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冬野過ぎゆく風、
冬枯れのしろい空
痩せた私のこいびとが
その空をみあげて武器を振りあげる
冬野過ぎゆく風、
どんな性にとっても
哀しい事故も受け入れる
力を持たない空っぽの ....
浮き輪を
投げてあげたい無数の暗い努力の腕
アデューって挨拶を
輝く笑顔で友のためにする
好きなだけ
好きだから。
一番最初のまだ青い石榴の実は
眠るための大人の詩に
し ....
砂嵐
まさかの街に吹き荒れる
そうかこの名を砂漠も嫌うか
マフラーの
手編みにこだわるわけではない
言葉にできれば、それで良いのに
どんぐりも
黄昏の森哀しみも
....
掴んだ雲が重くて手放したときの
坂の上の影が救われない模様なら
だれの種を拾いながら歩いても
私の目の前には、剥がれない絶望があるのだから
太陽は昇っても手を振ってくれるだけ
絶 ....
オーロラが
みえない夜空に描かれた
みえる星座を指さす南極
暗い笑み
冷たい廊下で漏れたのは
夜のしじまが震える嗚咽か
橋の上
風に吹かれるくれないが
闇に食われていくのを見下 ....
あかるいあの夏の日差しが切れ目なく
あればきっと誰も悲しまない
窓から見える灰色の景色にも
洗われる清々しい風が吹くかもしれない
家の周りにてお住まいの神々しい猫の声が
一 ....
元日によろしくお願いする片恋
たとえれば揺れてる独楽が生きること
初風を感じず大海ゆく帆船
初あかね真っ赤な血の香がにじむ夢
門松は大きなお家の玄関 ....
熱燗に一年を汲み飲み干すよ
恋萎れアロエの花が咲いてるよ
足踏みし登場待つよ亥の子たち
マフラーの真っ赤に意味を与えるよ
近畿ではちくわぶの意味わか ....
通称『やり直し神社』って、
大阪にはあるけど
これまであった悪い縁を断ち切る
そんなご利益のある神社、
らしい。
べつにウチはそんな
やり直したい人といっしょにいるわけ ....
鬼というなら
心が欲しい。
なにひとつとして
たにんを気にせずいられる
欲しいものは欲しいといえる
安易で強引な欲望を
この無神経な腕で、掴みとれる
鬼が持つべき
心がほしい
....
仮面劇
なければ辛いだけだろう
けもののアイツのストレートな愛
もし愛が
なければアイツを覗き込み
どこへ行くのと訊ねはしない
耐えられない
アイツのけものの炎の眼
....
凍える夜を
満月に見ほれて
ゆっくりと
ゆうっくりと
時間をかけて
お家へ帰ろう。
お風呂に入って
苛立ちや憎しみや傲慢や無知を恥じ
すべてを感謝の泡で洗い流してキレイにな ....
来なくてもいい。
なんども待ち侘びた声の残滓が
まじわる心のゆく先に咲く
いっぽんのありえない人生に追いついて
その熱さに目もそむけ
2度と見られなくなったと ....
病院の
待合室で
詩を書いている
詩、
とは、
その場のリアルを追求するものであるから。
うそ。
暇だから、書いているだけ。
地獄の
三途の川で
詩を書いている ....
牙を剥く
土竜を
撫でる、
のです
食べたい
檸檬を
舐める、
のです
みんな
午前5時には
無駄に生きてきた地球への情熱を
返す必要はない、
のです
....
クリスマスイブに降臨する
ピッカピカの大天使、
クリスマスイブに舞い落ちる
さらさらの粉雪、
言葉と
こころと
理想と
夢とを
傷つけられて
千切られる寸前まで ....
街は彩られた光の速さで進みます
だれとも約束なくひとり
吹かれる風も音を立てて
顔や首筋に噛みつきにきます
心にある
瓶の蓋を閉じてみま ....
青い雨が
灰色の空から降り落ちる
夢の中
白百合の頭部が
ポツリと
落ちる
小さな三角形の帆を張った胸が
なみだの波紋で揺れている
だれにもしあわせを
届けてあげられないので
....
金砂銀砂の歌の粉が
この部屋の
温もりのなかを踊り舞う
聴きたい人々には、聴こえるだろう
闘いを放棄したため
笑顔を痙攣 ....
あふれ出る
光の速さで楽園を
堕ちて、あなたの、胸に飛び込む
じぶんさえ
反射させてた大嘘に
痛々しくて涙をこらえた
どれでもいい
拙い愛でも泣き笑いでも
....
冬の爪
なにで鋭く研いでいる
刺す眼が心の形を冷やして
心臓を
明日待つ孤独と名付けたら
銀河の海で泳ぐ星たち
いうなれば
さくや流れた血の味すすり
この花咲く頃、ピカロに ....
それを好き好んで
夕刻うつろうものを
真っ直ぐな目で
追おうというのに
いまからでも手に入る
黄金の果実を
手に入れないし
探さないし
その存在さえ
感じないというのに
出 ....
もうきすしたい冬なあ覚えているかいむかちで真つ白なこころのいく先はいつだつてかなしみの真つ白な翼がなくてはいけないところだつたからふたりはいとくの真つ白な翼を生やしよごれたあきらめ渦巻く風吹く迷宮 ....
(慟哭)
世界に影を落とした優しい諦めを知らないで惨めな豆腐の角はたいせつに磨いたアクアの舌。はもうないけど人狼の夜は深く更けゆくばかり火の鳥を知らない?
(うそ。知っている。)
悲 ....
天高く
伸ばすてのひらヒラヒラと
透きとおる風、雪舞わす風
あなた待ち
こころがきゅんと鳴る音と
聴かせてあげたいシャランと月光
倒れ込む
キラキラ夜空の下の街
初冬の ....
天使だって、
死ぬんだ、って。
それは、
凍りついた川の岸辺に
天使の肉体がたどり着いていた。
なぜか、
人が、
人の心を、
疑い、
恐れる、
荒野の街の、
夕間暮れ。
....
もしも、
ああ、もしも、ね
もしも願いが叶うなら
もしも、
ああ、
もしも許されるのなら、
今年のうちに
すべてを忘れてしまいたい
古い記憶から
あの日の寝室の記憶ま ....
僕は、
「君の背負った悲しみを僕にも分けてくれないか」
と懇願するから、
君は、
お気軽に
「いいわ」
と応えてくれないか?
君の背負った悲しみを僕にも分けてくれない ....
粉雪が降って
誰もいない夜、
心の花を枯らした
おとなしい哀しみが
うつむく
林檎の木から
甘酸っぱい香りがする
幻想世界、
真っ新な空気が
喉の奥まで冷やしてくれる ....
胸もとも
濡れてるいろの恋の花
キラキラしている色気の無い雨
潤いの
ある意味ある目が死んでいて
流す涙は阻止するプライド
寝ていたが
世界の終わりに気づいてた
あ ....
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