花は瓦礫の間に咲いていた
茎は折れ、砂のこぼれるところで
私の意識が眠っている

だれもいない夕べに
密かに私は名を呼ぶ
忘れてしまった誰かの慰めのために


それから一輪の孤独はや ....
ぼくの 内側には
ふたつのいろをした 
無数のコトバが はりついていて
ぼくは それを通して 
世界を みている
 
 ぼくのお弁当のスウプをみんなわらった
 カバンをぬらし ....
ふあんふあん。ふあん。
重力よりも
風力を強く感じていそうな。
ふあん。ふあんふあん。

糸みたいに細い八本の脚は
這っているのか飛んでいるのか。
脚のまんなか吊り下げた胴は
浮いてい ....
学校の坂を
手をつないで駆け降りると
二人は、体ごと海になった。


作務衣のまま飛び込んで重く
泳ぎ疲れた僧侶は
制服を脱いで藍色の水着になった少女を
波打ち際に横たえる

少女 ....
目尻のシワなんか気にしなくていい
それは君がよく笑う証拠
僕はそれを見るだけで嬉しい

鼻のあたまにソバカスができたって
それは僕と行った海の思い出
君の鼻を見るだけで気分はハワイ

 ....
姉の友達の犬が子供を産んだって…
それが君との出会い

お礼にケーキを渡しただけで
お金なんてかからなかった

君が教えてくれた
犬と暮らすことの喜び
命の尊さ

犬の価値は種類や値段じゃないってこと ....
この世のなかは

言ってはイケナイ音

聞いてはイケナイ音

知ってはイケナイ音

があるんだ

耳が聞こえなくってよかぁったね
守りたいものがあった

それは

とても小さくて

他人から見れば

どうでも良いものだろうけど

それでも

必死で守ろうとした

守りたかった

宝物だったから
 ....
紫陽花の花弁を撫でて しっとりさらり
カタツムリの渦をつまみ カチリつるり

部屋の網戸を閉めて カラカラぴしゃり
夕飯のそうめんは つるつるぱくり

風呂の湯気はもうもう
月明かりは煌 ....
男の子
女の子

ころぶところ
ちがうところ
きづつくこと
砂の山みたい

それぞれ
スコップで
積み上げる日々

泣くのをこらえて
たまじゃり踏んで

数珠を下げるお ....
空は
誰のものでもない美しさを携えているから
弾幕に汚れた視界の先に
ここには希望があるよ、と照らしてくれるけれど

僕の
指先が触れられる距離にあるのは銃口くらい
羽ばたく鳥を何度も握 ....
最上階のプライヴェーエト・ジァアグジィーの
黒い鉤型の湯出口に
バラいろのヤモリどんがつっかえている
赤ん坊のように柔らかな爪のはえた
短い後ろ足をじたばたさせ
水道管の奥へ奥へと身をよじら ....
遠い国で鳥があの娘を
拾って育てる
鳥はあの娘に名前をつける
あの娘は鳥に名前をつけることを考えている

鳥はあの娘に
おいしいお粥を作らせる
あの娘は庭のいちじくを
鳥にもいで来させ ....
もしも僕が君のように
ロボットだったら
こんなに悲しむ事はないだろう・・・
事実をたんたんと受け入れるのさ

涙が止まらなくて苦しむ事はないだろう
心がないのだから壊れる心配もないのだろう ....
何も無い道を歩いているのに
さっきからカサカサと音がする

ああ
俺の心がカサカサなのだよ

そうつぶやいてうつむき歩く男
の背中を見つめる妖怪カサカサ

*

妖怪カサカサは
 ....
世界が僕の知る人によって創られたとき、
この両手はシンプルを求めて
雑誌をめくったり、
チャンネルを変えていったり、
最後にはあなたの髪をかきあげたのだよ。
そこに見つけた
完全なタッ ....
38億年分を10ヶ月の間で
駆けぬける赤ん坊は
腹の中 ある時期になると
両腕に生えている立派な羽根を
一本一本抜いてゆきます

