自分のことを
とことんまで嫌いになりましょうとおっしゃる
ナルシストの私にはむずかしい道だ
どこまでも 嫌いになれないのは この顔
味が ありす ....
ブームが去ったあとにハマっている
笑っていいともから電話がかかってくる人になりたい
小学生のときから どこかで少しだけ そう思って生きてきた
それが完全にかなわない夢に あと半年でなってくれる
....
逆流性食道炎なるものになってしまった
ストレスで胃液が大量に発生している模様だ
これは 大切にしてやらねば ならない 権利を もらった 気がして
リラックス させ ....
地階の
寡黙な土踏まずから
4階の
華やかな脾臓まで
動脈としてのエレベーターは
人と花束と高揚を
送り届けた
6階の
冷徹な口角から
1階の
大らかなアキレス腱まで
静 ....
詩に関節技をかけられる
ギブアップして時代に媚びたと白状する
詩に投げ飛ばされる
天地回転 ものの見方がひっくり返る
詩に首を絞められる
反則も何もありゃしない
ついには殺されてし ....
迷信を信じてあえて爪を切る時間を夜と決めている僕
四月一日 きれいな人を見た。いい日。晴れ
雨の降る日は遅刻者が多い、と考えただけでも既にいらいらと重くなる頭を、無理に伸ばした背骨で支えて、混み合う生徒玄関で傘の滴に汚れた廊下の掃除の仕方と、遅刻の取り締まり方について、週番の生徒に指示してい ....
もやもやしちゃってたまらないの
手持ち無沙汰で心は濁る
身体感覚が鈍っていく中
さっき食したファストフードが
この胃の中で叫んでいるよ
お腹をさすって
手探りでわたしを求めるけれど
....
うちなぁ あんたが好きやったんよ
あんたに好きな人が出来たと他人から聞いて
ごっつい悲しかったんよ
でもな この想いは変わらへんねん
なんでかなぁ 不思議やなぁ
うちなぁ 散る桜の下で泣 ....
話の先にいるはずの姉
明るい声はしだい
次第に光を失い
七歳の姉は五歳の自分に向かい
満面の笑みで輝いていた。
今日の現実に
楽しげな昔が
揺らめく会話
苦々しげな現実 ....
雨が降っていた
同じ小学校だった女友達と
ゆうべ電話で話す
今度何十年かぶりにする
同窓会のこと
思い出話なんかも取り混ぜて
時々あったお弁当の日
彼女のお弁当箱には
美味しそうな ....
いつもの帰り道なのに
そこがどこだかわからなくて
途方に暮れてしまう
風景がぐるりと回転して
馴染んだ世界の裏側に放り出されてしまうあの瞬間に、
いつもの空はいつもの空でないように青 ....
「もしもし。」を聞けば、安心する
寂しくなると笑顔が見えて
耳をふさげば泣く声がする。
(身体の一部を差し出して
痛めつけなければならないのだろうか?)
いなくなることは ....
ブランコ
息を吸って
息を吐いて
息を吸って
息を吐く
いつも意識の片隅で
緊張している
生きるために
前脚を出して
後ろ足を出して
前脚を出して
後ろ足を出す
....
実際に会ったことはないけれど
パソコンの画面の中であなたは
相手をとても思いやる方でした
一年が経ちます
あなたの思いやりに触れらませんでした
自分は思いやりに欠けるようになりました
....
13歳になる君へ
少し早いですがお誕生日おめでとう
今年も君の誕生日がやって来ます
13歳になる君がどんな子供に育っているのかなんて
君が産まれたあの年には想像も出来ないこ ....
黒光りのレコード盤が
プラスティックケースの中で
いつまでも、廻ってる
ゆーるりるりるーゆーるりるー…
傍らに立てかけられた
紙のブルージャケットの
ソニー ....
嫁が帰ってきたらブザーが鳴る仕組み考えている
まだ未熟な羽をもつ
小鳥が
高く
遠くに
羽ばたくことを求め
嵐の日に
強風に乗って飛び立つ事を
選んだように
君は
わざわざ試練の時に
身を捥ぎ離すようにして
....
鰯
陸に上げれば
日保ちのしない魚で
「卑しい」が名前の由来だと
腐って臭うので
頭を、柊の葉の刺と合わせて
節分に鬼の退治といわれた、モノで
これがまた平安と呼ぶ
わたしには途方 ....
宝箱の鍵が
みつかりません
仕方なく箱を振ったら
カラカラと
頭蓋骨から
乾いた音が響きました
いらいらしたら
わすれられる
いらいらしたら
わすれられる
いらいらしたら
つめたくなれる
いらいらしたら
わすれられる
いらいらしたら
わすれら ....
その犬は吼え続けた
吼えて
吼えて
部屋中を憎しみで埋めていった
玄関チャイム
電話
きっかけはいつも些細な音
しかし犬は
それらの音を逃さない
激しく喰らい付いていく
....
こどもの手をにぎって
「あたたかいね」と言う。
「つめたいね」と言われる。
わたしが「あたたかいな」と感じたら
あなたは「つめたいな」と感じている。
いつもそうやって温度差があり
....
生きる事は死の待ちぼうけ
なんて誰かがいうらしいけれど
せっかく80年ぐらい時間があるのだから
せめてお茶とか
せめてお菓子だとか
用意してにやにやと
いつでも来い ....
カナヅチの眼が泳いでいる
またあえる
おやすみなさい
おいかける
たいふういっか
にじのそら
おはようひかり
あさのこえ
まもれているか
わからない
まもれているか
しがみつく
あなたのまうえ
そらのし ....
強風に この身のタガをはずされそうで夜の毛布を抱きしめている
蓋のないボンドはいつしか固まって自己完結を目指しています
貝ボタンはずせばそこはあの海で潮の香りが満ちて広がる
風見鶏 ....
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