ギターケースを片手に
いっぱしのフォークシンガー然として
ススキノの夜を闊歩していたのは
怖いもの知らずだったからだ

流行に乗らないことが
格好良いと考えてたし
蔓むことも潔しと
思 ....
押し寄せる
下校放送響く
夕焼けの校庭

僕ら相撲をとっていた
円い線を砂に描き

中原くんは強かった
尾崎くんは弱かった

斜光が僕らを照らしていた
僕らの命は躍っていた

 ....
八月になった道の上を
大きなネズミが歩いている
時々空を見上げて居眠りをしてる
気になってみてると
ネズミは汗を拭ってこちらを振り向いた
鼻を小刻みに震わせて僕に言った
”私はあなたの ....
ランチにはならない午後に
食べた
優しい人のサンドウィッチ
トマトとレタス、ちょっと多めのマスタード

が好きだった
歩く速度が速い人だった
未知の世界に憧れて
いつも静かに笑 ....
雪が舞っている
街の電飾に輝き 

通りの向こうから駆けてくる
子供は身を躍らせ

向かいのコンビニで手を振る
老婆の萎びた顔が切なくて

手のひらに収めた雪を投げ入れる
白い空間 ....
年は取りたくないと思っても
年は確実に取る
年を取ること
水が流れるがごとく

年は取っても
健康であればいいと思っても
老化や病気からのがれられる人なし
日が西へ沈むがごとく

 ....
たかだかと
つるされた首は
とまどっているのです

とまどうことに
とまどう自分に
いらだっているのです
                 
首は、しょせんクビでしかないことを
よく ....
─まいにちうまれるものたちが
─まいにちしんでゆく

眠り、浅い夢からさめたような春の予感のする少しつめたい風が、名付けられているはずなのに誰も名前を知らない雑草の頭を、さあー、と撫でてゆく放課 ....
虹が消える前に
懐かしい気持ちを
連れて行った

遠くを見てるのに
近くを求めてる
私だけの遠近法

絵の具を持っていなくても
瞳を濡らして描く希望が
余計に空を滲ませる

一 ....
転勤が決まったという。何処へ、と尋ねると別の星だという。夕暮れの河原に人影はなく、二人のために飾られた絵画のようであった。たまには戻って来られるのか、とか、いつまでの予定で、という私の質問に対し、こち ....  明日

空は雪と一緒に

枝は小さな蕾と一緒に

冬の指は
いつかの冬の指と一緒に

夜明けを待っている

 
 ピアノ

女の子が帰ったあとは必ず
ピアノの蓋が開いて ....
 
ねぇ先生
(先生じゃなくて講師だけどね)
「無邪気」って言ってみて

むじゃき

じゃぁ先生
(講師なんだけどってまぁいっか)
「無邪気」って五回続けて言ってみて

むじゃき ....
一人暮らしも板についてきて
仕事もやっと落ちついてきたある朝
キッチンで水道の蛇口を捻ると祖母がにゅるにゅる出てきた
都会の水道はとうとう水のかわりに二親等が供給されるようになったのか
なんて ....
お空は言った
これも必然よと
花は散って実る
命に従い私は
善く生きたい




{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
わけもなくしんどくて
ベッドに沈んだままの休日
気だるく甘美な死を思う

(緑の芝生にいつしか立って
思い思いに踊っている 
私たちはたださみしいのだ)

ふるさとを遠く後にして
毎 ....
 
ゆうやけが地獄を洗っては沈む

ボロが併設された小さな社で拝む

山又山のさいご富士山を眺める

よく歩いた日のシャワーにほぐされる

シャワー浴びつつ妻のあたらしい歌聞く

 ....
寒空にさらされたタオルが一枚

人の気配がしないベランダに
タオルが一枚だけ干されている
顔や手を拭くサイズのタオルは
新しくも古くも見えない
ただの白色のタオル
なぜほかの衣類などはま ....
僕が晩酌を始めるころ
サンフランシスコでは0時を回り

朝の5時に起きておはようを言うと
姉上、あなたはおやすみと言い

なぜなんだぜ?
同一座標でどんな時差が

僕はアサガオ
や ....
西の空に日は落ちて
仄かに明るむ茜色
富士は勇姿を際立たせ
沈む地平に黒々と
聳える巨大なシルエット

すべて静寂に包まれて
遥かな距離を落ちていく

わたしもあなたも別々に
この ....
青空よりもしずかな黄昏が好き



パンケーキ、ファストフードで休日昼間あなたと



美味しくなくても良い、けど美味しい



人並みになれなかった振り返ればどこ ....
媼の面をはずしたかまきりが
つめたいそでで横になっていた
ゆたかなお腹
子どもらをまだ泡してないと見え
わたしの中ゆびを、きゅっと
思いがけない強さでつかむ

