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思いめぐらす ラブレター
通学途中 カドの文房具店
初めて便箋に手を伸ばす
心の中はパズル模様
白い紙に縦罫線だけのもの
パズルを解き明かし
罫線 ....
スポーツで一人の勝者が嬉しそうです
発明した一人の人間が嬉しそうです
空前の高収益を上げた一人の起業家が嬉しそうです。
そんなもん もうやめようや 真面 ....
ピアノは宇宙から降りてきた
そのピアノではなく
ピアノは宇宙から降りてきた
人と同じように音色を通わせて生きている
宇宙まるごとの芸術を
人と同じように佇んだり挑んで生きている
....
現実を直視できない眼は
はるか彼方遠い空を見ていた
現実から逃げたい自分がそこにはいた
夢のような物語りばかり思い巡らして
えがこうとする絵図
だけど
画用紙は破れて
色の欠けている ....
とっくに賞味期限がきれています
それでも、よかったらお召し上がりください
味はそれなりについてますから
何も足さず引くこともありません
どうぞイヤらしい眼で見てください
ご遠慮なく見 ....
青い雨が
灰色の空から降り落ちる
夢の中
白百合の頭部が
ポツリと
落ちる
小さな三角形の帆を張った胸が
なみだの波紋で揺れている
だれにもしあわせを
届けてあげられないので
....
あれだけのことしといてよく普通にしてられるよな、恥ずかしくないのかね
などという文言を見たので
ちょうどいいカウンターとしてここに反感を書く
ブラザー、僕がどれだけのことをしたっていうんだい ....
思い出すのはうれしかった出来事ばかり。
九九を全部言えることが出来てほめられた日
すき焼きを食べて「おいしいね。」と笑いあった寒い日
試験に合格をして「おめでとう。」と言われた日
初めての ....
夢の蝶、舞う
遠去かる
宇宙の縁に触れ 燃えあがり
忽然と消え また現れ
あらゆる現の美をよろめかせ
その軌跡のおぼろな輪郭を
響かせて 響かせて
理想について語る言葉は
富士山の写真や絵のようなものなのかなぁ
最近では、それが特別新しいものは何もないつまらないものに思えるのかなぁ
富士と様々なものの取り合わせは絶 ....
あの日
骨ごと断つ勢いで斬りつけた左手首に
病院のベッドの上であなたは
切り取った雲一つない青空を
私の傷口に深く埋めてくれた
重い曇天に覆われてる毎日の
奇跡的に雲が途切れた瞬間の
....
降りていく
夜空の底へ
降りていく
瞼を閉じて
降りていく
やはらかなそこへ
そこなきそこへ
はらはらはらはら舞いながら
やさしいことのは散らしながら
降りていく
宇宙の底 ....
金砂銀砂の歌の粉が
この部屋の
温もりのなかを踊り舞う
聴きたい人々には、聴こえるだろう
闘いを放棄したため
笑顔を痙攣 ....
長い年月の間にすっかり干上がってしまった井戸からは、水は匂いさえしなくなっていた。
地下水に頼る生活はもうできない。水を汲み上げる手動ポンプは役に立たなくなってしまった。
やむを得ず家に自治体 ....
; ; ; ; ; ; ; ; ; ‘‘’‘’・; ふ
喉を開け
黒子が位置を変えて号泣する
号泣は、今朝のにわか雨
鼻の奥、ずっ ずっ どっ ずっ
生の痛感、性の洗浄
....
人に言えない病を抱え
ぐっと歯を食いしばる
漢方薬は美味しい訳も
当然ない、当然ないにも関わらず
幸福感で満たされた
白昼夢のあなたのように
嘘をついていくのです
あれからいくらか時 ....
真昼の月の下を揺蕩う時
水平線に愛は溺れていく
電子回路による観測情報は
役に立たない事後報告
追いかけているのか、追われているのか
いずれにせよ
その柔肌に触れた、あの感触を ....
釣り合った天秤のように厳正
呼吸の仕方を忘れてしまいそうであっても
不意に竜巻の怪盗が訪れようとも
プラネタリウムは終わらない
ここで百年、待っていようとも
追憶はあいも変わらず ....
書く、
打つ、
叩く 言葉
ひたすら
書く、
打つ、
叩く 言葉
朝方
酷くうなされ
幻のなか
さ迷い出た
便所に行っても
幻に包囲され
恐
の文字、
踊った
....
世界、割れる
割れる世界の
音、ヒタヒタと迫り来て
今日は曇天冬模様
と打った ら
冬も酔う
と 出た!
冬も酔う冬模様
冬模様冬も酔う 冬冬冬、終、
糸、冬 糸冬
いと ....
もしも優しいお日様が
雲に隠れてしまったならば
空に恋したお花はきっと
ずっと元気が出ないでしょう
もしも夜空に輝く月が
闇に隠れそうになった ....
ぐずる甥っ子を抱き上げ
父はいつでも背中をさすりつつ
時折歌を口ずさみ
廊下や座敷を行ったり来たりと
泣き止み
眠りにつくまであやし続ける。
母となった娘が生まれたばかりのころ
ぐず ....
離れると 音もなく
落ちた 花びらは
ひとつひとつ 冷たく発光して
私たちは 消失のただなかで
不釣り合いな接続詞を
あてがい 続ける
たくさんの繊細な 傷を
指でなぞり 再生して
....
陽の光満ち、
無数の銀の矢飛び交うなか
私の意識は泳ぎ出し
遠く貴女の声を聴く
久しく憧れ懐かしい
囁くような貴女の声は
やがて天空に力強く木霊して
飛び交う銀の矢を震わせ
降って ....
サッカーボールと
野球の玉は
蹴ったり
打ったり
しなければ
プレイははじまらない
この地球もボールにかわらない
宇宙というグランドの
思いきり
蹴ったり
打たれたりしたら ....
百円のライターで火をつけて
燃やしたいものは何だったかな
役に立たない教科書の隙間に
少年は卑猥な落書きをした
悲しい眼をして大人を憎み
支えきれない自分の
捻れた感情
百円 ....
帝国と教主国の小競り合いで焼かれた村
地下貯蔵庫の水瓶の中で
姉妹は生き残った
死体漁りに拾われ
奴隷商人に買われ
船で運ばれ
海賊に襲われ
港町の娼館で売られた
銃士 ....
月の下
ヤン族の男が心配そうに
馬の頬を撫でる
女は夜空を見上げる
故郷だった村の
焼け跡
笑顔で迎えてください
サンタの来ない日も
家族の集わない年の明けも
友と会えない誕生日も
あなたの心には年輪があり
静かな沈黙があり
この星があるならば
雲の上は ....
風になびく
ススキの穂が
水面を滑る
眼差す太陽にギラリと光り
到来した冬は
情け容赦なく
すべてを裸にし
覚醒の輪郭を
与えていく
透徹として刄の ....
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