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雨を造る工場に棲んでる
工員は私一人
天の川で雨の種を汲む
瓶から溢れるほどたっぷりと
銀河を歩いて星座に帰って来る
種から出来た雨は
ほら向こうに見える
水仙の妖精から借りたままの ....
あれから百年が過ぎて
フランシスもエルシーも
いなくなってしまったけれど
私は今もこの森で花を育て
子供たちと歌い遊んでいる
私は写真に写らない
記憶の中に棲んでいるから
でも一度だ ....
ススキが月に咲いてる
今夜は森で眠りたい
どこにいても一人だから

耳元でコオロギが言う
僕も一人だからここにいるよ
一緒に月にいるようだね

白く輝く森の中で
コオロギが鳴く子 ....
貴方の言葉には
迷わずオートフォーカス
迷わず愛してきたけれど

暗くてぼやけて
黄昏の逆光に生まれる言葉には
戸惑うことばかり

焦点の合わない言葉を
赤とんぼに
持たせて去 ....
窓辺の朝日は懐かしい匂い
遠い国の匂いがする
いったいどれだけ
涙滲みたハンカチーフ燃やして
ここへたどり着いたの
流星を追い越して
銀河を照らして愛され
月を影絵にしてくれるたね
 ....
コスモスの花に
キキョウを重ね
ダリアを置き
花びらの数だけ
モミジイチゴをのせ
蜜蝋を少しかけて
妖精のお茶会が始まる
枇杷の妖精が紅茶を入れ
花びら一枚づつ分けた
花のタルト ....
雨の夜は嬉しい
花に乗るのはシャボン玉
星を映しながら葉に落ちる
もう少し星を下さい
砂子のような星を
金色に光る星を
星になるまで
秋の雨はゆっくりと
空を滑って降りてくる
気付かないうちに
あなたの名前
一瞬ですべて記憶する
秋の夜はスポンジケーキ
初恋のようにやわらかく
眠れない涙で溶けてしまいそう
小さな ....
あなたは惑星
戸惑いの光
私は楕円軌道で
あなたを周回している
近寄って素っ気なく
離れたら苦しくて泣いて
軌道から外れてしまいそう
いつか想いが届いたら
彗星になって辿り着きたい ....
あなたを待って春に咲き
もう秋になってしまった
どこから来てもすぐに
見つけるられるように
十方世界を見渡している
もっと高くもっと
太陽の塔になろうとした
けれど暖かかな一期一 ....
イスラエルのまだ宗教さえない
果てしない小麦畑
妖精だけの青空がそこにある

旅人は星を羅針盤に歩く
妖精のパン屋が
月と一緒に開店する

小麦の穂は平和の国旗
そんな想い出を語 ....
廃線の錆びたレールの上で
仙人草が硬いねと言いながら
縫っていくどこまでも
夕日の入口に続く坂道
妖精の列車が風の音だけで
黄昏の海へ入っていく
オレンジ色に焼かれた
パウンドケーキ ....
毎晩一枚づつ
花びらが落ちていく

新しい種を誰と蒔くか
恋占いをしているから
眠れないから本棚を見た
背表紙が手招きする
私を手にとって下さい
そっと抜き取って下さい
その目で見つめて欲しいの

昨日買った本はテーブルで
自慢気な傍観者
でも本棚に席はない
 ....
レンガを敷き詰めたような
懐かしい色をした黄昏の海
赤く熟した太陽は海に落ち
静かな波打ち際にハマナス
火星のように赤く瞬き一つ
星が夜空に用意され
朗読会がはじまる
星の数だけ頁が ....
雲をひと掴みメレンゲにして
チョコレートを溶かして
レモンを一切れ
釜戸の小さな窓を覗く
膨れてきたら食べて頂戴
軽い気持ちはあっという間に
しぼんでしまうから
急いで食べて欲しいの ....
小さな手で耳朶を摘まんで
鼻の先で羽ばたき
じっと目を合わせる
少しだけ泣いてたんだ
心配させたね
身体がとてもね
大きく広い葉だった松が
あんな細く針のような
葉になってしまうほ ....
逢えなくても
想いは過去形にはならない
いつか想いも自分自身も
空気に消えて飛んで行く
私の心の羽根一枚に
そっと触れて満月の森で
手のひらに置いたまま
星の軌道に包まれて眠る
羽 ....
高く積まれたルーン文字
欠けたレンガに祈りの言葉
もういるはずのない気配
神の秘密を謳う月
まるで妖精のお葬式
占星術はもうしないと
オリーブの妖精が言う
未来を追い越して
振 ....
パリの妖精
第12話「ルーブル美術館の妖精」つづき


