僕に命令するな
僕に断言するな
その確かさを
疑っているのだ
僕に希望的に話すな
僕に理想を語るな
目的や価値がかつて何度も
転覆していったことを知ってるだろう
僕に尋ねるな
僕 ....
両腕を失ってうしなうもの
ギターをかき鳴らすこと
新しい服にそでを通すこと
愛撫

両脚を失ってうしなうもの
休日の足の指の爪切り
じだんだを踏むこと
スキップ

手足を奪われ ....
すべてのものに
名まえはあるが
すべてのものに
固定した特性はなく
すべてのものに
名まえはあるが
すべてのものに
ことばはない

すべてのものから
ぼくたちは
なにをよりす ....
僕らは川のほとりに住んでいて
いつも水の匂いをかいでいた
時に異臭もはなつ水たちは
うす汚れたコンクリートの壁の下
木陰にくらい公園の横をくぐりぬけ
存在感なき音をたてながら
流れつづけた ....
うねるうずまき
僕らのかたつむり管
しわくちゃになった紙くず
僕らの髪のなか
ちがうちがう
僕らの眼に血がうかび
死さえ語れば
治外法権なので僕らは
ちがうちがう!
と叫ぶのだ
 ....
生きてるだけで
いいんやで
ピンクのガネーシャ
そう云った
生きてるだけで
いいねんで
ブルーのガネーシャ
まだこない

生きてるだけで
いいんやで
意味や結果や目的や
な ....
たとえばこんなふうに
過ぎていく時間
雨がしきりに降っている
うす暗い部屋の中で耳をすまし
雨の打つ豊かな重みを聞いている

それはそれでよかったのだ
時間はきわめて人工的な
観念 ....
   
音もない暗がりは
言葉のない世界だ

言葉のない世界とは
そう簡単なものではない

あらゆる感覚器の受容体の
スイッチをオフにして
体験する世界
とらえようのない間
対 ....
悲しみよ腕の中へ
ぼくは
手首をかき切る覚悟で
彼らを
自分の腕の中へ
つかまえよう

悲しみよ腕の中へ
ぼくは
どんな人との関わりに対しても
独りをおそれたことはなかった ....
雲よ
僕は歌わない
ひびきあう童謡のしらべを
僕らは歌わない
青春と名付けられる
強迫的な力の律動を

雲よ
僕は見ない
抜けるような青空を
僕らは見ない
見るのはた ....
秋の風がやってきて
酸素をたっぷり運んできたので
僕はなんとか息をもちなおしたのだった
空は高くなったので
僕の周りの空間も広がった
圧迫と窒息からまぬがれて
今またわずかに力を回 ....
秋は深まり沈殿しつつ
冬はしのんで近寄り来つつ
風が吹けば
この季節を経るための
灼けて焦げるようなにおいがする
きっと生き物たちの
魂とはいわずも
肉でも果てるときには
こん ....
かわにそうみち
さんぽみち
もんしろちょうが
とんでいる
しだが
はをきしらせる
たけはすっくと
たっている
やぶのなかは
しんとくらやみ
いくみちのさき
ひとしれず
せっ ....
闇に浸されて
心地よい暗さ
眼はまだかろうじて
くすんだ視界をとらえられるのに
あえて眼をふさぐ

明晰すぎるものを
見なくてよいように
見えるものだけに
とらえられないように
 ....
また
蠅のうなるような音の中で
眠らなければならない

また
人の囁くような声の中で
眠らなければならない

沈黙はいつも
常套手段
ひと言もいらない

人はペンを拾って
 ....
冴えわたる空気の中に
まだらに浮かぶ闇の重み
夜は更けつつあるが
時間は闇を支配しない
眠りの底に光のように
拡散しているかそけき時

この部屋はもう暮れてしまって
亡霊たちも ....
布団の中から
天井を眺めている
眠ることも
立ち上がることもできない
この忌まいましい心身
そんな折り
よく人の言うように
木目の模様が人の顔になったりはしない
そもそも天井に ....
豆腐のかどに
頭ぶつけた
パワー全開
脳ミソ全壊

密かで強くて美しい
自爆装置は念のため
ボルトをひとつひとつと
しめていく

すべての世界を数値化する
その信仰が
ひず ....

