誰かの私はもういない

過ぎていくだけの愛をどこまでも手招いて
嘆いて嘆いて心を濁らす

不特定な優しさよりも
不安定な一つの言葉が欲しかった

誰かの私はもういない

誰かの ....
木々のざわめきが身体を撫でるよ
肩に置かれた手の温かさを奪った

雨なのか風なのか時間なのか
そのどれもが正しいようで
傘を差さない私を責めた

ブラウスの襟が重たくなって
羽ばたけず ....
この左回りの地球によく似た星には
4つの大陸しかない

それぞれの大陸に国があって
それぞれの国に4億人の僕や私が住んでいる

もちろん海もあるが塩辛くない
目を開けて泳いでご覧ください ....
なににも従わない
虹の入り口を知っている
あなた、

昇らないのは
透明な髪と透明な羽を持たないから?

吊るされた人の
子どものころから消えない孤独の性が
引き攣った泣き ....
ステージが替わると
アルファベットはカタカナになり
午前5時は夜から朝になり
妥協点と思っていたすべてが沸点になる
かつて愛した爆音
こんにちは安心安全
無限はイオンモールに散らばっていた ....
片道切符で揺れる電車に
もう引き返せないと決めた心の
熱い塊がトンネルの中で
燃料となって明日を照らす

言いたいことなら溢れ出していく
後から先へと繋ぐ虹のよう

黒く光る長靴に詰め ....
いつぽんの川がながれてゐる。

川べりの道は夏枯れた草に覆はれてゐる。

川はゆつたりと蛇行して その先はうつすらと 野のはてにきえ

太古の記憶へとつづいてゐる と村びとたち ....
三日前、一度だけ会った新聞記者が
病で世を去った
一年前、後輩の記者も
突然倒れて世を去っていた
彼の妻とは友達で
今朝、上野の珈琲店にいた僕は
スマートフォンでメッセージを、送信した
 ....
わたしのみていた きれいなそらを だれもがみていたわけではない と
おしえてくれた ひと がいる

お金もなく居場所もなくからだ しかなく
ゆびさきはかじかんでいて いつもうまれてしまったこと ....
嵐は
吹きすさび
すべてを舞い散らかしているよ

母の死骸は花びらとなって
わたしの風に抱かれている
天高くつたい
成人後にまた再生した
死によってこそ記憶された
おおくの命を
そ ....
うつくしいひとたちに遇ひ

うつくしいはなしを聴きました

空はたかく 澄んでゐました

かなしみはもう とほくにありました

よろこびは すぐそばに そして

手のとどか ....
適当に引っ張り出したTシャツから
今は使っていない柔軟剤の匂いがする

どうせ乾いていく通り雨の先

住宅街の暗闇でこっそりと線香花火に火をつけて
笑い合っているうちにぽとりと落ちた
光の ....
恐竜の高さのビルの二階階段踊り場で
二段階右折を見降ろしていることに気づく

早朝さんざめく目眩(めまい)の驟雨は
作られた樹々の明日を生かそうとする

寂しい風がゆったり ....
あおざめ
咳に胸をたたかれ
血が垂れる
効く と言われて
空缶に溜まった何かの肝を
啜れない身が

はたらけばいい
赤い服地をかざすひとにあこがれ
明くる春 山を越えた
紡ぐ糸 ....
パインに幸あれ私パイン
自分のことだけではなく
全パインのことを祈って
パインに幸あれ私パイン
と強く念じているんです。

パインだって生きてます。
嬉しければトゲが揺れて
悲しければ ....
すべて受動態と言ったとき
彼女は「素敵ね」と笑ってた
ホントかな
本当にホントなんだろう

すべて受動態と独り言
宵の明星が輝くように揺れていた
私は今日も生かされていた
線香花火の玉落ちて
地平の向こうは火事のよう
昼のけだるい残り香に
なにかを始める気も起きず
夏の膝の上あやされて
七月生まれの幼子は
熟れた西瓜の寝息させ
冷たさと静けさの
内なる潮 ....
ムンクの『叫び』の
なかの少年(と、信じたわけです)を
自分自身だと感じ、
だから寂しくなった、とある日本の少年が、
その絵と詩人の中也をリスペクトするあまり、
いっぺんの詩を ....
夜の月光に
静かな羽根がやさしく舞います

