木の高いところに骨がかかっていて
鳥が面白くなさそうについばんでいる
手にしたほうきでつついて落とすと
地面に落ちたそれは乾いて白い

夜中に夢から覚めて
台所で水を飲んで寝に戻る
さっ ....
きみが
ふるさとを
いとしく呼ぶ

あいづ と

づ、にアクセントをおいて

うかうか
夜行バスで
きてしまった
きみが歩いた町を
見たくなってさ

雪の白と温泉の湯気
 ....
まだ生きている

夥しい数の幽霊たちが街をゆきかう

様々な商業施設へ殺到する

贅沢な食事を提供する店に行列ができる

そしてあの世からの噂が

たちまち幽霊たちを不安 ....
真ッ赤に燃えさかっちまえ
そうして真ッ白に舞い上がれ

灰に膿む空をにらみつけるわたしの目は沁みて

あの横須賀の廃屋のねむりよ
水色の目の車よ、またぐらでやわらかくあたたかく
あたため ....
しなやかな獣のようだきみは

脂肪のわずかなあたたかなからだ
むしゃむしゃごはんをたべ
わたしをむさぼり
疲れたらひっぱたいても起きずに深くねむり
あしたははたらきにゆくのだろう

眠 ....
じいちゃんの亡くなったカミさんが
うえたザクロの木のもとに
実がパッカリあいてころがっていた

皮からあふれ散らばっている実
鬼子母神の澄んだ涙を
庭におりたツグミがうまそうに食んでいる
 ....
「ひとはなぜ生きているのかなぁー?」
「うまれたからさ」
まつりごともかみさまも
しんじないあなたはそういった

戦争に反対するお父さんとお母さん
こどものわたしは
ベトナム帰還兵とおな ....
わたしの舌に、消えない火傷
あなたの魂を舐めたとき

廃屋のような体に、光る痛み


もし、あの青い林檎をもいだなら
神はわたしの性を奪い
燃えさかる海に放るだろう

わたしは赤く ....
広い邸宅など要らない
ベッドは
身体を横に出来るスペースがあれば良い
食卓には
茶碗の置ける隙間があれば飯は食える
とうそぶいて

新聞が 雑誌が 広告が 
テーブルに積み重なり
ベ ....
 

それを言うと
渡り鳥のことを思い出す
羽搏いていた鳥が
水面に映った自分の姿を認めると
鳥は堕ちる


波が代わりに羽を動かす
と言うのは便法で錯覚だ
鳥が波に{ルビ唆= ....
「子どものための幻想詩」

子どもらしい子どもにしたがる
大人のためかもしれない

大人になりきれない子どもがえがく
むなしい まぼろしかも

けれど中にはよいものが

目を磨くん ....
おかあさん、あなたのいない夏がまた来たよ
そうしていま選挙の時期です
口癖のように歌のように
あなたはいつも
社会貢献できてわたしの人生は幸せよ。
そう、甘ったるく高い声で
誰にも有無を言 ....
わたし、
根なし草に
転がる石
つよいつよい風に
笑ってひらめく柳の枝葉

だれか、
土に据わり花を咲かせ
苔むしてふかみどり
ずっしり受けとめ
ある日倒れゆく樫の木

わたし ....
出会い頭の事故というのがある
この狭い家にも

トイレのドアを開けると
出会い頭の事故にあう

風呂に入ろうとして
ドアを開けると
その人はいつもそこにいる

襖を開け ....
アフリカ鍋には
キリンさんの首と頭がまるごと入っている
そういうと、
動物愛護協会から
クレームが来るかもしれない

キリンさんも可哀そうだが、
それならなんで戦争がなくならないんだ
 ....
暗い夜の底から
柔膚を剥ぐように奪われた
土と草の匂いと、
家族の笑いを灯した明り

 安穏な日々
   を
  揺さぶり壊して
一瞬が、
      全てを奪った

星々をも掴 ....
台風一過。
まだ、生きてますか? 
ビンボーな、ビンボーな、詩人のみなさん。
大丈夫です、DNAはことばを運ぶためにあなたたちを選んだのです。
なのであなたたちに託された「ことばの伝達」が終わ ....
マイナス16℃のニューヨークで
外では行列が出来ている
超有名人のやって来る
そんなゴージャスな店の中で
お前は、すでに死んでいた

だらしなく延びきって、
下品な臭いのするスープの中で ....
雨の日だけ訪れるひとがいる
水を滴らせながら、入れてもらっていいかな、と
私は玄関を大きく開け
タオルとホットミルクを渡す

