コティングリー村の妖精
丘白月


あれから百年が過ぎて
フランシスもエルシーも
いなくなってしまったけれど
私は今もこの森で花を育て
子供たちと歌い遊んでいる
私は写真に写らない
記憶の中に棲んでいるから
でも一度だけお別れの黄昏に
影をガラス板に残した
本物の私が一人笑っている
あの二人を今でも思い出す
この村で最初に妖精と遊び
妖精の絵を描いてくれた
あの二人は妖精だったかも
夏から秋に咲いた
赤いサルスベリのような
時々私と同じ香りがしたから



自由詩 コティングリー村の妖精 Copyright 丘白月 2019-09-13 19:38:54
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