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この世界には もう
ひとつも乾いた場所など無い と
そんな風に思うほど
360度 水浸しの溢れ出る水槽です。



窓を開けると 外は白い縦線で埋まる巨大な水鏡で
映った私の全身から  ....
男は冷蔵庫の中で傘を飼育している
夜の方が良く育つときいたので
朝になるとわくわくしながら傘に定規をあてるのだが
傘の長さが変わっていることはなく
その度にがっかりする
けれど男は知 ....
クジを引いて、中をみたとき消えるもの
花が咲いて、そのとき消えるもの
求めて求めてやっと辿り着いて、消えるもの


氷でできたグラスが消える
名のない匂いの記憶が消える
人には言えない重 ....
夏のことをよく知っている人がいて
その人は
例えば緑の葉っぱを重ねたような人で
ときどき
鮮やかな花を咲かせていたりする

ただ画家がその人の絵を
描こうとするとき
その人は
たちま ....
あの日から
わたしのからだは
透明なゼリーに
くるまれていて
それはずっと
あなたの温度を保っている

その感触は
やさしくて あたたかで ぷるるん

いつまでも
その中にいては ....
かけおりた坂道のおわりには
ボーダー柄の、夏が
波のような顔をして
手をふっていた


それから、 と言ったあとの
あのひとの声が
ノイズにのまれて、ちらちらと
散ってしまったので
 ....
毛むくじゃらの家猫が出かけて行ったきり
帰って来ないものだから
庭の木で啼くスズメの声が
遠慮なく鳴る目覚まし時計で
最近は、誰よりも早く窓を開けて
新しい風を味わう

あめ色の古机の上 ....
ある時世界は小さく頷いて
私の肩に優しさを呼ぶ

私は水の中でユメを見ていた頃のように
水の外で地べたに頬を添わせていた時のように
優しさの幽かな震えに私を預ける

しかし気が付けばいつ ....
悲しみが生まれた頃は
見えないものなのです

それは
徐々に姿を現すのです

時間が経つにつれ
小さくなることはありません

同等の質量を維持したまま
心の真ん中に居座り続けます
 ....
コンクリートの丸いもようは、踏んじゃだめよ
って、
しあわせになれないから
って、
きみが言ったとき
さっき
二度ほど踏んでしまったぼくは
ちょっと泣きそうになって、あわてて
声をだし ....
いってらっしゃい

と手を振り
別々の時間が始まる

あなたは電車に揺られて会社へと向かい
わたしは洗濯をはじめる

あなたはお昼頃わたしを思い出し
1時にはわたしを忘れる
わ ....
知らない方角から
明るさを取り戻してゆくかのように
朝はぼくのもとにやってくるのでした
遠くの響きは
古い透き間から静かに流れ
ぼくを取り囲むのでした
後戻りする物音は見あたらないのでした ....
郵便受けに溜まった新聞が日焼けしていた
古い日付は、風に晒されて
更に風化した遠いあなたの
背中に張り付いて 
帰ってこない のに


201号室の、窓から入る西日を受けながら
忘れて ....
からだの曲線にそって
あなたは
かんたんなじゅもんなのだと指を折った
てのひらをそっとひらいて
りゆうもなさそうにわらった時
すこしだけ
えんえんとつづいてゆく
朝の風景を おもいだして ....
 ごめんね、わたしといるとつまんないよね
 ほんとう、ごめんね

 つかれるでしょう?わたしといると
 だって・・・
 なにしゃべっていいのか、わからないんだもん
 だから、つまんない ....
初夏の夜、首が痛くなるほどに
高い空を見上げて、
あれがかんむり座だよと、
いつかそう教えたのに、

あなたは忘れてしまった。
七つの星でできた王冠を、
あっさりと投げて捨て ....
手をつないで
深いところまで、いってしまった


引いてゆくまにまに
記憶の砂がすれあっては
かすかに音をたてる
ノートブックの波に
毎日つづった、日記
夕立ちをよけて、キスをして、 ....
1.

かみさまは、どこですか。



2.

