たぶん知らなかったのですで謝る庶民と
知りすぎていたのですで謝る上層部が
いるのだろうと邪推する午前五時半
滑稽な顔で女の気が引けないなら
陰鬱な顔ではなお無理だろうと
この詩はどこで笑った ....
二〇一八年十月一日 「楽しくくたばれ!」
楽しくくたばれ!
二〇一八年十月二日 「断片」
ぼくは何も言わなかった。ひと言も口にすることができなかった。何
を、どう言 ....
二〇一八年九月一日 「葉山美玖さん」
葉山美玖さんから、小説『籠の鳥 JAILBIRD』を送っていただいた。クリニックに通う女の子の成長物語だ。会話部分が多くて、さいきん余白の少ない目詰ま ....
いつも通貨は飢民を迂回して流通する
いびつな地球儀の舵をとっているのは誰
鍋の底に経済の残滓がEDMみたいだ
僕は誰。僕のからだのなかには吸い殻と
古い写真と優しかった女しかいないから
....
ヘリポートに出ると猫がいた
そこにいると危ないぞと言うと
あわてて逃げていく
空は高くて雲ひとつ見えない
洗浄機の栓を抜いて顔を洗う
管理者が椈の枝を落としている
ストレッチャ ....
二〇一八年八月一日 「どくろ杯」
いま日知庵から帰った。帰りに、セブイレで、きんつばと、玄米茶を買った。寝るまえの読書は、なんにしようかな。きょうのお昼には、金子光晴の『どくろ杯』のつ ....
光を感じ窓際に立つ
少女の夢の遥か向こう
今日も世界は廻っている
虹が地平遥かに立ち
吹く風、覚醒を誘うとき
花を世界は少女に置く
(チリチリ舞う風の粒子
光はそれらを透過して
....
今日は冷たい北風が吹き
街はもうすぐ黄昏です
西陽が君の横顔を照らし
はにかむ瞬間を捕らえます
それは本当に美しい
この街角の光景です
(あゝ後何百年
待てばこの瞬間に出会えたのか
....
さざめいている
ざわめいている
私の頭のなかで
何かが、
輝いている
熱している
巨大な明滅凝視、、
近づいている
波打っている
揺れ廻り 廻り揺れ
予測 ....
ちいさな、迷いの、
みえない、
硬い、戸惑いのプラスチックを、
決断の、とがらせた指さきで、
突きやぶって、
それから、送信の、まるで火災報知機のボタンを、
ほんとうに、
押してしまった ....
素晴らしい朝は
岬の鴎たちが啼き交わす言葉までわかる
遠い希望は持たないほうがいい
ただ一瞬の充実が幸福論のすべてならば
そこに集力してそれが結果になる方がいい
それからが始まりだと ....
さっきから雨が降っている
冬の雨、なぜか落ち着く
今日は
氷入りのコーラに
紙巻タバコがある
セラミックヒータがあって
部屋の中は暖かい
一時の快感に酔う
コロナ禍の為の世界的な
生 ....
二〇一八年六月一日 「断章」
断片はそれぞれに、そうしたものの性質に従って形を求めた。
(ウィリアム・ギブスン『モナリザ・オーヴァドライヴ』36、黒丸 尚訳)
二〇一八年六月 ....
二〇一八年五月一日 「迷惑メール」
迷惑メールが何通もくるのだけれど、いま見たら、「ワンナイトラブでかまいません。」と書いて、女の名前で書き込んであるの。笑っちゃった。こんなメールに返 ....
二〇一八年四月一日 「孤独の円盤」
きょうから河出書房新社の奇想コレクションシリーズの第2弾、シオドア・スタージョンの『不思議のひと触れ』憶えているのは、異色作家短篇集の『一角獣・多角 ....
森や林にさびしい色が川や海にかなしい色があった
二〇一八年三月一日 「ぼくは、あなたの大きなおっぱいで終わりました。」
きょうも寝るまえの読書は、チャールズ・ボーモントの短篇集『夜の旅その他の旅』のつづき。なんか40年とか50年まえの小 ....
汽水域でしかいきられない乱反射は
椅子に座っても安らぎにはほど遠く
手から手と瓶のなか追いかけていた
わたしの、わたし達の心は縛られることはない
そんな風に真っ向から歌う事を忘れてしま ....
二〇一八年二月一日 「無限がいっぱい」
塾が終わって、日知庵に行ったら、シンちゃんさんご夫妻と友だちがいらっしゃって、そこからガブ飲みに。きょうも、ぼくはヨッパで眠る。眠るまえの読書は、ロ ....
青空が言っている
死はここにあると
公園のベンチから立ち上がって
探しまわる
散歩のひと
ランニングのひと
子を連れたひと
また
ひとばかりさがしている
誰にも会いたくないの ....
えくぼ
笑顔を生む
笑顔のなかの
ふたつの支点
希望の
くぼみ
えくぼ
笑顔のほころび
ふたつの種子が
こぼれ落ちる
黄いろい
ひまわりの花がさく
えくぼ
笑 ....
二〇一八年一月一日 「熊人形」
きょうから、リチャード・マシスンの短篇集『13のショック』を読む。スタージョンの短篇集は、いいの1作品だけだった。「熊人形」だけがよかった。スタージョンの短 ....
孤独である
関係を全て切断し
諦めている、静かに
幸せとか不幸せとか
ただ驚くのだ、
世界に自分に詩に一日に
オドロキは転がっているから
至るところに
オノレが在る、セカイ ....
チャラい人にストーカーされてモラハラ交際する羽目になっていて、逃げたくて全寮制の職業学校に入って真面目そうな夫をチェックして卒業したあと同期に取り持ってもらって今結婚している。逆ナンパですね。
チャ ....
過去の過ちに気づいた後でも
腹は減る、喉は乾く
アイスコーヒーを飲みながら
傷つけた人の面影を思い浮かべる
信じられないくらい美しい人だった
自分では世界中で一番、愛して ....
{引用=胡桃の中身}
感覚と本能の間
奇妙な衣装で寸劇を繰り返す二人
台詞を当てるのは
土台無理なのだ
虎はいつだって喰いたい
馬はいつだって逃げたい
やがて波打ち際
血まみれの馬は海 ....
居場所のないことにすっかり慣れてしまった
居場所があったのはたんに周りが優しかっただけ
革命の年にテントとシュラフを積んで
やさしい風景を捜しに行った訳なのです
いまも漂泊中の修羅猫みたい ....
在ることの
謎に触れたとき
ウォーターと
手のひらに
書いてみる
初めて地球を生きた日のように
その鮮烈な霊気に貫かれ
ウォーターを
感じて、感じて
独り大地を
舞い踊る
....
二〇一七年十三月一日 「日付のないメモ」
彼は作品のそこここに、過去の自分が遭遇した出来事や情景をはめ込んでいった。あたかもはじめからそれがそこにあって当然と思われるはめ絵のピースのように ....
がむしゃらに夢を追いかけるのも
少ししんどくなってきた
夢を諦めたわけじゃないけど
ここらでちょっと一休みするのも
いいかもしれない
必須アミノ酸の不足を
インスタ ....
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