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昨夜の夕飯に頭と骨だけ残して食べた魚が
ゆうゆうと空を泳いでいる
綺麗に身だけ食べられた魚のみが
泳げる資格を与えられるので
私たちは神経質に箸を使う

骨の魚にはもはや天敵もいないから
 ....
あの日
骨ごと断つ勢いで斬りつけた左手首に
病院のベッドの上であなたは
切り取った雲一つない青空を
私の傷口に深く埋めてくれた

重い曇天に覆われてる毎日の
奇跡的に雲が途切れた瞬間の
 ....
六月のアナウンサーの言う通り
私達は毎日カサを持って出かけている
高い降水確率を証拠として煽られては
保険を持ち歩かないといけない気になる

けれど外出先から帰宅した夜
カサは朝のまま乾 ....
雨の日だけ訪れるひとがいる
水を滴らせながら、入れてもらっていいかな、と
私は玄関を大きく開け
タオルとホットミルクを渡す

他愛無い話をぽつりぽつり
このひとは愚痴や怒りを表さない
た ....
あたたかく降り積もった雪の下に埋めた
女になってしまう前の、
何でも言葉に出来ていた少女のわたしを

女になるというのは
自分が一番遠い他人のように感じる生き物に
なる事なのだ
女になっ ....
帆場蔵人さんの桐ヶ谷忍さんおすすめリスト(5)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「骨の魚」- 桐ヶ谷忍自由詩419-1-23
「左手の蒼穹」- 桐ヶ谷忍自由詩1018-12-17
「曇天に舞う」- 桐ヶ谷忍自由詩318-11-19
「雨ごい」- 桐ヶ谷忍自由詩20*14-6-8
「花曇り」- 桐ヶ谷忍自由詩29*13-6-5

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