てのひらを胸にあて
赤い血のつながりを確かめます
メガネの少女をいつものバス停でみかけました
そのときのその心には、
けっして忘れない ....
美しいことば
その中にしずむもの
湖の底に沈む一つの石
美しいことば
その中に震えるもの
あなたと別れる昼のあの冷たい私の苦しみ
美しいことば
美しい海
美しい怒り と
 悲しみ
 ....
昨日はsと池袋で会った
特にそこで何も考えることもなく
ドン・キホーテの二階で 特に
何も 考えず 人波に飲まれながら


僕は目新しいものもないような気もしたが
この人の熱気に包ま ....
闇の中で白い背中を
反り返らせていた君は
この夜が明ける前に
大人の女になってしまい
すっかり明るくなる頃には
どこか遠い林の中で
樹液を啜っているだろう

君と初めて出会ったのは
 ....
ガルシアの首が落ちた

真っ赤な鮮血が暗い物陰の魂に降りかかり
闇の雫が夜中の台所の蛇口から一滴一滴、滴り落ちた

おお、ガルシア
切り落とされた生首
たった一本、床に落ちる針が震えるよ ....
秒針はびっこを引いていた
分針は静かなカタツムリ

わたしたちは同じだけ出会う

あなたは追い越し未来へ わたしは
逆行しているまるでそう見えたでしょう

同じ今を黙殺しながら互いにず ....
家族でテレビのクイズをみました
それぞれわかった!といいました

まだ言うな
おとうさんがいいました
わかった?
おかあさんがきいています

おばあちゃんは
なんにもいいません
ち ....
灰色に枯れかけた景色を
あるいてったさきを

(記憶のおくのほうで化石になってくれていた はやあしのおと)

どうしたって ぜったい壊れちゃうんだけど
あったかい秘密基地がほしくってさ
 ....
詩を書きたい人のなかに、時おり、実はこの人は文章が書きたい人なのではないかと思う人がいる。もちろん、散文詩と散文の境界を厳密に考えて言っているわけではないのだが。近頃は色々境界が消えて、わたしのような .... 近所のスーパー銭湯に
生ジュースを販売している場所があって
そこの女の子がうんこみたいにかわいい

「何がおすすめですか?」と聞くと
「イチゴがおすすめです! 実は私の名前もイチゴっていうん ....
昔、死んだジィちゃんがよく言ってた
満州の飯は美味かったと

関東軍の青写真
お国の為にと開国し続けた
進軍を進める日本
退避を続ける蒋介石

日本は強いと豪語した

進軍するその ....
白い孤独が風上に立つ

悲しみの花弁が吹かれ、落ち
さらさらとした別れが
ひかりを増してゆく

異国の地を歩くとき
誰もわたしに似ていない

そのような寂寞が
どうしようもなく白い ....
Giovanniさんのおすすめリスト(485)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
誰かの私- 十一月の ...自由詩118-10-5
空席- ミナト ...自由詩118-9-30
デュエット- 腰国改修自由詩3*18-9-29
希望の国- 秋葉竹自由詩618-9-29
ファミリア- nm6自由詩318-9-24
雪解けの詩- ミナト ...自由詩318-9-24
小さな村で見た- 石村自由詩22*18-9-20
光の欠片- 服部 剛自由詩1218-9-18
きれいなそらの_かげ- 田中修子自由詩1218-9-13
花嵐- 田中修子自由詩818-9-2
- 石村自由詩15*18-9-2
夏の改葬- 青の群れ自由詩1418-8-28
その街が破れかけていたので- 秋葉竹自由詩1018-8-27
諏訪- 形代 律自由詩518-8-5
パインに幸あれ- ブルース ...自由詩3*18-8-2
すべて受動態- 腰国改修自由詩1*18-8-2
枝垂れる文字も夏の蔓草- ただのみ ...自由詩14*18-8-1
ムンクの『叫び』を少年は叫んだんだ- 秋葉竹自由詩618-7-31
夜を歩きましょう- 秋葉竹自由詩1118-7-22
美しいことば- 浅見 豊自由詩2*18-7-19
そこは時々、池袋- 番田 自由詩518-6-4
くちなわ- もとこ自由詩1718-4-1
ガルシアの首- zitensha自由詩218-3-31
相対性- ただのみ ...自由詩11*18-3-28
団らん- 朧月自由詩618-3-28
さようなら秘密基地- 田中修子自由詩11+*18-3-24
文章を書きたい人とその言葉を使ってみたい人- 腰国改修散文(批評 ...3*18-3-21
スーパー銭湯の数%の希望- 狩心自由詩118-3-12
満州の飯と0311- 暁い夕日自由詩5*18-3-11
午後二時四十六分- ヤスヒロ ...自由詩4*18-3-11

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