重たい一歩で
外に踏み出す
世界はいまだ
健在なことを確かめに

めまいがするほどの
明るさに
ひずんだ世界が
照らされる

睡眠不足の頭には
世界の歪みと健常さが
相容れ ....
自分らしさを
置いてきた
記憶もうすれた遠い果て

自我は幻想
行きでも帰りでもある
旅は途中

道見失い
落ちて滑って
深いふところ

いだかれるのは
自己の小ささ
 ....
ありがとう
僕をむしばんだ
虫たち

ありがとう
僕を愛してくれた
虫たち

僕は旅立つ
君らは僕の
供をするというのだろうか
それともむしろ君らが
僕をいざなうのか

 ....
ここに根を生やせ
ここに
ここに倒れこめ
ここに埋葬される
ここに
ここは不毛の故郷
二度とは帰りたくなかった
ここには

生きている
生きている
生えている
生まれてくる ....
一枚一枚
葉っぱをむしりとるように
ひとつひとつ
約束を破った

一本一本
虫の肢を引っこ抜くように
ひとつひとつ
約束を破っていった

それは自らも止めようのない
虐殺であ ....
何者にもなりたくない
肩書き
レッテル
社会の仮面を捨て

信じるものはここにない
組織
常識
自意識さえも

何者でもない
歩みは
裸足

信心もない
自由は
困 ....
沈黙の海へ
ダイブ
言葉の氾濫に
へきえきして

漆黒の空へ
ジャンプ
人工の極彩色が
毒々しくて


時を告げる
チャイム
耳を澄ませて
身を立ち上げる

最後の ....
ゾワゾワと
海馬の駆ける
血の赤褐色の波がしら

しんとした
頭蓋の裡側
静かに発火して走る

小さな電気が
波立ち奔る
細胞たちの星のようにのびるあし

太古のものらさえ ....
あるスピードをもって
街の夜明けをめぐっていると
かどを曲がるたび
まあるい月が現れては消え
消えては現れるのだ

四角い建物の影に
あるいは影から。
黒い樹々のあいだに
あるい ....

菜の花
沈丁花

はかない花も
手折ってたおやか


のげし
たんぽぽ
からすのえんどう

強い土草
綿毛がわたる


れんげ
もくれん
三色すみれ

 ....
とてつもなく大きな空の間を
できるかぎり大きな愛を以て
苦しみながら
かけぬけよう

きれいなうたが
きれいな風にのって
なにものでもない人間の
こころを
くすぐったりして

 ....
真夜中すぎの
名の呼びかけに
応じて
彼岸に渡ってはならない

迷ったすえの
菜の花ばたけに
通じて
此岸に帰らねばならない

死の後の
言い訳
有るか無しか

しのご ....
うららかな春の日は
たおやかに花も咲く

吹く風に窓辺はふくらみ
まどろみをさます冷ややかさ
夢見るような空気の揺らぎ
闇をもはらむ光にあふれる

沈黙が
しなやかに這うようで
 ....
きのうの夕暮れ
この町の小さな駅の
ラッシュ・アワア時
飛び込みがあった、若い人の

その事
脳裡よぎりもしないまま
線路したの
花咲く春の道を
今日の真昼
走り抜けていたわけ ....
「旅人よ
うしろには
できたばかりの
道がある」

道はあるけれど
道は何も語らない
歩いてきた道を
ふり返って見つめたりはしない
つぎの一歩をふみだすたびに
その前の一歩は
 ....
ほんとうのことは
ほんとうにならない
それがぼくらの法則だった