他愛無い話をぽつりぽつり
このひとは愚痴や怒りを表さない
た ....
あたたかく降り積もった雪の下に埋めた
女になってしまう前の、
何でも言葉に出来ていた少女のわたしを

女になるというのは
自分が一番遠い他人のように感じる生き物に
なる事なのだ
女になっ ....
わたしたちが
ねむっているうちに
またひとつ
よるがまちを
おとずれました

ねむらずにきょうもまた
よるがまちをおとずれました
わたしたちが
ねむっているうちに

 ....
魚たちは
丘に打ち上げられ
濁った空気を吸っている
けものも
けだものも
身を潜めて眠っている
鳥たちはどこか遠く
姿を見せない

灯りのない街を
明るい部屋で夢想する
シ ....



面影に
蝋燭が淡く
拾う貝殻は
潮に消された
砂浜にねむる白ユリ
風に剥がされ
おちた
化粧箱の螺鈿
あなたは
アルバムのなかで微笑む
ちぎれた月の真珠
少 ....
 
 
わたしの妻になるひとは
どこにいるのだろう
漠然と考えていた
頃があった

もしわたしがこの街に
来なかったなら

あなたはもっと
幸せな人生を
歩んでいたことでしょう ....
私はニンゲンであったから
冷たい雨の下で
蛙たちと共に飛び跳ねることはない

私はニンゲンであったから
蛙たちは
安全な距離を保とうと必死になる
沼に飛び込む
水面に波紋がたつ
大き ....
 男は、レミオロメンを知らなかった。いや、そればかりかサラ・バレリスもブランディーさえ知らなかったのである。しかしそれが彼の生活にあえて格別の影響を及ぼすということではなく、ただ美しい天使たちの歌声か .... 年月とともに
町並みが変わるように
この畑も
様子が変わっていった

ビニルハウスは
引越しを繰り返し
屋根の下で育ったものは
町へ出荷され続けた
そのことだけは
変わらずに ....
裸の男たちが 松明をかかげ
夜を徹して 雪の上をはしる
燃えさかるのは 暗幕に
連綿とつづく ひとすじの夢  
曙とともに 冬がおわる
はじめて会った
気がしないのは
なぜだろう

やさしいまなざし
知っているのは
なぜだろう

話しながら左手を右手で
撫でる癖を知っているのは
なぜだろう

その手のぬくもりに ....
◇光


雪山には

光が爆発してゐる

人影はなく

光の爆発はつづいてゐる


◇粉雪


粉雪がさらつてゆくものは

甘い想ひ出と

酩酊

ちりち ....
帆場蔵人さんのおすすめリスト(330)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
水鳥の夢- 春日線香自由詩917-5-27
インディアン・サマー- 田中修子自由詩21*17-2-17
幽霊たち_☆- atsuchan69自由詩7*17-1-2
風雨の夜- 田中修子自由詩5*16-12-23
獣と鬼火- 田中修子自由詩8*16-12-20
ザクロと鳥と- 田中修子自由詩5*16-11-18
陽のようないのり- 田中修子自由詩7*16-11-16
火のように- 印あかり自由詩12*16-11-1
狭い部屋- イナエ自由詩17*16-10-21
渡り鳥伝説_- 白島真自由詩4*16-10-18
子どものための幻想詩- 田中修子自由詩9*16-9-29
がいこつつづり- 田中修子自由詩15+*16-7-2
- 田中修子自由詩5+*16-6-13
出会い頭の事故- 小川 葉自由詩716-5-4
アフリカ鍋- atsuchan69自由詩15*15-11-10
水葬- atsuchan69自由詩7*15-9-11
ビンボーな詩人のための贅沢レシピ_すき焼きうどん鍋- atsuchan69散文(批評 ...6*15-8-26
ラーメンと日本人_★- atsuchan69自由詩8*15-3-18
「雨ごい」- 桐ヶ谷忍自由詩19*14-6-8
「花曇り」- 桐ヶ谷忍自由詩29*13-6-5
よる- 小川 葉自由詩311-8-10
しなやかに朝を迎えたい- いとう自由詩2311-3-14
白蝶貝- アラガイ ...自由詩7*10-9-18
- 小川 葉自由詩610-4-29
雨の下釣り人は独り- 北村 守 ...自由詩1209-10-6
折り返しのある男- atsuchan69散文(批評 ...11*09-3-17
- 小川 葉自由詩608-6-21
そろもん(炎の歌)- みつべえ自由詩208-2-14
初対面- 小川 葉自由詩7*07-4-15
光_・__粉雪_・_蟻_・_・_・- 杉菜 晃自由詩15*06-11-11

Home 戻る 最新へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11