遊びをせんとや生れけむ
けむけむ遷都のものがたり
たりたりたりぬかたりてるか
あまいみずを きよめたもう

こどもたちが むかしから伝わる唄でお手玉遊びをしている。
おとなたちは ....
{引用=
かなしすぎてわたし
みちばたのたんぽぽのように首をたれて
ないています

さいごにもらした
ころしてやる
の、声が
しろい綿毛になって
神さまだっただれかのところに
とど ....
柔らかいグラスに
硬質のワインを注ぎ
手で包んでいると手の形に
だんだんワインが馴染んでくるので
もうそろそろ飲み頃だろうかと傾けても
グラスが変形するばかり

透明な器に生野菜を盛り
 ....
遠いところへ行ってしまった人へ

忘れていった財布が
今もここにあります

空っぽだよと言ったけど
あの日のレシートが
一枚だけ入ってました

最後に行った
二人お気に入りのお店
 ....
日暮れ時
蜜を求めて飛ぶアゲハが
自殺した美しい女達の
芙蓉のような人魂に迷い
燃えて無くなってしまった

いかに美しくても
幸せになれなかった
業深き女達の
貧しい平等

鱗粉 ....
封筒を開くと雨が降っていた
ポプラを濡らし翻るみどりの雨
ふるえる雛鳥を包み込む手つき
そうして一気に命を絞り出す
言葉は自らを断つ

川沿いの公園
濡れるがまま置き去りにされて
終わ ....
どこまで漕いで行こうか
こんなにも暗い夜だ
幽かに揺れている水平を
描いているのはいつの波紋か
この舵だけが覚えていることだ
銀の月が爛々と眩い
溶けているのだな、おまえ
うつくしく ....
あかるい蝶々のみちにひかれてまだ見ぬ息子がゆれていた
いとけない息子の息をわたしはきいていた

突堤のテトラポッドで男は根魚を釣っていた
その側で片耳の三毛猫がひなたを掘っていた

夏 ....
集まって噛み付く
せがんで投げ出す
君についてる
悪い虫 悪いやつ

窓があればなあ
外を見れたのに
何でできてんだろうねこれ
継ぎ目だらけで
どこにも隙間のねー暗い壁

ひ ....
あんたの口癖

どうせ敵わないなら
やらない。とか

どうせ叶わないから
成らない。とか

あんたの言い訳

やらない。成らない。
そんなんじゃない

どうせやれないし成 ....
風がやって来て佇んで声がした
分身であり風である

空気と風のマーブル色彩に増す透明度
エネルギーを分けにやって来て
あなたのやり方で表現する
風が眩しくて初夏の語尾がキラキラと揺れる
 ....
雨と雨との距離を測りかねて
戸惑いに揺れる傘は
五月の鋭敏にやられた心です
ビル街はところにより墓地のよう
予報どおりに雨は止みました
枯れかけた花束の空ですけれど
新緑が瑞々しいですね
 ....
{引用=
人形が落ちていきました

夏の、空に。

アイスクリームがとけるまで待てなかったのです。


お猿の絵をかいていた女の子が

「待って」

と ちいさくさけん ....
{引用=
イ短調ロンドの孤独に犬のやうにあくがれて
せつかく育てた{ルビ硝子=がらす}色の{ルビ菫=すみれ}を
ただなつかしく僕は喰ひ尽してしまつた。
失意のかたい陰影を
新緑のプロ ....
花をみんな枯らした薔薇を見た気がする。野の薔薇か花壇の薔薇か。或いはそんな悲しい物はまだ見たことがないかもしれない。

幼い子供らは走りちりぢりに消え笑い声が耳の奥をくすぐる

手品師が飲んで ....
複雑性PTSDという病気と、メンタルハラスメントにあってからの再発と回復を、ただ淡々と、いまその症状に苦しむかた、それからいわゆる健常者のかたにも届くような書き方で書いてみたいと思っている。

想 ....
{引用=ふるいふるい くさばな

わたしをみながら

なにを はなしているのか

わたしに きこえない

おそろしい こえで


(いのることができないのです

 す ....
濃灰色に、重く雲があって
息苦しいような午前中に
雨がふりだした
傘が咲くだろう ひとはそのひとの人生のために 雨の底を歩いてゆく
歩んだ歩数のおおさ すくなさ おもさ かろさ
かろやかにた ....
【虹色の白鳥】

遠い海に、虹色の白鳥がいるという
羽はとろけるようにやわらかく
飛ぶようにはつくられていない

青い夜を泳ぎつづけて
ああ、まるでひとりぽっち
そういう思いに羽が沈み ....
つかまえた蛍を部屋中に飛ばした
蛍がふわふわと飛びまわり
妹とおいかけた
気がついたら朝だった

