パウンドケーキのような列車
丘白月


廃線の錆びたレールの上で
仙人草が硬いねと言いながら
縫っていくどこまでも
夕日の入口に続く坂道
妖精の列車が風の音だけで
黄昏の海へ入っていく
オレンジ色に焼かれた
パウンドケーキのような列車



自由詩 パウンドケーキのような列車 Copyright 丘白月 2019-09-06 07:16:34
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