空をひらけばすみれ
あし ....
  おちている光を
  うさぎだと思った

  そうきみに言った
  商店街の 黴だらけの夜
  ぼくたちはネズミだった

  もうぼくをすきじゃないと
  うちあける瞳を ぬ ....
メッセンジャーが駆けて来て
身の置き場を探す
冷えきった朝
荘厳な音楽が鳴り響き
いずれ復讐される
そんな予感に浸され
一心不乱にステップを踏む

乾いた打擲音
連打されるスネア
 ....
床暖房に腹ばいで熱燗を飲んでいる
外は激しい吹雪


絵の具の花の赤い一行が見えた
わたしの一番小さいマトリョシカは神隠しにあったまま
帰らない 
夜の袋にしまわれたまま
アカシアの棘 ....
死の山を ふみこえてゆく
死の山を ふみこえられてゆく
死の山を ふみこえてゆく

積み上げられた 石だ
つぶやいている
つぶやいている
つぶやいている
つぶやいている
つぶ ....
この唄は夕べの思い
旅人がいつか満月の夜に唄った
ろうそくの下で読む人には
なかなか分かってもらえない
子どもにも分かることなのに

月に唄う、月は語る
いにしえの地球を目醒めさせ
そ ....
妄想癖の神父は教会の入口のそばで、目を覚ましたままぼんやりと涎を垂らしている、教会前の広場にずらりと並んだ日曜日の市場の、果実売りの娘が横目でそれを馬鹿にする、本格的な冬がやって来て、空は日本製の .... 春の喜び、
夏へのあこがれ、
秋の憂愁、
冬のさびしさ

時は過ぎ去り
季節は巡る
人生は進み
垂直に落ち

わたしのいない、春夏秋冬
猫。いのちのぬすびと。天秤をゆらす。無邪
気な狩人。爪をひそめ。音をひそめ。夜走す
る獣。ちいさくて幸い
蜘蛛。お寺のお裏に住むおとな。かわいた唇
で咬む。純真で多淫。空洞をゆるさぬ観測手。
 ....
揺れるキャリーケースの
疲れたフィギュアたちに紛れた
俺はねずみ
湿気た袋の中の息苦しさに
もう眠たい
Giovanniさんのおすすめリスト(459)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ススキノの思い出- 板谷みき ...自由詩1*22-7-1
校庭- ひだかた ...自由詩922-7-1
私はあなたの静脈です- 竜門勇気自由詩4*22-6-30
夢を食べさせて- 秋葉竹自由詩322-1-6
雪は静かに降り積もる- ひだかた ...自由詩1022-1-6
老境- ホカチャ ...自由詩4*22-1-6
藁焼きてんまや- 草野大悟 ...自由詩222-1-5
風化する放課後の- ちぇりこ ...自由詩8*22-1-5
呼吸- ミナト ...自由詩322-1-5
転勤- やまうち ...自由詩222-1-5
冬の気圧配置は次第に緩むでしょう- そらの珊 ...自由詩12*22-1-5
「無邪気」って言ってみて- ベンジャ ...自由詩4*22-1-5
祖母と故郷と、夕暮れと。- ちぇりこ ...自由詩4*22-1-4
※五行歌- こしごえ自由詩3*22-1-4
そうして世界は- ひだかた ...自由詩622-1-4
自由律俳句_2022.01.04(火)_夕べ- 田中恭平俳句2*22-1-4
タオル- 坂本瞳子自由詩2*22-1-4
別の惑星- りゅうさ ...自由詩222-1-4
滑走- ひだかた ...自由詩522-1-3
しあわせの蝶、ひらひら- 秋葉竹自由詩222-1-3
一月二日- soft_machine自由詩222-1-3
うさぎ- 草野春心自由詩322-1-2
メッセンジャーの朝- ひだかた ...自由詩622-1-2
火傷と神隠し- ただのみ ...自由詩4*22-1-2
死の山- 津煙保存自由詩4*21-12-20
月に唄う_- ひだかた ...自由詩421-12-20
くだらない街の冬の陽炎- ホロウ・ ...自由詩2*21-12-19
春夏秋冬- ひだかた ...自由詩721-12-19
未図鑑- soft_machine自由詩421-12-19
俺はねずみ- 奥畑 梨 ...自由詩321-12-15

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