齧って初めて知った事務の味
同じ林檎以上一心同体未満
従い先回り責任はワタクシに
黒子みたいに
忍者みたいに
齧った林檎が海上を滑る
同じ速度で海底を移動する
林檎が沈んだ時にキ ....
すこし悲しみのある朝
昨夜に知ったこと
少し期待していたこと
そんな想いはもう無いと思っていたけれど
朝目覚めて
胸にじわじわと広がる
少し滞る朝ごはんの支度
....
ありがとう
優しいひと
宛先のない手紙を空に向けて飛ばす
風が想いを運んでくれる
逢いたいと願うだけでは
足らなかったの?
自分が自分を邪魔するように
伸びすぎた前髪が視界を遮るから ....
ぬけてぬけてすっこぬけ ちょん 、
まだまだ移ろい揺らぐらしき季節の
知らぬまにまに目の前やら頭の上
はらはらひらひらはらはらぱさり
(時空の伴奏、緩やか垂直に切り裂きて)
....
煮詰めた汁
きつい橋からただよう測り方もどうせ数字
どこにもない女がトー横も腐れ縁しばらくYouTube
ガスがいくらも漏れて12万で安かった40万もいた
ギリ ....
スターターピストルが鳴った
言葉がフライングしても
やり直そうとしない
怒号や罵声が飛ぶ
失格になった
おかしな未来がゴールで揺れている
一度発した言葉は
なかったことにはできない
....
天使たち 舞い降り
大地蹴る午前三時
また誰か人 、
独り引き取られ
涙の一粒に 光滴
寄り添い響き合い
新たな苦難と安らぎに向け旅立つ
この深夜に 光の帯の街並み 、
何処ま ....
寂れた窓は動かないふりをし
ひたすら外に目を向けていた
季節の香は失われ
残酷なほどに生をむさぼり続けた
虫はいない
寂れた窓にとって
そういう喧噪ははなはだ懐かしく
色合いの違う風に吹 ....
部屋から
電車の走る音を聴くと
安心する
疲れたひとびとが
ゆっくりと
家路を辿っているようで
これから癒す眠りにつくひとびとや
眠れずに夜通し起きているひと
いろんな葛藤があり
....
人、人、人
人について考えることから距離を取りたくても
今日も人の作った教えの中に私は、生きている
才、才、才
才は誰にでもあるもので
誰もが誉るに値するものを持っている
快、快、快
快 ....
ブォーンと唸る吸引音
君は戦場にいるみたいだ
急に居場所をなくす僕
いつもよりヒステリックな音に聞こえるのは
気のせいかな
掃除機襲来
空いてる部屋へ
右往左往
怒ってる?
....
うっすら陽の射す
細雨降りしきるなか
歩み続ける
暗から浮き上がる明の
黄色く
明から浮き立つ暗の
青く
朝を迎え夜に至り
また独り時の 逆流す
醜いものに美しきもの
全て ....
万華鏡を廻すと
次の結晶が像を結ぶように
調子っぱずれのメロディは
次の照点へと向かい始める
狂った時計が夜を告げている
午後9時の騒めきは
書くことばに不協和音を混ぜる
純粋を望む ....
張りつめた銃声の
重くのしかかる 緊迫が、
涙となって
少しずつほどけていく
野生の 最後の それが亡くなった報告は
他に行き場もなく 認定された
蔓延する
殺戮に悲 ....
一つ、私という肉身の無常
貫く力動の凄まじさ 、
意識の内なる光響、倍音重ね重ね
ぐわぁんぐわぁんぐわぁんぐわぁん
木霊しつつ光輝白銀の 爪痕残し遠去かる
誰そ彼にいとしきひとの名を呼びて
かへらぬ背中憎く愛しく
はかなきはひとのおもひと知りつつも
街の歯車ゆめを明日へ
雑踏の片すみに咲く花一輪 ....
タップしたら入れる世界で
羽根を伸ばしても
影に溶けている現実が
どこまでも追いかけてくる
放っておいても
いつかは向き合わなければならない
笑ってしまうほどの深刻さが
滑稽だな
....
彼女の好奇心と
私の虚しさを埋める
壮大な作り話
姫君の瞬き
傅く水晶の城
裏切りと慟哭
見知らぬ仲間は
命分けあう行く末
白いシーツの部屋は
異国の砂漠に変わり
闘い倒れ ....
冬、まだ生き続けている。とても大きなオオクロバエ。窓ガラスに張り付いたまま。もはやほとんど動かない。指さきを近づけてみてももはや俊敏に飛び立つこともしない。それはまるで、もう十分に生きてきたから、みた ....
硬派、なんて四角い発泡スチロールの断片のようなものだ。恋心、という風神にいとも容易く巻き上げられて、何度も同じような軌道をぐるぐると巡らされるのだから・・・。
「こたつは麻薬や」
あなたは そう呟いて
こたつから抜け出した
まるで逃げだすように
不覚にも長い昼寝に陥り
試験勉強を邪魔された──
あなたの言い様
こたつに悪気はないのに ....
土曜の朝
夢の中で計算していた
資料の動画を作成していた
まるで休日出勤
休みなのに
仕事のことばかり考えてる
好きかと言われたら
そうかもしれないし
違うかもしれない
心は ....
病棟のベットでぼうっとしている私
四人部屋のお隣さんは
ラジオを鳴らしながら歌っている
私は揺れる緑の仕切りカーテンを見る
空調の送り込む風にゆっくり揺れ
お隣さんの歌声は続いている
....
まだ1ヶ月以上あるというのに
この時期になると
街のいたるところに
イルミネーションが灯りはじめる
一個人の家庭から
木々のこずえ
待ち合わせの広場
イルミネーションの灯では
....
昔戦場だった野原に
ススキが生えている
百姓なのに雇われて
怖がりながら
斬られて逝った命たち
風でススキが揺れる
手招きみたいに
たくさんの無念が
教科書には載っていない ....
薄暗さ覆う海辺、うねり寄せる波間の渦に
子供たち二人、あっちとこっち何か大っきな貝を掴もうと盛んに手足を動かして動かして
自分たちに肉体があることの自由自在を喜び、歓喜の木霊のやがて波間の渦 ....
最早絶望に絶望する
孤独と云うモンスター
最早親も誰も助けにならない
その現実を幼少に凝視した人間の
ごろんと転がる親しみ在る人の死体
ぱっちり両眼見開き固化した瞬間 、
自らを切 ....
粉雪の夜空からそっと舞い降りてくる、とてもちいさな白い天使たちが、君のながい睫毛の上にそっと置いていった、とてもちいさな氷水晶。
姉は
母の遺影だけ渡してくれた
お父さんのは?
とは聞けなかった
彼女の中では
一生赦せないひとだったのだろうから
母の情の{ルビ強=こわ}さを受け継いだ姉
酔って暴れる父を
....
火炎に光の耀き燃え立つ処、
必ず煤の吐き出され闇の病み
天に誘われ地に誘われつつ
人の伺う対局の間合い
天と地への執着の悪夢、
二の狭間に三を導き
真の途を見出し
意識魂の己 ....
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