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窓ガラスに残る雨だれ
通り過ぎる車のライトが
ひとつひとつに色を付ける
桃の実のように淡く赤く
クランベリーのように

雨を吸ったすすきの穂
月にかざすと花が笑う
狐の嫁入りの ....
うれしくてうれしくて
とてもさみしげな青空を背景に
ひとりバカみたいに
笑ってる

とおい記憶をたよりに
あの海へ行けるのか
子どものころなんども行った
あの夢の中

のろいなど
 ....
猫は猫背のくせに凛としている。
昨日の恋を悔いたりせずに。
おにヤンマを捕まえて
その片方の足に糸をくくりつけて
飛ばした

それは
ほんの遊び心だった
子供の頃の

無邪気だったから
その残酷さに
何も気づかなかった

そうこうしてい ....
廃墟化した団地に蝉しぐれが木霊し

紫外線にへこたれない夏草が生い茂る空き地

眼をやれば月見草が微笑んでいる

幸せも 不幸せも 絶望も 希望も

混濁し合いながら曖昧な執着へと向か ....
今を、静けさが支配している
静けさは私という不安を抱き留めている
私は静けさのなかで震えている

静けさのなかですべては始まるから
静けさがすべてを支配するから

私は吐きそうになりなが ....
ストローをしつこく噛んだ。
絶対に許さん、と言わんばかりに。
今日、仮退院の道すがら
アスファルトでひっくり返り息絶え絶えの
蝉が次々と現れた

彼らはもう鳴くことはかなわず
ただ両脚を空にこすり合わせ
未だ熱を発散させながら
来るべき終わりを待っ ....
そこは砂漠のど真ん中じゃなくて
海辺の砂浜だった

人影まばらな晩秋の海
無性に海が見たくなって家族を連れてきた

幼い娘二人と
二人を産んだ母親と
四人できた

その時
長女が ....
いつまでも一緒にいようね。
割り算のやり方なんて忘れてさ。
覆水盆に返らずなんて言う
盆があるだけ良い
あわてて水を掬いにいったら
盆を膝で割ることもある
かなしみのふち

小さなことが気になって
大きなことがどうでもよくなって
大きなことに気 ....
真昼のまぶしさの下
水中眼鏡で世界をのぞく
あらゆるものがここでしかない自由をまとい
わたしだけが不自由だった
にせもののひれを誰も笑わない
ゆるされていた夏
さよなら、まりも
ひんやり ....
ミンミンゼミの蝉時雨
窓ガラス越し物凄く
気が遠くなるよな濁音の渦

彼らはひたすらに生きている
僕らが時をやり過ごすとき
彼らは命を燃焼する
僕らが虚空を覗き込むとき

ミンミンゼ ....
雄と雌の蝶々が交尾しながら
日向臭い宙を飛び回っていた

周囲はいちめんの花
公園のベンチ椅子は壊れかかっていた

私もいつか死ぬに違いないが
今は死にたくない

壊れかかったベンチ ....
食パンは6枚切り。
君と僕と近所の鯉とで2日分。
時間は鏡に写らない
写す事はできない

だけど
今こうしている間にも
刻々と経過している

人間はそれを計測するために
時計を発見し発明した

日時計
砂時計
などの原始的な時 ....
心の湖に硝子瓶が一つ沈んでる。
もし本当にそうなら、なぜだか僕は幸せだ。
闇の重みがぐんにゃりと
魂に激しく切迫し
私の意識は朦朧として
呻きながら覚醒する

真夜中の病棟にただ独り
呻きながら覚醒する

ハッと息を呑むこの瞬間、
孤独が生きて立ち上がり
 ....
君の幸せは、もう、静かな心臓へ帰るといい。

夜間飛行のともしびが、
寒い砂漠の夜空に灯るといい。

君の笑顔は、もう、私の部屋から出て行けばいい。

そこで砂漠の闇のような心と ....
立って見ていたんです

枯れた幽霊が言ったんです
真っ赤な薔薇の庭園に立って

ありのままの姿で生きられること
こそが人生の勝利だと

美しさを求めるのなら
人の醜さばかりを探し ....
もしかしたら
死んだ人の魂はちぎれちぎれになって空に昇っていくのかもしれなかった
そして
魂は空のいちめんに広がって瓦斯みたいに立ち込める

