音楽の途中でぼくは飽きてしまう
本当は好きじゃないんだと思う
無理してるんだ、きっとそう
だってまた別のこと考えてる

ゆるやかにリムーブしていく
ああ、ああ
こんなはずじゃなかった ....
夜風がすぅすぅ網戸から
入って来ては肌を撫でる
その微妙な心地よさに
うっとりしている午前三時、
電車は大通りを走り雪山へ
凍り付くよな身震いを
誘いぐんぐん進んで行く

鈍色空を背景 ....
ついこの前まで
白い花を咲かせていた木が
早くも新緑へと移り変わり
午後の日差しに照らされて
青々と輝き揺れている

その木の根元を
春の青大将の群れが
唸りを上げて進んでいく

 ....
昔、17の頃
漢検2級を取ったことがある
余命わずかの父は
送られてきた賞状を
額に入れ壁に飾った

ぼくはすこし嫌な気がしたけど
今そのことがふと思い出され
父の心がスっと入ってきた ....
闇夜に
突き刺さる
サイレン

神々は未だ
現れず
嘔吐感だけ
せりあがる

千の眼が
砕け
残骸を咀嚼する
音が鳴り響いて
十四歳のある日
ぼくは
あらゆるものが
きっとこのままなのだ、ということに
気がついた
ひとは、ある種の
限られたコミュニテイは
このまま
もう
どこにも
行くことはないの ....
居場所がなくなって
途方にくれてしまいかけてる

キスなんて一度か二度しただけ
そんな唇を舌で舐めても
そりゃ渇いているだけさ

日は落ちて
周りは昏くなっていく

ためしに心臓止 ....
昔、愛した女の庭には
大きな花桃の木があった。

その木は
春になると
その女の唇のような
濃い
桃色の花を枝いっぱいにつける。

その花びらひとつひとつは
どうしてもその女の爪の ....
廻る廻る大地が廻る
壊し創る力は無尽蔵に
無作為に選ばれた人々の
哀しみの雨が降り注ぐ

(世界は只残酷に美しく)

廻る廻る大地が廻る
次から次へと命は芽吹き
哀しみの雨は
もう ....
やあ
おはよう

詩集を読んでいるんだね

リルケか
どうだい感想は?

そうか
つまらないのか

世界には
リルケを楽しめる人が
大勢いるのにね


そう君は
リル ....
久々に訪れた病院の園庭は、
十数本の桜の木が
無数の赤い蕾を膨らませていた。 

その生命力は、
春の大気に漲り震え
園庭という枠を獰猛に
突き破っていく不穏さを含んでいた。

膨ら ....
あの日地面がおおきく揺れだしたから
工場の高い建物さえしなりだしたんだ

工場内に積み上げられた製品がまたたく間に崩れだして
あっちこっちで悲鳴があがる

逃げなければ
俺は持ち場の非常 ....
あるいはがらんどうの街に棲む
たまさかさびれた繁華街で遊ぶ

恋の歌は春の猫のように
かなしいやさしい歌だろう

愛は重すぎていつも栄養学的に
分析できないものなのでしょうね

失わ ....
極寒の世界から
春の視界を切り開く

早起きになった
暖かな陽光が

まだ固く閉じている

桜のつぼみたちに
語りかける


さあみんな
もう春だよ

今年は大雪で
ウ ....
昔 ベトナムを旅行した日に
戦争歴史博物館に僕は入った
様々な思いを感じさせられながら 展示された写真の数々と
そこで使われたのだと言われる兵器を僕は見ていた


僕はその事実を知ることで ....
 古い子守唄では
 もう
 寝ついてくれないから
 巻いてあげましょう
 その細い首に
 
 そんな
 小さな口の奥から
 そんな
 細い喉の奥から
 どうして
 そんなに
  ....
運動靴のかかとを踏む癖がなおらない
だらしのないかっこうして街を歩くのが性にあってる

そう言えばキスをした事ほとんどなくて
それでも女の体には夢中になれた

本当は根っから寂しがり屋
 ....
それでも人生だった。
それでも、人生なのだった。

熱帯園のある都市の蔭に隠れるように
その涼し気な夜気に仄かに立ち
パンダの赤ちゃんを返せ、

つぶやいてみる。
荒れ狂う海を見た
 防波堤は決壊し
穏やかな海に遊んだ
 日がな一日泳いでは
甘やかな海を味わった
 夕げに貝をほじくり食べ
律動絶えない海を聴いた
 夜の浜辺に蟹を追い
太陽を溶かす ....
{引用=破産}
意識の定点とその円周上を
時の天幕が覆っている
誕生のS極から
来るべき死のN極へ
時間の一方通行は意識の一方通行だ
後悔のE
憧れのW
キョロキョロくるくる回転し
 ....
あなたが皐月に通えてたら、わたしたちきっと友だちでいられた。あのAの置き手紙、なに今更?気付いたふりして、今そうやって笑ってみせて。

