すべてのおすすめ
一日を過ごすたびに
何かを覚える事を期待されているけれど
僕はそんなに沢山の事を覚える気はないし
たぶん覚えることはできない
おぼえられることは
好きなことだけ
例えばあなたの好きなタ ....
思い出になれば
美しく見えるなんて嘘だ
それは僕らが
過去を飾るから美しく見えるんだ
思い出を
本当の思い出を
上手に思い出すことは難しい
現在にいたる時の流れは
飴のように延びき ....
未来への道を歩いている
時々、過去へ向かって歩いてみるけれど
自転の速さに負けてしまう
何とか逆らってやりたいと立ち止まってみても
やっぱり未来へ進んでしまう
諦 ....
目が覚めると
右手がチョキになっていた
いったい僕は何と戦ったというのだろう
夜中、こんなものを振り回して
援軍の来ない小さいベッドの上で
正気なうちに 帰ろう
まっかな顔で 父さんが
にこにこ と ひそっと 言う
あはは と 笑いながら
母さん に よっぽど 言われたな
私は 濃いめの お茶を入れる
....
僕たちは
そんなにも 長い間
夢を見続けた
夢は見続けていたら
叶う、と
信じていたのは
いつの頃までだったか
今はただ
明日に追いつくことだけに
必死で
昇る太陽を ....
牧場の柵に座った熊の親子
夜空を見上げて何思う
あの星座はなあにお母さん
あれはね小熊座 あなたの星座よ
と言う声が聞こえてきそうな
絵
が描かれたタオル
が浴室のハンガーに掛か ....
悲しい時に
悲しい、と
さみしい時に
さみしい、と
たったそれだけのことが
無理難題となり
ぼくらの額や
ぼくらのひざ小僧に
重くのしかかる
その気もないのに
笑っ ....
僕には好きな湖がある
久しぶりに行ってみたよ
1人で
そこで小さな光を見た
煙草の赤い光でもない
錯覚でもない
僕の目の前を
二つの光は
寄り添い離れ
....
説明が出来ない
キッチンの片隅
気付かれないように
涙が流れた
想いは
こぼさないように
シンクの横に
そっと置いたまま
君の夕飯を作った
テレビに目をやりながら
明るい声 ....
桜散るのは夕日の丘か
日暮れ近づく夕日の丘か
散りゆく桜は薄紅色
薄紅色の十二単
十二もまとった春の衣
一枚脱げば夏の予感
呼んでいるのは母の声か
遠い故郷の母 ....
1
縁側につるされた風鈴を
さやかに押すその御手
彼らは海峡をこえてゆく海鳥の
滑空する翼の先端に生まれ
たたみで昼寝をする私の
ほほをなでて死ぬ
2
二人 ....
曼陀羅寺へは湖沼の脇のあぜ道を
通って行かねばならない 丈の低
い湿原植物の群生が道を覆い隠す
ように拡がっている 湖沼にはぼ
んやりと霧が立ちこめ向こう岸は
見えない 風はなく水面はほとん ....
目を書きます
スケッチブックいっぱいに目だけです
切れ長の目がいっぱいです
瞳は黒く睫毛は長く
目だけだと表情までは分かりません
けれどきっと優しい人です
黒いアバヤの中の愛しの貴女
....
クローバーの海に沈みながら
流れてゆく雲を見た
雲がちぎれ また別の雲に繋がり 空の色に染まり 風に操られる
疲れ果て
クローバーの海に身を任せ
四葉を探すついでに
忘れていた涙を地球にあ ....
わたしは砕け散った
地面に乾いた音を立てて
散ったわたしのかけらに
蒼空が映ったことが 以外で
嬉しかった
ふっと蒼空が影って
君がわたしのかけらを覗きこむ
綺麗だな 光 ....
きたいが充満している
息を吸い込むだけで口や鼻から入り込み全身を巡る
生きるために必要不可欠なもので
明日は今日よりも良い日だといいなって感じと手触りが似ている
明日が来る喜びに今日が去る悲し ....
深夜、男友達から『お前のことずっと上海してた』と電話。ひどく
驚き、『ごめんなさい』とだけ応えて電話を切る。自分の言動を振
り返り、しばらく彼には会わないでおこうと決める。図らずも点と
点 ....
雨に打たれ散る花のことなどしらない
サボテンのとげが雲に向かって伸び
天上では太陽に向かって縮れた風が伸び上がる
カップに入れた珈琲はいつものように薄く
カレンダーは四月のまま終わらない
....
赤
夕空と海の混じり合うそのすきまに
すべり込むうみどりの影のさみしさ
赤い包みのキャンディーをポケットから取り出すと
口に入れる間もなく風景に溶ける
橙
”ちかみちはこっ ....
アスファルトを割って
小さな花は咲きました
私は花の名前を知りません
花も私の名前を知りません
花は花の名前を知りませんし
スナック「花」のママを知りません
そうして花は咲きました ....
ああ今日も夜がふけていくよ
風がびょうびょう吹いて
トタン屋根に映る雲がごうごう流れて
乗りそこなった月の船は地平線の向こうです
星のない空は
なんだかとっても寂しくって
電信柱を伝わ ....
いつの頃からだろう
頭のなかにたくさんの人たちが住みついて
入れかわり立ちかわり
わたしの人生に口を出すようになった
彼らはわたしの考えなどお見通しで
先回りして道を整備したり
背中を ....
いつか いつか
笑えたらね
そんな頃に会いましょう
穏やかに 穏やかに
春は何度でも巡ってくるから
いつかゆっくり背伸びができたら
乗り越えるものが大きいので 今は
続いてる ....
(1)
僕は眩暈をおこし倒れゆく途中、眩暈の原因はこの部屋の絨毯の模様がどうにも見慣れない形に変わってしまったからだということに気づき、しばらく斜めになったまま考察を続けた。
(2 ....
きのえだいっぱいに
きれいなはながさいていたので
よじのぼって
ごめんねゆるしてね
ちゃんとあやまって
ちいさなえだをひとつだけおって
はなびらがちらないように
ちゅういしてもってか ....
ついに発見されたのですね
青空いっぱいの無色な孔雀の骨
嗚呼ただの伝説かと思っていたのに
雲雀の血のにじんだ五月の空の
気圏のいちばんの上層
きらびやかな氷窒素のあたりから
発見されたので ....
このうたどこかで聞いたうた
たしか祖母がうたってくれた
このうたどこかで聞いたうた
窓の外から入ってきた
このうたどこかで聞いたうた
あいつは綺麗にうたってた
このうたどこかで ....
使っていない電話器が時々鳴る
コードは何処にも差してない
その受話器が持っていた番号は
もう何処にもないんだよ
遠い昔つながっていた
あなたの電話番号も
もう何処にもないんだよ
あな ....
所かまわず
一面にのどかな
そんな景色だったので
家と家とに挟まれた
小さいままの公園に出掛ける
左は小さい右は大きい
一列に背比べする鉄棒で
僕は右端お前は一つ下
ぶら下がる ....
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