妖精のスフレ
丘白月


雲をひと掴みメレンゲにして
チョコレートを溶かして
レモンを一切れ
釜戸の小さな窓を覗く
膨れてきたら食べて頂戴
軽い気持ちはあっという間に
しぼんでしまうから
急いで食べて欲しいの
あなたはいつもそう
冷めたスフレカップを持って
匂いさえ消えてしまって
美味しいねと言うけれど
それは本当の私の心じゃない
熱い気球に一緒に乗って欲しい



自由詩 妖精のスフレ Copyright 丘白月 2019-09-04 05:20:54
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