これは夢、そう夢の会食で、わたしたちは久しぶりに偶然居合わせ ....
飛行機の窓から
じっと眺めていた
もやりもやりとした雲のうえには
綺麗な青空が広がっていました
まるで空の海に飛び込んだように
飛行機は加速、加速

下を見ると海が
エメラルドの透明感 ....
海よりもとおい海の
浜辺には声の真空があり
水と石だけがきざまれて在る

列島の等高線をきりおとして
おんなたちは口々に
あれが星の曲率なのだとささやく

だがひとえに言ってしまえ ....
有刺鉄線をいじっていたら
異常にこんがらがって溶け始めた
俺の熱のせいか、指先は既に燃えていた

 閉じ込められたまま閉じ篭もったまま

砂漠に墜ちたプロペラ飛行機
赤いいきもの達が列を ....
{引用=春は
ねぼけた白さぎの壁
意識のとり零し
たおやめの
すっくと仄闇立つすがた
{ルビ一夜=ひとよ}に二、三
酵母の乱れ
夜霧へおとなう
{ルビ紋付=もんつき}の{ルビ靈=れい} ....
そりゃあ
ガトーショコラのほうが
おいしいでしょう

もちろん
ザッハトルテのほうが
豪華でしょう

でも
毎日食べるとなると
チョコパイさ

値段も
パーティーパックを買え ....
また怒られてしまった
しかし、忘れてしまおう
いや、忘れられるものか

悟りを開かないと出世できんのだ
出世できんと生活出来ねぇんだわ

ぼくはさんざん血を吐いておりまする
でも、解脱 ....
立ち寄った風に
何処に行くのか尋ねた

風はそれには答えず
貴方は何処に行くのか尋ねた

何処にも行かないよ
と私は口ごもった

全くの戯言だと
中途で気付いたからだ

風は別 ....
茜の斜光の残像が
余韻響かせ揺れ動き
赤胴色に燃える富士山が
傾く夕陽に落ちいくとき
私は覚えずひざまづき
褪せて青澄む天仰ぐ

あゝ秘匿された未知なるものよ
おまえは今日もヴェールに ....
          - Ne pas l'impromptu, déjà.

また買い占めか

我が家も性懲りのストックが一つもない

なげかわや、痛々のフィーリングなど

イラン物だ ....
Giovanniさんのおすすめリスト(459)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
音楽の途中でぼくは飽きてしまう- ゆうと自由詩321-5-20
夢と夜風と雪山と- ひだかた ...自由詩15*21-5-17
春の青大将- ひだかた ...自由詩921-5-10
漢検2級を取ったことがある- 道草次郎自由詩11*21-4-11
サイレン- ひだかた ...自由詩321-4-10
十四歳で死んでいったやつらに- ホロウ・ ...自由詩16*21-4-6
帰る場所がなくなってしまった- こたきひ ...自由詩621-3-14
花桃の木- 黒田康之自由詩421-3-14
春の記憶- ひだかた ...自由詩821-3-13
詩の鏡- st自由詩421-3-13
見えるもの・見えないもの(改訂)- ひだかた ...自由詩921-3-12
あの日地面がおおきく揺れだしたから- こたきひ ...自由詩921-3-12
春のうた- 梅昆布茶自由詩1221-3-1
春の視界- st自由詩821-3-1
昔ベトナムで- 番田 自由詩521-3-1
多目的公衆便所- 北村 守 ...自由詩221-3-1
ブラックホール- こたきひ ...自由詩621-2-28
それでも人生だった。- 道草次郎自由詩3*21-2-28
海よ- ひだかた ...自由詩621-2-28
あとは_念力で- ただのみ ...自由詩4*21-2-28
眠りの谷へ- 道草次郎自由詩2*21-2-28
空の上の海青- 月夜乃海 ...自由詩321-2-27
海のパース- 新染因循自由詩16*21-2-25
熱砂- ひだかた ...自由詩1021-2-24
城と春- 道草次郎自由詩4*21-2-24
チョコパイ讃歌- st自由詩921-2-24
出世したい来世- 入間しゅ ...自由詩1021-2-23
風に尋ねて- 宣井龍人自由詩10*21-2-23
夕景未知- ひだかた ...自由詩721-2-23
Demeter- 墨晶自由詩4*21-2-23

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