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西野の花屋で薔薇を買った
高価だから四本だけ(バーボンに託けて)
紫の花弁が密集しておいそれとは見せてくれないタイプの娘がふたり
丁度よく開いた白い花弁になよやかに反り返る
ピンクの縁取りの娘 ....
封筒を開くと雨が降っていた
ポプラを濡らし翻るみどりの雨
ふるえる雛鳥を包み込む手つき
そうして一気に命を絞り出す
言葉は自らを断つ

川沿いの公園
濡れるがまま置き去りにされて
終わ ....
風のない日も向い風
おでこもあらわペダルをこいで
きみは往くきょうも
仮の目的地へ
本当に往きたい場所には
まだ名前はない
愛せない地図ばかり
もう何枚も手元にあるが
こんなに長い一瞬 ....
風が担う祝祭の神輿

白蝶ひとひら
    またひとひら

もつれ ほどけて
    また結ばれて

あどけない水の声
    まろぶ 光の鈴

うたたねの距離
 雲雀につられ ....
白濁した光の網から翅の大きな蝶が逃れるように
わたしたちは木陰
まだ しっとりした眼で
深みを増した色彩を揺らめかす粒子の渦を見ている
あなたはそよ風にくすぐられる若木のように囁いた
虻より ....
けれども雲はいつも太陽を仰いでいる
暗雲だから項垂れて地を見下ろしているとは思うな
幸福を見つけた者が全てを置き去りにするように
地のことなど顧みはしない
どれだけ雨が降ろうが雪が積もろうが
 ....
夕陽を抱いた木々の裸は細く炭化して
鳥籠の心臓を想わせるゆっくりと
いくつもの白い死を積み冬は誰を眠らせたのか
追って追われる季節の加速する瞬きの中
ゆっくりと確かになって往く単純なカラクリに ....
帆場蔵人さんのただのみきやさんおすすめリスト(7)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ちょっとした秘密- ただのみ ...自由詩13*19-7-7
モノローグ/断絶のために- ただのみ ...自由詩12*19-6-23
自転車少女- ただのみ ...自由詩15*19-6-1
陽炎- ただのみ ...自由詩13*19-5-19
名も無き森- ただのみ ...自由詩6*19-5-5
幸も不幸も- ただのみ ...自由詩12*19-1-2
見えない幻- ただのみ ...自由詩17*18-12-31

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