毎日エントランスで待つ
あの人が来ないかと

マドモアゼルに手をひかれ
ブロンドの巻き毛の子が
キョロキョロして入って来る
 ....
渡っておいでと
蜘蛛が思いを架ける
妖精がつま先で歩き
綱渡りの花が灯る
ススキの穂は
静かに月に燃えて
青白く蜘蛛の糸のよう
明日の十六夜に
言い出せない思いを
堅く結んで ....
月をひとつ
ススキの穂先にのせる
コオロギが月に降りる
月旅行の順番待ちの列が
草原に並んでいる
さよならの雨音のように
夏の終わりを告げる
庭に咲いた小さく白い花
妖精の歌にあわせ
葉を摘んで私も歌う

翡翠のスムージー
エメラルドのお茶会
白いテーブルに
ハーブ染の羽 ....
シュメール語を話す妖精
秋一番の星座を見上げて
想い出を露草に語りかける
山羊座が冬至点だった頃の
遠い昔の想い出を
星座のおとぎ話を

人魚の薬を飲んだ仔ヤギ
神のいたずらで ....
秋風揺れる萩の上
膝を抱いて頬杖をつく
いざよいの月のように
ためらいがちに
鈴虫の音が落ちる
妖精が聞いているのは
魂を見送る歌
砂子で宇宙を描き
夜の卵を割る
月が生まれ
時計草の秒針が
眠れない想いを
刺して蒐めて
美しい言葉に並び変える
砂子の料紙に
時計草に似た太陽と
妖精の詩が刻まれる
戻ら ....
満月を半分切取って
キノコのように
森の奥深く置く
冷たい森に白い光り
ウサギもキツネも
目を閉じて寄り添い
虫は寝言で歌い始める
薄く羽根一枚ほどの
温かな月の光り
夜明け ....
泣いてる子は寄ってごらん
あっという間に満タン
引火点を下げて笑い上戸
心の揮発性をあの空くらい
高く上げてあげるから
レジで払うのは涙でいいよ
百万年前の炭を精製するから
お釣 ....
窓ガラスに残る雨だれ
通り過ぎる車のライトが
ひとつひとつに色を付ける
桃の実のように淡く赤く
クランベリーのように

雨を吸ったすすきの穂
月にかざすと花が笑う
狐の嫁入りの ....
la_feminite_nue(死に巫女)さんの丘白月さんおすすめリスト(29)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
水瓶座- 丘白月自由詩219-9-14
コティングリー村の妖精- 丘白月自由詩219-9-13
秋の白いの夜- 丘白月自由詩119-9-13
私は黄昏の赤とんぼ- 丘白月自由詩119-9-13
秋の陽に幻惑されて- 丘白月自由詩419-9-11
妖精のタルト- 丘白月自由詩119-9-11
黄花千日紅の妖精- 丘白月自由詩219-9-11
初恋草の妖精- 丘白月自由詩119-9-8
私は衛星- 丘白月自由詩119-9-8
ねじり草の妖精- 丘白月自由詩119-9-7
小麦の妖精- 丘白月自由詩319-9-6
パウンドケーキのような列車- 丘白月自由詩219-9-6
秋の妖精- 丘白月自由詩119-9-5
眠れないから本棚を見た- 丘白月自由詩219-9-4
妖精の朗読会- 丘白月自由詩119-9-4
妖精のスフレ- 丘白月自由詩319-9-4
松の妖精- 丘白月自由詩219-9-2
妖精のゼリー- 丘白月自由詩219-9-2
オリーブの妖精- 丘白月自由詩119-9-1
ルーブル美術館の妖精・その2- 丘白月自由詩119-9-1
ミズヒキの妖精- 丘白月自由詩119-9-1
十五夜- 丘白月自由詩219-8-31
レモンバームの妖精- 丘白月自由詩119-8-30
山羊座- 丘白月自由詩119-8-29
萩の妖精- 丘白月自由詩119-8-29
時計草- 丘白月自由詩119-8-28
呼吸する森- 丘白月自由詩219-8-26
妖精のガソリンスタンド- 丘白月自由詩219-8-24
クランベリーの妖精- 丘白月自由詩219-8-23

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