かたつむりがアジサイの葉をはっていた
ずーと見ていた
いつのまにか雨は上がった

か ....
目が覚めて一番に 口にした言葉は
くちなし
薫り ゆたかな色彩の白
しずくを 湛えた光沢の葉

無垢を 口にするときの ふるえる くちびる
くちなし
きょういちにち なにを はなすことだ ....
おれは水溶性だから
泣いている人とか、
こういう灰色の
天気が嫌いだ、

カゲロウみたいに
目の前がふらふら歪んで、
傘の無い人もろとも
いきなり消えてしまうのは
怖いな、

  ....
風のない日も向い風
おでこもあらわペダルをこいで
きみは往くきょうも
仮の目的地へ
本当に往きたい場所には
まだ名前はない
愛せない地図ばかり
もう何枚も手元にあるが
こんなに長い一瞬 ....
なだらかな稜線、その向こう夕焼けの空
紺とオレンジの雲があまりにもきれいで
昔のことを三分ほど考えた

帰り道では黒い車、また黒い車、青いトラックに続いて
前倣えのブレーキランプでトンネ ....
{引用=*筆者より――ちやうどこの時期、十二年書けずにゐた詩作が復活して三ヵ月が経ち、十二年分のマグマの噴出が落ち着いたこともあり、いま読み返すと力が抜けてゐる感があつてそれが良い方にも悪い方にも出て .... 春の神はいそがしい


あるときは冬の姿になり

次の日には

夏の暑さを装う


雪どけの水に

色あせた枯葉たちを

はこばせ


恋人たちに 別れた秋を思いださ ....
(電話線を抜いて)

明かりを灯します

(テレビを消して)

戸を閉めましょう

(夜を静かに分かつのです)

誰も喋ってはなりません

(静かな夜を分かつのです)


 ....
くまたちが春をわすれると
街はわあっと暑くなる

なんでもない顔をして
生きていかなくてはならない。
箱が産卵する
そして部屋には
部屋のかたちの夜がはいってくる。

眠れずにい ....
{引用=ちいさい音ですね

しってますよ、草むらのなかです

(ひとはいつか 虫になる、のでしょう)


わたしは音に、よびかけます

海に行ったこと、ありますか

 ....
縮れた葉っぱに青虫が転げて
砂利の中に風格ある化石もどき

静かな空におじいさんのくしゃみ
ドクダミの鼻にキッス

川の流れのようなワンピースを着て
牛糞香る路地をのんびり散歩

無 ....
帆場蔵人さんのおすすめリスト(338)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
病葉堆積- るるりら自由詩5*19-6-25
わたげ- 羽衣なつ ...自由詩19+*19-6-25
やわらかいねこ- Lucy自由詩9*19-6-24
レシート- 丘白月自由詩1019-6-24
美人魂- ゴデル自由詩7*19-6-23
モノローグ/断絶のために- ただのみ ...自由詩12*19-6-23
- 新染因循自由詩17*19-6-22
夏の夢- DFW 自由詩20*19-6-22
彼女は凍ったままでいることだってできただろう- 竜門勇気自由詩2*19-6-22
どうせ高音など出されない- 8月生ま ...自由詩7*19-6-18
このエネルギーを受けて- 朝焼彩茜 ...自由詩9*19-6-17
五月の鋭敏- 新染因循自由詩9*19-6-14
かげ- 羽衣なつ ...自由詩17*19-6-14
模倣- 石村自由詩21*19-6-11
薔薇- 渚鳥自由詩12*19-6-10
複雑性PTSDという病、メンタルハラスメントにあってからの再 ...- 田中修子散文(批評 ...13+*19-6-10
あこがれ- 羽衣なつ ...自由詩18*19-6-8
あじさい- 田中修子自由詩17+*19-6-8
虹色の白鳥- 印あかり自由詩16*19-6-7
六月の頃- あおいみ ...自由詩9*19-6-4
きっと_はなせる- るるりら自由詩28*19-6-3
盲目- 鈴木歯車自由詩16*19-6-1
自転車少女- ただのみ ...自由詩15*19-6-1
一秒- 三月雨自由詩2*19-5-30
旧作アーカイブ5(二〇一六年四月)- 石村自由詩17*19-5-30
春の神- st自由詩419-5-30
静かな夜を_- 秋良自由詩319-5-29
くまたち- はるな自由詩819-5-25
- 羽衣なつ ...自由詩18*19-5-22
楽しいね_楽しいや- 印あかり自由詩10*19-5-22

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