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かつて付き合っていた男の
すこしななめの背中
だらしなく歩く姿
流れる煙セブンスター
よみがえる感情の
種類の少なさ
想い出と言われる
類(たぐい)の記憶
日の沈む5分前から
....
幼い頃見た空色は、濁りの青になった
僕らが居た空地は、駐車場になってた
窓をのぞく景色は、灰色の建造ばかり
背伸びし手を伸ばした、あの母の頭は
地上160.12cm見下ろせる高さになった
....
Mは転校生
Mの洒落たジャンパー
田舎の小学生にとって
それは
恰好の標的
休みの日になると
僕らは誰かの家に集まる
あるいはグラウンド
僕らの遊びには際限がない
野球にも飽 ....
{引用=
2階からボクが覗いている
こちらを見ている
あれは
確かにボクだ
ボクは思っているに
違いない
君は異常だ
平然と嘘を重ねている
平静を装っている
....
友人のお義母さんのお通夜にいく。キリスト教なので、本来通夜はないらしい。前夜式。
郊外の住宅地は、道がひどく狭くて、JRの線路には、森がすぐそこまで迫っていた。
「故 ○○ 前夜式」
....
{引用=洗っても
洗っても
僕は、僕
}
涙のあくびが 落ちてくる
お水に溶けて 落ちてくる
素敵な音出し 落ちてくる
悲しみと共に 落ちてくる
嬉しさと共に 落ちてくる
酸っぱい味で 落ちてくる
次から次へと 落ちてくる
....
誰にも言うなよ?
俺さ、昔、アイツの事が好きだったんだ
でもさ、あんまりにいいコだったから
僕等の女神様だよ、彼女は。
恐いんだよ。馬鹿みてぇだよな。
バランス崩すの ....
聞いたことのない名前の島の
生温かい浅瀬で戯れる半裸の娘たち
その下半身は鱗に覆われていて
しなやかな魚の尾鰭を思わせる
夕日を反射して虹色に輝いている
それを 洗いたての柔らかなタオルで包 ....
手触り
指先に
冷たく
温かく
空気だけが
踊るように
流れ
揺らめく
光の屈折
気配
息遣い
衣擦れの音
視る
よりも
確かな
この
存在の不在
{引用=
君の髪に
森の緑が映って
風に舞って
僕をくすぐった
空には
雲ひとつなく
昨日までの
喧騒は
木々の囁き
の中へ
消えた
....
誰かのシアワセが
ゴミ集積所に
捨ててあった
家に持ち帰って
磨いたら
結構使えそう
だった
コンセントを
入れたら
シアワセが
動き始めた
君はなぜ
捨て ....
つらい時とかって
やたらと下ばっかり見てしまうやん?
でも
雨がやんで虹が出てても
上見やんかったら気付かんで。
せやから
やっぱりつらくても
上見て歩かなアカンて思うわ。
....
からだの曲線にそって
あなたは
かんたんなじゅもんなのだと指を折った
てのひらをそっとひらいて
りゆうもなさそうにわらった時
すこしだけ
えんえんとつづいてゆく
朝の風景を おもいだして ....
ただ
つかめない距離を測って
「あなたとわたしの距離は35.2キロメートルですね」
って
いえればいいんだろうか
それも
間違いじゃない たぶん
そんで
も
どっかにとんでいきそうな ....
涙の理由が知りたけりゃ。
ここに堕ちてこい。
涙と一緒に、
同じ速度で、
ここに堕ちて砕けてみな。
俺が受け止めてやる。
この雨のように、
堕ちてこい!。 ....
{引用=
黒い光が
ぼくの未来を
塞いでいる
月は
もうぼくを
照らしては
くれない
ぼくの空に
月が
なくてもいい
君が飛んでいった
軌跡の残光が
ほんの
....
僕は未来へ
飛び降りた
、落下した
、気持ちよかった
、痛かった
、死ねなかった
そこには
ただ
未遂に終わった
明日が
今日という形で
潰れていた
訳の分 ....
僕が部屋のベッドの上で女の子とキスしていた頃
外では無邪気な子供達が走り回っていた
僕が彼女の部屋のベッドの上でフェラチオをしてもらっていた頃
外では蝉達が有らん限りの声を上げて叫んでいた
僕 ....
愛情を持ってことばと向かい合う
簡単なようでむつかしい
誰かの作品を読む
誰かの日記を読む
誰かの声を聞く
誰かの
親しみを込めて私はそこに立つ
私の親しみを
だけどあなたは知らな ....
思ったよりも駅から近くて
古いけど
コンクリで出来てる
アパート
問う
問う
自分へのいろんな
振り切れれば簡単なこと
電車の音が聞こえて
窓を開けた
見えないけど
....
甘栗むいちゃいました
三点倒立で甘栗むいちゃいました
航空ショーで甘栗むいちゃいました
筋肉ミュージカルで甘栗むいちゃいました
死海で浮かびながら甘栗むいちゃいました
女性専用車両で甘栗むい ....
おまえに綺麗な紙のきものを着せたったら
紙人形のように可愛いやろなあ
そんなこと言うてはったおじいちゃん
いつのまにか
紙のおじいちゃんになってしもて
あれは風のつよい日やった
....
髪の毛にエレベーターが刺さっている女の人と
危うくぶつかりそうになって
うっかり乗りそうになりましたが
それよりも階段の方が健康に良いので
大丈夫でした
自動販売機の前では
一匹の ....
その子にはちゃんとした名前があるのですが
いつも汚い服を着ているしそばによるとなんだかくさいので
先生のほかは名前を呼んでくれません。
いじわるな子は「ばいきん」と呼びます。
わりとや ....
これは私のための祈りであって、あなたのためのものではない。
山を歩く。桐の花がそろそろ終わりで、空色だった花は汚れた茶色に変わっている。そのかわり茨が満開だ。真っ白な花は鮮やかな美しさを持たない ....
笛咥えてピー
真夜中にピー
ひとりでピー
思い出すよ
我が幼き日の思い出
夜に笛吹くとヘビが来るわよ
ってママンが言ってたよ
ところで
昨日
手紙が来たんだ
「落と ....
丘の上の工場から
午后のサイレンが聞こえて来る
いつもそれを待ち侘びていた君
遠くまで行きたくて飛び乗った電車
あれは過去のこと
海を見ていた
太陽は焼け付くようだった?
白 ....
グラス一杯の
ぼくの血は
だれも
救えやしない
一篇の
ぼくの詩と
全く
同じように
それらは
ただ、
そこに在るだけ
うん。
そうだ例えばね。
歳の離れた少女に、尊敬の念を感じたり。
歳の離れた、おっさんの人生を心配したり。
また。
そうかと思えば。
歳の離れた青年のケツを、思いっ ....
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