ここ
という
現実質感


正午
真夜中
唯だ過る


実存
微睡む
頭蓋の内


天道
経巡る
宇宙の理
長く暑い今夏は
去年の抜け落ちた夏を
取り返そうとするかのよう

今というとき
現実というなかに居れば
もはやあれは空白の夏



触れてしまったカオスの感覚
狂気の世界
死と ....
自意識にとらえられる前
一日は長かった
眠りは深かった
目覚めは明るかった

無意識が表出する時
時間は曖昧だった
夢は鮮やかだった
感覚は強烈だった

意識の本質とは何か
それ ....
暗闇のなか
横たわる身体
目を開くそして
閉じることの無意味さよ
何も無く
耳を通る音だけが
時間らしきものの有ることを
暗示する


こうやっている
トキがいい
時間は ....
現実らしきものの断片が
観念的時間系列の中で
現れたり消えたりしている
僕はいつも目覚めたとき
  もっと正確にいうなら
目覚めたと感じるとき
自分の呼吸器系統が
機能しているかどうか確 ....
生きてるだけで
お腹すく
腹がすくから
物食べる
食べる物買う
金が要る
金が要るなら
働くこと
それができぬ
でくのぼう

そつなく
無理なく
抜け目なく
生きるため ....
ことばが
うたを欲っする
ポエジーが
リズムを欲っする

その欲の
力動
渇望する波
流れるちから

世界のかたすみで口ずさむ
名状しがたいメロディ
詩情かわいて風かおる

 ....
病んでいる
悩んでいる
身心ふたつ
ふたつはひとつ

止んでいる
悔んでいる
雨降る悼み
涙の痛み

澄んでいる
霞んでいる
朝もやの空
深夜の闇

済んでいる
休んで ....
シたしいシんヤのヤミ
ミトどける
トけていくトき

ムしばまれ
ムすばれるモノ
モノクるおしくクだけゆく

ホろびるやみ
ホころびるひカリ
カリものであるすべて

ココロころこ ....
親しい深夜の闇
見届ける
溶けていく時

むしばまれ
結ばれるもの
物狂おしく砕けゆく

滅びる闇
ほころびる光
借りの姿である全て

心コロコロ
ほどける仏
時計の針 ....
この夏が始まる頃に
僕にはわかっていたんだ
僕には二度と
夏がやってこないだろうということを
僕は知っていたんだ
だから僕は
すべてをほうりだしたいと思いながらも
すべてを見届けるた ....
母さん僕はやってしまった
やってはいけないと
あなたが無言のうちに
僕にさとそうとしていたことを

母さん僕はやってしまった
あなたの愛憎をきわめて
そして僕の中ではいつも
不在と実在 ....
シホ.N(421)
タイトル カテゴリ Point 日付
境界自由詩111/2/13 22:46
ジョニー自由詩311/2/10 21:43
名まえ自由詩211/2/8 0:14
川の街自由詩211/1/27 17:52
切断自由詩311/1/20 0:04
生きてるだけで自由詩311/1/13 18:13
訪問者自由詩310/12/18 21:51
言葉の墓標自由詩110/12/12 23:55
悲しみよ自由詩110/12/7 0:24
雲よ自由詩5*10/12/5 0:34
秋風自由詩110/12/3 2:05
冬が来る日の匂いと笑いと自由詩210/11/29 0:44
みち自由詩110/11/18 0:35
あえて眼を自由詩110/10/11 0:24
自由意志自由詩210/10/3 1:52
夜の中で自由詩110/9/29 23:56
銀河鉄道の夜の足自由詩2+*10/9/19 0:31
分裂自由詩310/9/12 1:09
ことわり自由詩110/9/3 1:36
あの夏について自由詩110/8/30 0:41
表裏一体自由詩110/8/29 0:47
闇の時間自由詩210/8/28 0:55
目覚め自由詩110/8/23 20:52
木偶の坊自由詩210/8/22 1:18
発語自由詩210/8/16 0:20
終らない詩自由詩110/8/12 2:02
(あたらしいあさのために)自由詩110/8/6 1:40
新しい朝のために自由詩110/8/5 0:50
僕にはこの夏が自由詩010/8/1 15:13
狂詩曲自由詩210/7/31 2:25

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