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乳白の空へ電車は走る
「一緒にどうだい?」
そう言われても
なんとなく僕は起きただけ
まだまだ地上で夢見たい
「それならお先に」
と電車は消える
窓の ....
くちびるを閉じると
世界とわたしは
分かれます
くちびるを開くと
世界とわたしは
またつながります
分かれたり、つながったり
くりかえし、くりかえして
わたしはまた少し
遠くへと ....
春が
わたしの中に入ると
増えます
やがて溢れ出して
玄関では靴が
遊びたそうにしています
花火は落ちて
どこへいくんだろ
涙は涸れて
どこへいくんだろ
夢の続きは
どこへいくんだろ
想いは鎮まり
どこへいくんだろ
過ぎ去った時は
どこへいくんだろ
....
零れ夜の
ざわめき
ほっと
息をする
倦怠たちの
集い
さよなら街よ
さよなら時よ
僕はもう
眠ります
ただ
眠ります
夏の陰に
あのビルは
誰の羽なのでしょうか
あんなに高くて
空に届かない
見上げるわたしたちは
いつまでも
一枚の写真でした
なんてゆるゆると
今が歌う
カタチを持たない
雲に向かって
メロディーを忘れた
僕に向かって
そうさゆるゆると
今は歌う
分かりやすい
寂しさに向けて
....
光りに触ってみたいな
カラダ中がココロ中が
透けるくらい照らされる
光りに触ってみたいな
音になってみたいな
ナミダが零れるくらい
胸の弦を震わせる
音に ....
軒下で鳴ってる
縁側ではいつも同じ場所で躓いてしまう
窓は池
今日も小さな沈黙を保ち続ける
外の通りを
笑わない男の人が歩いていく
僕らの小学校
黒板の右、日付の下では
誰かが ....
寄せては返す
波の中で
僕の足は柔らかく
砂に沈む
ひっそりと
息をする貝殻たちの
その世界に少しでもと
寄り添いながら
報われなかったことよりも
望める ....
銀行員は、銀行員は、きっと詩人
だってあんなに恐い顔で
必死に電卓叩いてる
八百屋さんは、八百屋さんは、きっと詩人
だってあんなに大きな声で
今日もお歌を歌ってる
....
女の残り香が飽和した部屋の片隅のベットを
夏が来る前にシングルにしよう
と決めてから
もう何度も朝日を浴びて
僕が寝返りを打つたびに
ぐっと沈み込みながら
男臭いにおいを嗅ぎ続けてくれ ....
いま僕の
肩に降るこの雨が
いま君の
心を潤していたら
いいな
もし君が
いまこの雨に
渇くなら
僕はカタチを失くして
君を真っ赤にしたいのに
そん ....
街から海まで
飛びました
ポチャンと海へ
落ちました
底まで
潜っていきました
底には
空がありました
ボクは
空に浮かびます
それは
....
どんなにくるしいときも
ぐっとたえて
かたときもはなさなかったけれど
とうとういっぽもすすめなくなったので
しかたなく
きもちをぜんぶてばなすことにした
あかるいきもちはとおりがかりの ....
どこにもやれない想いは
小指に結んだ 見えない糸に
そっとつないで
たとえば、遠い日の風船のように
いつもいつも 一緒に歩きましょう
大切すぎて 苦い思い出
....
佐藤君は思います。
たまには西田君みたいに
晒されたり裏返されたり、
そんな生き方もいいかも知れない。
いくつもの賞をもらっても、
皮を剥がれ焼かれ煮詰まり
透明な堅 ....
紙に書いて
この暑さの理由を考えてみる
一向に涼しくならないので
風鈴を軒下につけてみた
乾いた鈴の音は
涼しさの ....
これきりにしようと云って
飲み込んだ言葉は届かない誓い
夜の闇にも 朝の光にも
世界が終わる兆しはなくて
いつだって同じ毎日だ
朝顔が咲いています。
緑色の葉は光を蓄え ....
ぐおん
と唸りをあげて
自動販売機が震え出す夏
電車のゆれる空間で
ヘッドフォンの君を見る
ひどく 暑い
冷房が壊れているとか何とか
聞き取りにくい声でアナウンスしていた
ような気 ....
右曲がりの坂道を
30歩のぼったところ
雨上がりには
アジサイが
酸性やアルカリ性に色づくので
それならば涙は、と
通りすがりのにわか雨を
ふたたび
つま先に
ひと ....
うだうだ うだってんなよ
うだ うだだ。
水、やりすぎてやしないかい?
根腐れには
注意しろよな、おい。
自分。
みんなが意味が 必要だというから
私も意味をさがして とぼとぼと
下を向いて歩いてみたけど
あれこれと拾ってみても
大切な意味なんて ひとつもない。
だから意味なんて い ....
アフリカでうまれたはずが
からつけたまま
シベリアにあるき
こおりをわたって
このしまにたどりついた。
にまんねん
おどろくほどみじかいあいだに
このしまのじゅうにんたちは
虚飾を ....
銀河の天秤がゆっくりと傾いて
月がかろやかに昇ってゆきます
夏の星座の中心へです
澄んだ湖面は夜空をうつし
魚が背びれに月明かりをうけて
チカリ、チカリと輝きながら泳ぎ
まるで流星のよ ....
夏の夜午後8時
まだわずかに空が青いのを見て
お日さまはなにやってんだって呆れた
ずっと天の川だと思ってたのは
どうやら飛行機雲だったようだ
まつげ の隙間
に からから
閉じた 指
そっと 痛いくらい ひろげて
輝く どんな 言葉 よりも
たゆとう どんな 海よりも
この 指 の谷間 に吹く 風よ
....
扇風機がこわいという。
そのうち夜な夜な
耳元でしつこく「回りながら旋回」したあげく、
冷蔵庫を開けて、
冷えた発泡酒と枝豆で晩酌などするという。
しかも冷蔵庫は、
扇風機に少し気 ....
いちにちじゅう
いつもここにたっている
へんなやつがいるんだ。
なにをするでもなく
ただぽつねんと
くうきみたいに。
やつは
あのころの
おれかもしれない
これからの
きみ ....
エントランスを抜けると
私はいつも空を見上げる
たった今
日本が沈没すればいい
唐突に
私は願う
病院の
窓という窓
壁という壁が
崩れて
途方に暮れる私の喉を
....
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