遠い坂道
えっちらおっちら
道に迷って
あっちだこっちだ

先は行止まり
がっかりがっくり
重い足どり
ゆっくりじっくり

電車の足音
がったんごっとん
時計のささやき
 ....
イイヒト
になりたい

敵視も無視も
されないように

妬みも怨みも
もたないように

でもボクだめだ
煩悩だらけだ

我執にとらわれ
無心になれない

イイヒト
 ....
僕の前に
道はない
僕の後ろにも
道などできない

たどたどしい足跡が
泥んこの中
消されていく

生きた証しを
残したいとは
おごりおおい
自己顕示の欲

なにも ....
うすまりゆく
現実感の
後ろ姿

まぼろしの
不合理な
リアリティ

脳みそこすりあわせ
自慰に耽って
夢ごこち

夢かうつつか
境界をいつともなく
またいでる
 ....
光がないから
影もない
のっぺらぼうの空気の
暗闇

夜の住人の
かわいた息
脳天のおくを這う
黒い質感

夜のからだを
闇にあずけて
優しさと厳しさが
混交する

 ....
ココロのコエは
悪夢のような
繰り返し
始まりは遠く
際限はなく

ココロのコエは
真っ白く
しろくしろく
燃えつきたけど
なおしずかにひびく

ココロのコエは
今ここに ....
人にこたえられず
期待はずれ
生きてるそのもの
期待はずれ

空気が読めず
調子はずれ
書くべきうたも
調子はずれ

行く道の先
見当はずれ
標べもなくて
見当はずれ
 ....
つんと重い土の匂い
くっきりと黄色い
ガザニアの花
が目にとびこむと
くらくらまわる
からだのうら側

脳天のおくに
かゆみのような
眠けをもちつつ
乖離してしまった
うちと ....
小さなおさかな
群れをなし
用水路のなか
泳いでる

稲刈る田んぼ
土の匂い
もみがらのやま
焦げる匂い

もんしろちょうに
黒あげは
しおからとんぼに
ぎんやんま

 ....
死がない
僕は死に
想いを馳せる

僕のまわりに死がない
僕は死人に恋する
が愛といえるか

僕のまわりは真空状態
人や言葉がない
そして死がない

僕に死を
僕に死への ....
病んでいる
悩んでいる
身心ふたつ
ふたつはひとつ

止んでいる
悔んでいる
雨降る悼み
涙の痛み

澄んでいる
霞んでいる
朝もやの空
初秋の大気

噛んでいる
 ....
末期の日まで
夢を見よう
永遠につづく
時空を想って

末期の日まで
考えよう
次なる世への
不安と幻想

来し方行く末
めぐる世もまた
生死あり

末の世ひと夜
め ....
たとえば
夢見を通じて
無意識的なモノを観じる
目が覚めて
それを意識化しようとする

たとえば
狂気におちいるとき
潜在的なモノが暴走する
現実に還って
あらためて畏れを抱く ....
意識の深く
奥深く
自覚しない
暗闇がある

神経の根っこが
闇を吸い上げ
心ならずも
顕在させる

それが
芽を吹き実となるか
狂気となるかは
風向き次第

意識の ....
死は
手のひらから
始まっている

広げて見る
手のひらは
侵されつつある

ただ
ひたすら
手のひらを見る




苦を
手のひらで
かみしめる

握るもの ....
僕らは暑い夏の夜
安い酒をあおっては
語らいつづけたものだった

僕はといえば
汗をかき
粘液質の肉体感覚に
いらだったりもしたものだ

君はといえば
汗もかかず
すっきり笑 ....
昼の
冴えた青い空
さらの白い厚い雲

夜は
深き濃紺
星の欲する空の闇

くり返しくり返す
するとするどく
光っている、見えないものが

見得ないけれど
見られるものが ....
土手道あるくと
草いきれ
生きとし生ける
名もなき命

あぜ道あるくと
緑の一面
稲穂ももうすぐ
あたまを下げる

あるく足取り
太陽のもと
呼吸とともに

あるくリズ ....
日々の中にある
偶然の一致の
意味深さに
迷う

不思議な力が働く
脳内の活動
畏怖すべき
何ものか

神経細胞の無数の足の
電位の迷走
その刺激によって
現る幻像

 ....
ぼくはただもう
汗をかいて生きよう
排ガスさえ流れてこないよ
よどんで静止する空気のなか
一瞬!の風を
ヨットの帆のよう
全しんをぱんと張って受けている
止まっては溶けつつ
ひたす ....
この雨がやむと
そこには夏が立っていて
そのときぼくらは
ぎらぎらした太陽のもと
手をかざして目を細める