ほんとうでないことや
知らないことたちで
世の中は
編みあげられているよう

靴をコツコツ鳴らせて
歩くぼくら ....
風の吹聴
空の怒号
言葉にならぬコトバが
聞こえる


自然の擬人
宇宙の無尽
大なるものの前に
人は小さい


青天の霹靂
雷雨は決行
荒れる世界へ
力を向ける
 ....
あなたよぼくの
燃える
イノチを見よ

ぼくはもう
何も言わない
何も見ない
何も感じない

何もしない
何も書かない
何も考えない

ぼくを過ぎ去るものはなく
ぼくに ....
心きゅうきゅう
キュウキュウ鳴いて
きゅうきゅう詰め

頭くるくる
クルクルめぐり
来る狂う気配

体きりきり
ギリギリいっぱい
きりきり舞い

魂しんしん
心身の
深 ....
地球はどんどん
狭くなる
ジェット機
ネット
緩む境界

宇宙はどんどん
広くなる
ビッグバン
暗黒物質
ひずみと膨張

創造主の
想像は
どこにいくか
そもそも創造 ....
当たり前のことなど
ひとつもない
健康も
思考も
人との関係も
自己自身も

当たり前のことなど
何もないから
生きていることの
稀有を
感じながら
僕は畏れる

当た ....
しろい花
きいろい花
むらさきの花

白い作為
黄色い極限
紫の無意識

対象知らず
しるしなき
供花は咲きほだされて

立つ雲
しずかなる
狂歌は所在なく奏でられ
なにも
見えなくなったとき

おどらされるのは
ごめんだから

自分の眼で見て
自分の脳で考え鍛えよう

鍛えたすえに
自分の脳さえ

信じられなくなったら
きっとそれが ....
かくれんぼしよう
いち にい さん しい
ごお ろく しち はち
きゅう じゅう 数えて
もういいかい

かくれる場所は
暗くて密かで奥深い
安全地帯
遊びを忘れて
神かくしの ....
健康的な朝を
求めてある
夜ではない

闇を味方にして
明けない夜のあげる
かちどき

夜風が吹いて
飛び散る星の
窓の外


日の出る朝を
待ち望んである
夜ではな ....
からからからと
風は吹いて
真っ青な空に
よどんだ雲
冬のにおいに
春の予感もまじっている

さむいなあ
さむいな
からっぽだな
からっぽだ
からから
からと
風は吹いて ....
こざとおおざと
大阪の部屋にいて

月へん肉づき
服薬する脳

さんずいさんづくり
混沌を彫る

ひへんいわく
時間は書けぬ

くちくにがまえ
存否の因縁

にんべん ....
でも
生きている
それでも
息して生きている

でも
考えている
それでも
感じて考えている

廃人が
灰になるまで
苦楽と暮らす

呟きを
つぶさにとらえて
書く ....
生きて
居ても

死が
始終

奢り
躍り

  *

信の
真相

摑むも
束の間

広がり
開かれ

  *

書く
観念

毒 ....
握る拳のひとつ
力を
力を
みなぎらせ

踏出す脚の一歩
遠くへ
遠くへ
つながらせ

ささやきを叫びにして
この存在を
主張するのもおこがましい

さみしさを晒け出し ....
シホ.N(421)
タイトル カテゴリ Point 日付
覚悟自由詩212/6/19 17:09
一歩自由詩512/6/12 17:29
旅立つ夜毎のうた自由詩212/6/8 1:47
ここに根を生やせ自由詩212/6/3 23:21
約束自由詩112/6/2 2:41
自由な困難自由詩112/5/29 23:30
言葉の戦闘自由詩212/5/23 17:07
記憶の使者自由詩312/5/16 17:17
自由詩412/5/10 1:31
花色風自由詩112/4/30 16:47
愛そのもの自由詩2*12/4/25 20:03
此岸から自由詩112/4/22 0:40
自由詩412/4/18 17:12
鉄道自殺自由詩312/4/15 0:00
自由詩512/4/11 0:40
本題自由詩312/4/8 0:29
ままならぬもの自由詩312/4/3 0:11
自由詩312/4/1 0:17
意味深深自由詩612/3/27 2:49
創世自由詩212/3/25 0:58
当たり自由詩212/3/21 2:04
花の色雲の影自由詩312/3/18 23:37
懐疑論自由詩412/3/13 23:55
かくれんぼ自由詩412/3/10 0:31
うしみつどき自由詩312/3/2 2:30
自由詩412/2/28 1:25
大阪にて自由詩212/2/25 1:38
精なき生活自由詩412/2/23 2:23
難問自由詩312/2/18 0:53
尖鋭自由詩512/2/12 0:03

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