とうとう視線が私の上になった君
私と背比べをするときにしゃがんで笑みを作る
肩幅も広くなってすごく足もしっかりしてて
そんなに私と背が変わるわけじゃないのに
どうしてこんなに男 ....
5歳の野原に
少年をひとり
おきざりにしてきた
今も夢に見る
あれは
世界の果てまで
走って行くはずだった真昼
やけるような緑と
汗と言う名の夏が
身体にべったりはりつい ....
僕がいるということは
何かが無いということ
つまり
僕の肌の色は三原色から
何かが欠けて表せる ようなこと
子供の時から
パレットで色を混ぜて描いていたじゃないか
三原色 ....
土曜日の朝
詩の学習会に出かける電車の中
文庫を読んでいたが 文字がぼやけて読みにくい
片目を閉じてあたりをながめ 見付けた左目の異状
会場で雑談中に報告すると
詩友はきつく念を押す
「必 ....
ママは 青汁の味がする
時々は トマトジュースの味がする
ママは 玄米の芳ばしい味がする
朝食は 納豆の糸が引く
ママは ほうれん草と水菜を主食にしている
おかげさまで 7・8センチまで ....
我が家のロシアリクガメの名は
ウサギ
ウサギはカメ
なのでウサギは跳ねません
ウサギはカメ
なのでウサギは怯えません
ウサギはカメ
なのでウサギは泣きません
ウ ....
華奢な小枝が
今は居ない
おばあちゃんの
背中に見える
身を反らす
一張の弓に似せて
しなやかであるが
少し触れれば
脆く砕けてしまいそうだ
それなのに
見目良く
誰 ....
ふくよかな夜のしじま
淡く月が傾いでは
歌のような冷気が背を撫ぜます
もう気分は
お江戸の幽霊
火の玉提灯ぶら下げて
足なんざ有りゃあしませんよ
ひと気がないのは尚結構
夜道は一人に限 ....
枕がぬれる
大地に染みこむ
たくさん食べてたくさん寝て
泣いたりしてるだけだから
信じるとは
傷つく準備を完了させているということ
信じるとは
傷ついても ....
昨年末開業いたしました「雀のお宿」 過日、一組のお客様が賑々しくご出
立されて以来、お声を掛けてくださる影も、お立ち寄りくださる方も見かけま
せん。昔のように、近所を徘徊なさる群雀さまの賑や ....
ある歌番組を見てたら
懐かしくなった
1人は唄を もう1人はピアノを
昔2人は愛し合っていたんだって
何故か君との想い出が蘇ってね
胸が苦しくなったんだ
すっごい…すっごい ....
よわかあないよ
ぼろぼろだよ
ぼろぼろになれるくらい
おれまだげんきだよ
つらくてかなしくて
そんなじぶんがまた
つらくてかなしくて
きゅうにつばが
....
ひそかにおそれていたことを
たったひとつのできごとで
まちわびるようになった
またいつうらがえるか
だれにもそんなこと
わからないけれど
そんな、とても
ふたしかな、
じんせい
おっちゃんこの間な
中学校の「職業講話会」っちゅうのに呼ばれてん
中学3年生の子供たちにな
職業別でお話しする授業の一貫やねんて
一応その職種の話のメインは考えて
間にセッション ....
仕事柄
保育園や老人介護施設を訪れる
人生の入り口と出口
もちろん私は後者にちかいあたりを走っているのだろう
少々息を切らしながらも
保育園児に捕まるとなんどでも同じ質問をしてくるの ....
普段の私は40Wくらいの明るさで
人に会う時は60Wになる
さらに仕事中は
100Wの明るさで全開だ!
しかし100Wの電球は
消費電力が大きい過ぎて……
電球がすぐに切れてそうになり ....
光を愛する闇がある
凡に生き抜きたくはない 滑稽な道にはバナナの皮が咲き乱れる
シリアスな持ち主故 そんな気分には成れない 慣れる気質もない
半分ジョーダンの段差は知っている
つまずくんだ 小癪なその段差に
....
フラワーデザイナーの看板が雑草に埋もれていた
高いところから何見てるのだろう
駿河湾の先の太平洋か
あの高さなら
地球の丸さはわかるだろうね
さすがに
僕のことはわからないだろうな
こころは洗濯できるものだろうか
いつもその時どきなりの
こころで生きれるように
できるものならば
天気の良い日に
やさしい風の中に
干してみたいものだ
つまらなさを嘆き
つまらなさに沈み
つまらなさを助長し
つくべき嘘をつかずに
つかなくてもいい嘘をつき
強がることに慣れ
つながることを恐れ
ついたて越しのよそよそしさ ....
よろしかったら めしあがってください
食堂で 派遣社員のおばちゃんが
らっきょうを振る舞ってくれた
とてもおいしい
そういえば
近頃
食べ物でおいしいと意識したことがなかったな ....
急に想い立つ
何かに会いに行く
仕事も休む
飯も食わない
小便もしない
手土産は
モンテカルロ法で算出した
独自の円周率
3.20833333333333333333333 ....
今さら遅いと思います。
最後の話は
富ヶ谷の空
まぁるく描かれた
ジェットの雲
五色の輪のことでした
その話をした刹那
一〇歳の僕は
テレビから飛び出して
庭に駆け下 ....
Relative Numbers
2・777・909・1001・参33・0008
8812・壱・136・8812.
ウエノヨウナ道ヲタドッテ、今日モ
妻ト伝道シマシタ ....
ある冬晴れの日のその空と
同じ色の表紙をした
日記を買った
他に種類はたくさんあったのだが
それはひときわ僕の目を惹いて
一度手に取り
一度戻して
もう一度手に取り買ったのだった
....
あともう少しと思うところで
火を止めるのよ
もう薪はくべなくていい
蓋をあけてはだめ
後は鍋ごとさめるのを
待つの
ゆっくりさめながら
ジャムはだんだんジャムになるから
リスの母さんは ....
昨日
えびを袋詰めにして帰った
今日
生きているのはわたしだけ
そんな
圧倒的なわたしの
優勢がくりひろげられている日々
さびしい土地で同居しかけたえびをも
殲滅させるくら ....
誰もケガしなくて
よかったね
冗談じゃない!
愛車を路肩でこすったじゃないか
こんなにボーナス出て
よかったね
冗談じゃない!
あれだけがんばったのに これっぽっちか
....
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