長い間 探した虹は見つからず
今日の行方を、風に問う

僕の内面にある
方位磁針は
今も揺れ動いている

風よ、教えておくれ
ほんものの人の歩みを
日々が旅路になる術を

群衆の ....
迷宮の子どもたちが
歌う歌が聞こえてくる
たのしげに聞こえてくる

迷宮でずっと迷いつづけて
つらくはないのだろうか彼らは

  僕らは生まれたときから
  ずっとここで迷いつづけてき ....
ペンのインクが切れた
詩人は詩が書けなくなった
けれども書けない本当の理由は
それではないことを知っていた
切れたのは
ペンのインクではなかった
仕方がないので
詩人は庭に木を植えた
 ....
岸辺を撫でる
さざなみは
私にいくつもの
音を書かせる

川面で弾ける
きらめきは
私にいくつもの
色を撮らせる

私の中には
川が流れている

花弁を浮かべ
渡り鳥を ....
{引用=(*筆者より―― 昨年暮れ辺りに自分のかくものがひどく拙くなつてゐることに気付き暫く充電することに決めた。その拙さ加減は今回の投稿作をご覧になる諸兄の明察に委ねたいが、ともあれかいてしまつたも .... 荒れ狂う海を見た
 防波堤は決壊し
穏やかな海に遊んだ
 日がな一日泳いで泳いで
甘やかな海を味わった
 夕げに貝をほじくり食べ
律動絶えない海を聴いた
 夜の浜辺に蟹を追い
太陽を溶 ....
林檎の木からは
そこに巣食う虫どもを
怯えさせる匂いしかしない

空気も甘酸っぱいまま凍りついた
林檎園の丘の上に転がるように
あたしの脱け殻は
星の下で眠るんだ

陽だまりの ....
東京の風がつよい

霞がかった青空だ

むりやり既視感を

呼び起こさなくても

子供のころ学校で

教室の窓にうつる

運動場や町並みだ


あのころの細胞は死滅してて ....
草と魚の匂いのする
傲慢なことばに、
茹でたブロッコリーと
エディブルフラワーを添えた

ソースは煮詰めたバルサミコ酢
桜えびと蓮根チップスも散らして、、
皿はロイヤルコペンハーゲンのブ ....
巣から落ちて干涸らびた雛鳥の
虚ろな目が空を見ている
とっても綺麗だから
イヤリングにしたくなるね

ねえ、そんなに見つめても
決して辿り着けないよ?
それとも小さな魂だけは
この惨い ....
イーハトーヴの映像が
プラズマオーロラに映し出される
緋色天幕スクリーン
荷電粒子の矢の弾幕流れて
7hertz超低周波音BGM
北極の星の声の讚美歌流れる中
オーロラが心を奪い去る
く ....
昨夜の夕飯に頭と骨だけ残して食べた魚が
ゆうゆうと空を泳いでいる
綺麗に身だけ食べられた魚のみが
泳げる資格を与えられるので
私たちは神経質に箸を使う

骨の魚にはもはや天敵もいないから
 ....
いつかわたしが生まれ帰ってきたとき
もういちどこの詩をみつけたい

なまえも知らないひとの詩として

ささやかだけど悩みや哀しみ 楽しみなんかを書きとめて
人肌のあやうさを伝えたい

 ....
疲れ切った身体に
染みる歌が
寒さよりも早く
こっちに座る

使い古した
勇気のチャンネルを
一人でずっと
回して来たんだ

生きるために
タイマーをかけること
この先も続く
 ....
人の力ではどうしようもない出来事に
さらわれた
行方不明の親族の亡骸が
骨だけになってしまったけれど
見つけた
帰宅した
そのように 見ていた
私は

七日間の旅立ちに巣立ちに ....
美しい本と空と地面があった
あるいてあるいて
夜空や
咲いている花を
吸い込んでいくと かさかさになったこころが
嬉しがっているのを 感じた
雨の日には 本を読んだ
子どもらのあそぶ
 ....
はじめて書いた文字は
まどかの「ま」だった
うれしかった
母がほめてくれたから

不思議の国のアリスを読んでもらって
気に入った言葉を
画用紙に集めて色を塗った

コタツに入 ....
水面の雲がながれるように
素足で湖の上を歩きたい 
つめたく 人をさす ひとさしゆびのことは 忘れてしまいたい
わたしは くつしたをぬいで はっとする

わたしの あしのひとさしゆびは  ....
あのころまだ

ふたりは人生一回目だったから

ぶこつだった

ぎこちなかった

ぼくはピンクいろの布団を

蹴とばしたし

あたしはあなたが寝るのに

電気を消さなかった ....
まぼろしである
しとどに濡れる街が
明滅する赤信号が
交差点にあふれた人びとが
舗装された道路の窪みが
まぼろしである
底のすりへった靴が
歩道橋の一段目が
つらなった改札の狭 ....
 

群れを離れたコヨーテなら
後足の
仕留め損ねた獲物に嚙まれ
血を流し続ける傷など舐めるな

私はお前の獲物ではない
まして谷底の
河原の土に掘られた巣穴に
敷かれた生暖かい毛 ....
人が息を引き取る瞬間と
息を吹き込まれる瞬間との
繰り返しが続いているのは間違いのない事実

夜更けの産院
もうすぐ我が子が産まれてくるのに実感がわかない
渇いている自分の喉を癒す方法がな ....
海は
海でしかなく
ひとは
ひとでしかないはずなのに
定期船に乗って
航路に出ると
なにもかも
忘れ物したみたいで
空っぽになったわたしは
地球ではない地球のどこかへと
まっすぐ
 ....
世界で一番
小さな空港からは
一番遠くまで飛ぶ
飛行機が出るという

帰りの便はない
行ったきりそれでおしまい

だから飛行機も
使い古されて廃棄するだけの
年老いた機体ばかり集め ....
「ちょっぴりゼツメツ寸前の詩をめぐる冒険◆詩をへだてるベルリンの壁」https://po-m.com/forum/showdoc.php?did=339862&filter=usr&from=list .... 一月一日、お正月。軒さきを小さな人がとほつた。

岬の根元にある町の上に、夏の海のやうな空がひろがつてゐる。

中学校の音楽室で、若い先生がバッハのオルガン曲をひいてゐる。
春には結婚す ....
けれども雲はいつも太陽を仰いでいる
暗雲だから項垂れて地を見下ろしているとは思うな
幸福を見つけた者が全てを置き去りにするように
地のことなど顧みはしない
どれだけ雨が降ろうが雪が積もろうが
 ....
夕陽を抱いた木々の裸は細く炭化して
鳥籠の心臓を想わせるゆっくりと
いくつもの白い死を積み冬は誰を眠らせたのか
追って追われる季節の加速する瞬きの中
ゆっくりと確かになって往く単純なカラクリに ....
聖書をよく焚いてから飴玉を投げ上げてください。
反転します。


 落下しない
 林檎
 蜜柑
 それから
 檸檬。


安物です、この宇宙は。

{引用=( ....
夕暮れという輝きが街を流したのは
言葉が言葉になるよりも、ずっと前のこと。

地平から幾筋にも分岐した時間は
人びとの膝下で、打ち寄っては引いて……。

わたしは誘われている。
どこ ....
帆場蔵人さんのおすすめリスト(337)
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憧憬- Lucy自由詩13*19-1-15
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航路- たま自由詩1219-1-9
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見えない幻- ただのみ ...自由詩17*18-12-31
星崩れ症候群- 石村自由詩23*18-12-30
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