まさかまさかだよね
そんな事あるわけない
た ....
とうもろこしをもぎると、
骨が折れるような音がして
透明な血がじゅわっと溢れて手首を伝った

舐めとるのに夢中になっていると
入道雲が発達してきた

わたしにはまだ涙が残されている
流 ....
街灯の下で
佇んで
気づけば乾いた眩しさ
スマホを
みても
ボンヤリと
息をしてる
あっちへ行けって
開放感
が髪の毛の頑なな過去を
ほどいている
髪、乱している修羅場 ....
願い事は誰にも言わない。
君にも、君の耳の産毛にも。
暮れかかる
今日の光の煌めきを
一人立ち尽くし
見つめている

今日という
奇跡の余韻を浴びながら
〈明日はもう来ない〉と
貴女の呟く声がして

暮れかかる
今日の光の煌めきを
 ....
仲直りは明後日しよう。
明日じゃなくて、明後日しよう。
光が渦巻いていた
熱風が絶えず吹いていた
人々は絶えず歩き過ぎ
俺は串カツ屋の前で
アイスコーヒーを飲んでいた
とても苦い味がした
身体が熱く飢えていた
生きることに飢えていた

す ....
空があり風があり
時は世界樹をかけのぼって
あしたへとながれてゆく

だれかが小ちゃなブルースを
奏でているような気がしてでもそれは

ぼくの知らない紫の小花の群れだった

月への梯 ....
弱い負け続きの意思を晒して
なにをどうすれば最善と思う?
真っ青な嘘の太陽に近いのは
エアコンの効くワンルームのベッドで
あなたがいない鏡にうつる私。

呼べば応えてくれる大嘘や
あ ....
聞こえるはずの
ない声

感じるはずの
ない気配

帰るところのない
独りは
どんな気がする

固定される空気

空間は閉ざされ
時間はとどこおる

真夜中のキッ ....
la_feminite_nue(死に巫女)さんの自由詩おすすめリスト(353)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
クランベリーの妖精- 丘白月自由詩219-8-23
潮騒- 立見春香自由詩719-8-23
- クーヘン自由詩4*19-8-22
美しいものが- こたきひ ...自由詩519-8-21
月見草- あおいみ ...自由詩319-8-21
叫び- ひだかた ...自由詩5*19-8-21
ストロー- クーヘン自由詩1*19-8-21
今日、仮退院の道すがら- ひだかた ...自由詩4*19-8-20
砂漠のど真ん中じゃない- こたきひ ...自由詩219-8-20
割り算- クーヘン自由詩4*19-8-19
かなしみのふち- 次代作吾自由詩419-8-18
まりも- そらの珊 ...自由詩1019-8-18
蝉時雨(改訂)- ひだかた ...自由詩719-8-18
蝶々が宇宙を- こたきひ ...自由詩419-8-17
食パン- クーヘン自由詩4*19-8-17
時間が足らない- こたきひ ...自由詩319-8-15
硝子瓶- クーヘン自由詩8*19-8-13
闇と孤独(改訂)- ひだかた ...自由詩1219-8-12
砂漠のともしび- 秋葉竹自由詩1419-8-12
枯れた幽霊- 立見春香自由詩419-8-11
もしかしたら- こたきひ ...自由詩219-8-11
とうもろこし- 印あかり自由詩819-8-10
神さまの背中- 秋葉竹自由詩1119-8-9
産毛- クーヘン自由詩3*19-8-8
夕景- ひだかた ...自由詩319-8-7
仲直り- クーヘン自由詩1*19-8-6
光の星- ひだかた ...自由詩12*19-8-5
8月のうた- 梅昆布茶自由詩1719-8-4
詩の弱さ- 立見春香自由詩619-8-4
まぼろし家族- シホ.N自由詩219-8-4

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