なんていううさんくさい言葉を
わたしはいつまでも信じられないまま
からだだけ大人になって
背けたい真実と
妥協する常識と
逃げられない世界に
がんじがらめにな ....
となりで寝息をたてる君が
本当に君なのかと
疑う夜
このまま眠ってしまえば
二度と目覚めないのではないのかな
とか
(まあそれでもいいんだけれど)
太陽なんてなくって
何かの{ ....
綿毛の海で泳ぐ
後ろ姿を探す
秋の始まる午後に
あたたかさとつめたさの両側から
等しく守られていることを知った
星の人から届けられる
言葉によらない通信を
言葉に変 ....
瑠美子さんは昔から
玉のような麗人だったが
きのう出会って驚かされた
50代にしては白い素肌
それはいい
話しながら顔を見ると
美とはこんなものかと驚かされる
にこりと笑う瞳の
優 ....
死んでいる鬼瓦めざして
何の予告もなく
銀色の竹とんぼが来訪
唸りながら
怒鳴りつけてきた
隣り町の宝石店の宣伝である ....
二人の”おば”は
しらない行き先のしっているバスに乗り
どこかへ連れられて行ってしまった
けいたいでんわの
ぼたんが押すたびにこぼれて
ただの二つ折られになった
心配されても
わ ....
古里の十年は
丸い石ころみたいに
旅にいざなわれた
山陰に五年もいたら
霧の病に取り付かれ
九州にもどったら
嘘のようにピンクの肌
ロマンスの七年を置き去りに
意気揚々と広 ....
今日2011年10月22日、
夕べ5時20分なのに暗い
冬至までふた月もあるのに
隣りの雨戸が静かに引かれた
5時過ぎれば明かりを点けて
籠って私的な時間となるのだろう
うちに何と ....
小雨に濡れて
ススキの銀色の
穂を少し羨みながら
宵口のやたらと
ライトが眩しい
足元を見詰め
プラスチックの袋
足もふらふら
空っぽの心と筋肉
ヤクはやってません
こんな ....
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