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指先であそぶ旋律がピアノの鍵盤の上を流れて 
部屋に溢れるやさしい音階のすきまに
天球図は青くひろがってゆく
東のかなたの
さそりの心臓は自ら発火し
そのきらめきは引き出しの奥で眠るルビー
 ....
黄昏砂浜
半分埋もれた懐中時計は
壊れて逆回転をします
長針の影が伸びてきて
足元までは届かないまま
夜に溶けていきます

思い出と名のつくものは
一歩踏み出せば届きそうなところで
 ....
銀河の天秤がゆっくりと傾いて
月がかろやかに昇ってゆきます
夏の星座の中心へです

澄んだ湖面は夜空をうつし
魚が背びれに月明かりをうけて
チカリ、チカリと輝きながら泳ぎ
まるで流星のよ ....
夜の汀に
静かに打ち寄せる旋律が
月を濡らし
とびきり無垢なくらやみ
豊かな潮騒に包まれる
すべての静かなあなたたち
今はただ
波間に映りこんだ月のように
やさしく揺れて
なにも持た ....
つゆやみの夜
降りしきる蛙の鳴き声
このたくさんの鳴き声の中にも
さみしい蛙はいるのです

呼ばれているような気がして
サンダルを履いて庭に出てみると
蛙の鳴き声が辺りを包みます
白い ....
桜散るのは夕日の丘か
日暮れ近づく夕日の丘か
散りゆく桜は薄紅色
薄紅色の十二単
十二もまとった春の衣
一枚脱げば夏の予感


呼んでいるのは母の声か
遠い故郷の母 ....


縁側につるされた風鈴を
さやかに押すその御手
彼らは海峡をこえてゆく海鳥の
滑空する翼の先端に生まれ
たたみで昼寝をする私の
ほほをなでて死ぬ





二人 ....


夕空と海の混じり合うそのすきまに
すべり込むうみどりの影のさみしさ
赤い包みのキャンディーをポケットから取り出すと
口に入れる間もなく風景に溶ける




”ちかみちはこっ ....
玉兎さんのワタナベさんおすすめリスト(8)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
さそりの心臓- ワタナベ自由詩3105-3-3
懐中時計- ワタナベ自由詩13*04-10-19
星の音楽- ワタナベ自由詩28*04-7-8
コルトレーン_二編- ワタナベ自由詩14*04-6-16
つゆやみの夜- ワタナベ自由詩20*04-6-8
さらば_春の日- ワタナベ自由詩11*04-5-5
- ワタナベ自由詩8+*04-5-5
なないろ- ワタナベ自由詩8*04-5-2

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