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ねむたくて ねむたくて
ほんのちょっとだけって
目をとじたら
夜のくぼみに
ポチャンと落ちてしまった
うす目をあけて まわりを見たら
そこはとろんとした 夜がみちていて
ぼくは ....
窓際で
君の寝息を背中に聴きながら
どう仕様も無く渇いた空を
見つめていた
形にならない雲と
伏せ目がちな太陽と
遠く飛ぶ鳥がすっかりと
吸い込まれてしまうまで
いつか ....
僕の足がどこにも
繋がっていないことを知って
僕はもう地上にいるのをやめた
最初は虹色の太陽の近くで
出鱈目な言葉で歌を歌ってみた
歌は散り散りに流れて
僕の中から出鱈目な言葉 ....
私はとても小さいので
海を見れば
海でいっぱいになってしまう
私はとても小さいので
空を見れば
空でいっぱいになってしまう
私はとても小さいので
風を匂えば
風で ....
真正面の三日月を眺めながら
帰りの坂道を登っていた
薄ぼんやりとしたその境目が
どこか僕に添うようで
しばらくの間僕はじっと
三日月を見つめて歩いた
するとやが ....
ある時世界は小さく頷いて
私の肩に優しさを呼ぶ
私は水の中でユメを見ていた頃のように
水の外で地べたに頬を添わせていた時のように
優しさの幽かな震えに私を預ける
しかし気が付けばいつ ....
午前1時
上手く眠れずに
煙草を吸おうとして
小さな丸い換気口を開けると
コォー コォー
とガランとした舗道を
駆ける風の音がした
清らかで濃密な
午前1時の音だ
....
ひがのぼり
ひがしずみ
またひがのぼり
そんなまいにちを
まいにちみているのに
どうしてぼくはそのとき
におびえてしまうんだろ
....
とり とんだ
おもいたって
くものうえまで
とり はばたいた
どこへいこうか
かんがえながら
とり とびつづけた
きぶんがよくって
どこまでも
と ....
闇はひどく疲れていたようで
ほとんど私の話しを聞いていなかった
私もひどく疲れていたので
そんな闇を思いやれずにいた
そしてやがて静かに私たちは
重なることなくそれぞれに ....
空が剥がれ落ちていた
無音を描きながら
時間を奏でながら
空たちはみな地に落ちて
染み込んで消えた
あっさりと自由に
せめて僕は
空 ....
十七時の鐘の音は凍え
涙声にもよく似て
僕は此処に
居たたまれなくなる
そして
此処ではない場所へと
小走りで急ぎ出す僕の
おでこに
何も無い様にしか見えない宙に
飛 ....
もしもきみが
きみのぜんぶを
すきじゃなくても
それはあたりまえのこと
だってぜんぶは
だれにも
みえないんだから
冬空の始まりは
少し疲れた
白い横顔
鳥にも雲にも光にも
他人行儀なそぶりで
けれど其処には
秋の最後の雨と
昇ったいくらかの
私も居るのだろう
その頬はふいと
....
紫さんから見た
僕の瞳は
紫色
黄土くんに聴こえた
僕の声は
黄土色
臙脂ちゃんが読んだ
僕の言葉は
臙脂色
乳白さんが触れた
僕の涙は
乳白色
....
くちぶえがきこえた
まだうまくはしれない
こいぬのよこで
のんびりはしれ
ってうたってた
くちぶえがきこえた
やくそくをわすれた
おもいでのかいだんで ....
夕暮れは果てしなく
寂しさの道程を教える
そして
時 人 色 音・・・
全ての条件に
いつでも僕らは
揺り動かされている
ことに気づく
それでも
....
水族館の水槽の
分厚いガラスのような
向こう側で十一月は
無色に捕らえられていた
人々は皆
無色のパントマイムで
街を往く
色という色は
呼び寄せられた十二月のマンホー ....
古いエレベーターの揺れの中で
僕の細胞は{ルビ篩=ふるい}にかけられた
だけど残った物はどれもこれも
ロクでもない代物に見える
チンと扉が開いて
気は進まないが後ろから
押 ....
見知らぬ街の
見知らぬ看板に
見知らぬ字で
見知らぬ言葉が
書いてあったんだよ
と見知らぬ人が
僕に話し掛ける
気弱な僕は
あなたを知らない
と言えなかった
ももももも
と地べたから不安が
盛り上がってきた
ししししし
と思わず僕の足は
竦んでしまった
ややややや
と不安は僕の足元から
身体を這い登ってくる
こここ ....
「とりとめもない!」
そう言ってパタンと地べたにつっぷした9月の横にしゃがんで僕は、
「いつまでもスネていたって仕様がないだろ。」
と9月をなだめた。
「フン。お前にオ ....
きみがしあわせかなんて
ぼくはわかんない
なんかいわらっても
それはそれかも
しれないし
きみがしあわせかなんて
きみにもわかんない
ゆめのいいとこで
めがさめたり ....
ちょっとくらい脇道に逸れたからって
それはそれで道だったり
もしもそのまま進んだって
帰る場所は結局おんなじだったり
一歩
一歩
今を吸い込みながら僕ら ....
右上に未来があって
君は左目で
今宵を仰ぐ
ひらりと身を躱すように
時のクエスチョンを
見て見ぬフリをしてみても
持て余す憂鬱
大丈夫
優しさなんてすでに
君のコ ....
人恋しさを巻き付けて
八月が
扇風機に踊っている
遠く水玉に散る
記憶の夏たちにシャララ
と手を振って
分からず屋な夢の中へ
颯爽と君に
渇きに行こう
この真夜中の
この静けさに
チラチラと
狂気は降って
闇の秒の遅さと
生の流れの速さに
僕は怯える
明かりを付け
異国の古い
映画に紛れながらも
こ ....
あなたが
そらに
うたったうたは
かぜのなかに
あめのなかに
ひかりのなかに
ふくまれて
わたしのうえに
ふりました
どこにいたって
だれといた ....
短い話の夢でした
ひらがなばかりの
セリフであって
半袖ばかりの
人と逢って
ところどころは
知る場所なのに
どこか遠くへ
運ばれて
目覚めたところの
この家の ....
ひび割れた
石の階段で話そう
どうせなら
星も呼ぼう
僕らも宙に浮いてる
お昼ごはんを
考えるより
大事なことがあるんなら
きっともう
眠ったりしない
....
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