すべてのおすすめ
久しぶりの神戸
妹と二人で往く
生田神社は朝から多くの参拝者
ほっそり引き締まった狛犬を眺め
お詣りしてから坂を上る
異人館通りを右に曲がって
ハンター坂を横切り
賑わう北野 ....
生まれて初めて見た
こんなにも沢山のチマチョゴリ
京都で暮らしていた頃
頼まれ仕事で
結婚式場へお弁当を届けにゆく
式場は由緒ある場所
黄緑の木々が繁る、厳かな静けさの中
黒光り ....
新聞という情報ツールに
改めて、心底感心させられる
新聞配達をしていた十代の頃
それは重くて辛い紙束
それはただの新聞紙
日曜日の午後、夫の髪を染める
風呂場へ行く夫を見送り
足 ....
白くて水をたっぷり含んだような手
節の見えない長めの指
綺麗な淡色のマニキュア
カウンターに置かれたそれは
何か美しい生き物のように魅惑的で
コツコツ ....
最初から知ってた
きっと私のどこかが感づいてた
あなたが私のことを好きでないこと
好きになろうとしてくれたのかもしれないけれど
あなたは一人で夢を見てた
私の笑顔が素 ....
薔薇色の日々を与えてくれて
貴方には心からの感謝を
どうしようにも
憧れすぎて
私は貴方になりたかった
貴方が知りたくて
ボードレールを読んだ
それがきっかけで詩を書き始めた
....
まるで夏のよう
この休日は気温も湿度も高い
今日の装いは真夏に着ていたワンピース
エプロン付けて台所に向かう
今夜は唐揚げ
衣をつけた鶏肉を油に入れていく
シュ ....
今年に入って
私は私を疑うようになった
特に仕事においては常に疑っている
会計では、患者様二人ごとに金庫の中を総計算
取引先に出す伝票は、四度、五度、確かめる
それでも、まだ足りない気が ....
今朝
植物たちに水遣り中
衝撃が走る
私のサボテンが
土の上に倒れていた
唖然としていたら
「サボテンがコテン」
チラと見た夫が言う
西宮から一緒に越してき ....
夜のベランダ
洗濯物を干していたら
一匹のコオロギが鳴き出した
リリリ リリリ
耳澄まし聞き惚れる
まるで私を誘うよう
少し移動するたびに鳴く
─暗闇で見間違えね
─私は若 ....
遠くで
洗濯機が動く音を聞きながら
二度寝を楽しむ
夜明け前
目のよくない夫は
迎えにきてくれた友達と釣りへ
ほんのすこし
ホッとする
この気持ち ....
秋風が記憶を連れてくる
夢の中の貴方を手離し難く
朝の寝床から起きあがれなくなる
福島駅で別れてから
毎秋そう
別れを告げたのは私だけれど
きっと神様が私を
貴方から遠ざけた ....
小学生の頃、土曜日、たまたまついていたテレビから、心を鷲掴みにされる歌が流れてきた。
それはエンディング曲で、その時は何の番組かは分からなかった。
放送局はNHKだった。
翌週の同じ時間 ....
ああ いい気持ち
日の高いうちから
スーパーで買った鰹を炙り
新潟の純米吟醸を冷で飲む
今日はよくやった
早朝から頑張った
夫の用事で
行ったことのない羽曳野市へ
....
道路工事で
職場前の道は渋滞
ブラインド越し見える作業員の人たち
若い人が一人もいない
砂塵と高湿度の靄の中
上下するヘルメット
ドア一枚隔てたこちら側は
....
妹の娘は
私に似ている
彼女が産んだ赤ん坊
男前ではないけれど
愛嬌のある顔
知り合いの可愛いおっちゃんに
似ている
彼は私を一生懸命見つめてくる
私が何者か分析している
....