その間に
両足はするすると伸びてゆき
指先に爪が生え
 ....
痛みの庭にしゃがみこむ
すべては照らされ
すべてはまぶしい

誰かが
「」と言っている
私は見られない

うつむくまま
光が透過する
うつろな体の殻

(ここはどこか
という ....
まだ柔らかいオブジェ
蠕動しているくちひげ
最後の作品はみずからの死体だった
さけられない悪夢にも青空があるように
はてしない無の領域にも鼓動をうつ宝飾がある?
いいえ
いまでもすべての見 ....
身体という身体に付着した夜の気配の中には一羽小鳥が棲み付いていて一鳴きしては夏の
音を待っている。鈍色の血の替わりに巻かれた絹のガーゼはこの冬の半ばに来て擦り切れ
ていたが。
机上に在る{注水中 ....
頭がしゅうしゅうする
曇り空に
赤い点
落下傘が流されていく
ごまつぶのような黒い人かげ
大きな指が
垂れこめた雲に
文字を描く
地上にひしめいている
誰もが
しゅうしゅうしている ....
冬の初めのバスターミナル 風がとおる
ねえ、どうかしら
風に たくさんたくさんの紐をかけて
両手に持ったら わたしの夢にたどりつけるかしら
自らが 選ばなくとも 時は流れる
冬に向かう日々の ....
あらすじどおり進めない
「自分」を脱いで 窓から{ルビ棄=す}てて
惑いなき心の原石のみを
この部屋に残したい

汚れの落ちない
「自分」を脱いで
洗濯機に放り込みたい

{ルビ筒状 ....
アンモナイトを食べたら
夜目が利くものだと思っていた
嵐が近くなればなるほど
私は理科室が怖くなって
階段をスロープした
スロープした

スロープした



手順を間違えて私は嵐 ....
暖炉の前で
オレンジの皮を 囓るのはやめてください
指でむけない皮だ と私は言いましたが。

赤いスカートに コーヒーのしみ
娘の頭にオレンジの汁
編み物をしてもあたたかくはならないし
 ....
その黒ずんだ石塀より
実は君のほうが長く生きている
みにくさのまま立っていよ


朝一台も居ないパーキングは晴れやか


力尽きるまで
ひとりで立っていよ



2003/0 ....
小熊はときどき囓る
わたしの腕や足や首や耳を
するどい牙で無惨に裂いてしまう
真っ白なわたしの肌の裂け目から
きたならしい液体がドロリとあふれでてしまうから
床にしみつかないように必死でかき ....
なんだかよくわからないことを
なんだかよくわからない声で
喜んでいる
昔の話らしい
まだ
生まれてもいない
かさついた粘土細工が削げ落ちるように
(ぱらぱら)
頬がこけていくの ....
ニワトリのたまご
白いネリケシで
土台を作って 10個
窓辺においた

今日は 曇りのち晴れ
少しずつ輪郭が浮き彫りになる

黄色い光が浮いてきた
午後

ジリジリ
なのに冷た ....
ある初老の男性が言った


「恋は山登りのようなもの」


「頂上に来たら

 あとは下るより仕方ない」


わかっているさ

何度も聞いたような例え


 ....
バカ男さんのおすすめリスト(122)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
すれ違う- Aye-Shaluga自由詩104-9-2
ボトル・ランゲージ- 汐見ハル自由詩8*04-8-17
ユウレイグモ(百蟲譜39)- 佐々宝砂自由詩304-8-7
『水泳少女、遊泳セヨ!』- 川村 透自由詩504-7-23
シュガースポット- クリ自由詩204-7-10
幸せな日々- 木葉 揺携帯写真+ ...5*04-7-2
暗黙。- おやま自由詩104-6-18
I_want...- Lily of the ...未詩・独白7*04-6-16
梅雨入り- 自由詩104-6-10
方角- 石川和広自由詩3*04-6-9
腐った魚の眼に映るのは、脚のないイタリア人のカウパー- 自由詩9*04-6-6
頭脳ホテル’81- 石原大介未詩・独白7*04-5-21
メルヒェン- 鏡文字自由詩23*04-4-7
もしも僕がロボットだったら・・・- 森裸未詩・独白104-4-4
カサカサ- ミサイル ...自由詩504-4-2
世界- mk自由詩104-3-22
風切羽- 石畑由紀 ...自由詩504-1-30
痛みの庭にて- 岡村明子自由詩304-1-24
まだ柔らかいオブジェ- よねたみ ...自由詩504-1-20
水中花- キット自由詩304-1-20
低気圧- 岡村明子自由詩403-12-26
キーヨ- キーヨ自由詩103-12-9
蒸発- 服部 剛自由詩2*03-11-23
ちょうりじっしゅう- 嘉村奈緒自由詩403-10-16
黒じゅうたん前- 山内緋呂 ...未詩・独白303-10-15
朝礼- 大村 浩 ...自由詩5*03-9-8
バター熊- 華子自由詩403-8-30
面影- いとう未詩・独白203-8-11
エッグ’s- 湾鶴自由詩203-8-5
頂上- mei自由詩203-8-3

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5