見えない大きな力に覆いつくされそうな
恐怖と快感のようなものを
感じ ....
僕はラット
科学とやらに
利用され
数字になって
グラフになって
それでも名も無く
ひとつのすてごま

モノを扱うヒトの手
神の手
ヒトでもモノでも
ない命として
ガラス箱 ....
真昼の太陽を
全身に浴び
蒸発していきそうな
夏でした

夜中の闇を
吸い込み続けて
窒息しそうな
夏でした




夜明けの空は天高く
苦しまぎれに
起き続けていた ....
何かどこかが
足りてない

届かぬ叫び
訪れぬ結び

繋がる縁
切れる縁のあるがまま


物語りの終わりは
うすい空気の中

この淡々とした
景色に溶けて

夢の残 ....
雨の降りかけた
曇天のした
網の目くぐり
どんどん進み

あすへと繋がる
扉のまえ
朝日へつづいて
飛びゆこう

安堵もつかのま
時は荒れ
暗示のしるしも
解きほぐれ
 ....
表現とは何か
具象化だ

具象とは何か
結論だ

結論とは何か
過程が有ることだ

過程とは何か
湧く想念だ

想念とは何か
言の葉の混沌だ

その言の葉とは何か
 ....
外気の毒に
触れまいと
窓をあけずにいても
腐敗していく心身

止められない浸蝕
退廃する自己
不可避ならいっそ
窓をあけよう

外は夏の雨が降って
部屋でひとりぼっち
力 ....
知らないところで
知らないうちに
知られてゆくのは
狂気の虚構

飛べない羽で
飛べない空を
飛んでゆくのは
強固な郷愁

血の雨
地の底
散りゆく精神

日の影
悲 ....
ある日ある言葉が
後光を背負ってやってきて
僕をいたく感動させる

僕は世紀の発見を
この言葉においてなしとげる
この言葉をペン先にとらえた瞬間
僕は感嘆の声をあげる

われは言 ....
つかれたな
つかれたね

眠りたいね
眠りたいな

僕らをせめる
世界にあって

僕らはどこでも
なにものでもなく



さみしいよ
さみしいか

生きてるね
 ....
シホ.N(421)
タイトル カテゴリ Point 日付
遠い坂道自由詩512/10/9 0:23
名無しの自然自由詩212/10/6 0:28
不確かな一人称自由詩312/10/2 23:58
仮想の理自由詩212/10/1 0:24
夜に住む人自由詩4*12/9/25 0:17
心の声自由詩612/9/21 0:36
期待はずれの人自由詩112/9/18 2:56
泉のふち自由詩5*12/9/16 4:00
小景自由詩412/9/12 1:40
しがない詩自由詩312/9/10 20:20
病みを癒やして自由詩312/9/7 0:07
末法思想自由詩312/9/3 23:21
心の彼方に自由詩212/9/3 17:19
意識の奥自由詩212/8/28 17:20
自由詩4*12/8/22 3:04
夏の夜自由詩3*12/8/18 1:23
めぐりあい自由詩3*12/8/16 1:10
あるくリズム自由詩2*12/8/12 1:03
脳の神様自由詩3*12/8/10 0:42
汗をかいて生きよう自由詩312/8/7 19:08
自由詩312/8/2 17:31
ラット自由詩212/7/30 17:27
ひと夏ひと朝自由詩212/7/25 0:38
うすい夢自由詩212/7/19 0:14
開眼自由詩1*12/7/15 1:13
交信自由詩112/7/10 18:45
窓をあけよう自由詩112/7/7 0:41
知らず飛ばず自由詩112/7/3 17:13
一夜自由詩512/6/29 23:43
これっきりの僕ら自由詩312/6/25 0:24

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