かみさまは、どこですか。

道すがらたずねると
あっち、と指をさした人がいたので
ひたすら あっち、に向かって歩いた
歩いて歩 ....
静寂が満ちるのを待つ

あなたは
広げた想像の張力に身をゆだねて
空を映す水面に静かに浮いている

手のひらをつぼみにして
ゆっくりとふくらませるとき
わずかな空間の揺らぎが
水中を ....
指先であそぶ旋律がピアノの鍵盤の上を流れて 
部屋に溢れるやさしい音階のすきまに
天球図は青くひろがってゆく
東のかなたの
さそりの心臓は自ら発火し
そのきらめきは引き出しの奥で眠るルビー
 ....
ミルクが欲しい1歳は
男が欲しい21歳に
あっけなく捨て去られる

新しいゲームソフトが欲しい12歳が
プラダが欲しい32歳の
財布から金を抜き取る

夢が欲しい33歳は
安定が欲し ....
さようなら、晴れる人

暮れ際の暖かさ、名残、手のひらの名前を
呼んでいる、聞いている、思い出している
花びらの震える下で潜り抜けた門を
指先で触れるくらいの気配で通り過ぎる
一度過ぎた言 ....
ひょうしょうじょう
あなたは
とてもきれいな
おほしさまを
みつけましたので
ここにそのえいよをたたえ
いっしょに
てをたたきましょう
ならんで
かわらにねそべりましょう

 ....
午前1時
上手く眠れずに

煙草を吸おうとして
小さな丸い換気口を開けると

コォー コォー
とガランとした舗道を
駆ける風の音がした


清らかで濃密な
午前1時の音だ
 ....
錆びた両手で 砂をすくう
そんな行為を繰り返すうち
僕は生きることも死ぬことも忘れ
ただ こうして 此処、という場所にいる


世の中には 神様があふれかえっていた
それぞれを信仰す ....
話せば
話すほど
遠くなり

集まれば
集まるほど
孤独になる
てのひらにドアを取り付けた
白くてとても素敵なドアなので
一度遊びに来てください
と、旧い知り合い数人に手紙を出した
一通が宛先不明で戻り
それより早く金を返せ、という返事が来た以外は
い ....
とある図書館では
借し出しをするときに
「ありがとう」
と言う
「ありがとう」
だなんて

本当は
「ありがとう」
というのは
僕のほうで
これで煙草も
買えるようになった
 ....
うさぎは
「じぶんが
あいされていない」と
かんがえたので
みずうみに
みを
ひたしました

つぎのひ
ぽっかりとうかんだ
うさぎのからだをみた
どうぶつたちは
このようにしゃ ....
ひがのぼり 

ひがしずみ 

またひがのぼり 



そんなまいにちを 

まいにちみているのに 



どうしてぼくはそのとき 

におびえてしまうんだろ 
 ....
玉兎さんの自由詩おすすめリスト(346)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
2005・7_雨の終わりの日記- 千月 話 ...自由詩17*05-7-7
七人の男(傘を育てる男)- たもつ自由詩4705-7-7
半分消える- ヤギ自由詩9*05-7-6
夏男- tonpekep自由詩21*05-7-5
透明の中で- フォマル ...自由詩20*05-7-5
空の底- 望月 ゆ ...自由詩49*05-7-3
_臭う家- 千月 話 ...自由詩18*05-6-25
頷き- 松本 涼自由詩10*05-6-20
悲しみの輪郭- フォマル ...自由詩12*05-6-18
空をみていた午後- 望月 ゆ ...自由詩49*05-6-8
バランス。- 大西 チ ...自由詩9*05-6-7
土曜日の朝に- tonpekep自由詩20*05-6-7
メゾン_『ノワール』- 千月 話 ...自由詩34*05-5-30
星めぐり- はな 自由詩39*05-5-22
オレンジ- 太郎本人自由詩24*05-5-5
かんむり座- 佐々宝砂自由詩2805-5-3
かなしい、さかな- 望月 ゆ ...自由詩25*05-4-30
かみさまについての多くを知らない- 望月 ゆ ...自由詩43*05-4-10
睡蓮- ベンジャ ...自由詩3805-3-7
さそりの心臓- ワタナベ自由詩3105-3-3
滑らかに廻り続ける欲望の輪- 大覚アキ ...自由詩126*05-2-27
さようなら、晴れる人- 霜天自由詩1305-2-20
ひょうしょうじょう- アンテ自由詩305-2-18
午前1時- 松本 涼自由詩4*05-1-31
僕は意識的に失おう- あかり自由詩8*05-1-23
反比例と正比例の交錯地点- 煙と工場自由詩205-1-22
記憶- たもつ自由詩1405-1-21
いつも大事なところで言い損なう- 煙と工場自由詩405-1-21
さようならの一つくらい言えるようにはなっていたい- 煙と工場自由詩1305-1-17
そのとき- 松本 涼自由詩5*05-1-7

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