木苺に僕が夢中になってたら ずるいよ母さん消えちゃうなんて

どんぐりをバケツ一杯食べた日は 僕の内からひしめく芽吹き

こんばんは独りになって見上げれば月も偉大なひとりぼっち

熊の皮か ....
今、空の底にいます
屈折した光に包まれて
案外うまく歩けています
地図を読むことは
相変わらず苦手だけれど
磁石を温めて
風を読むことが出来れば
目的地にはいずれ
たどりつくかもしれま ....
スーパーマーケットで、安寧芋という名前の芋を買ってきた。鹿児島の種子島の特産品らしい。
よく出回っている鳴門金時芋より少し高いけれど、トースターで焼くと黄金色の身は柔らかく溶けるようで、それだけでも ....
美味しそうなものに向かうと
全身全霊、前のめりでピンと張る

いつも一緒かと思いきや
左右別々に、動いてもみせる

音を拾います
そこから
ここまでの
世界を知るための複雑な情報であ ....
かつてキッチン(というよりは台所)は裸電球で照らされた寒い島だった
幼い私は台所のことを「だいどこ」と呼んで入り浸っていた
窓からは川へ下る坂道と隣家
(といっても音なんか聞こえないくらいには離 ....
いいな いいな 
にんげんの子っていいな
たましい、なんてたべあきちゃった!
ボクもおかしほしいよーママ

ひとりくらい仮装じゃなくて
ほんまもんが
まぎれているとか いないとか
ゆるゆると水平線を越えていく居眠りという舟にゆられて

カーテンに映す葉陰はモノトーン秋の陽射しはながながと伸び

世界が白く息をして私の眼鏡は優しく曇る

きのこと胎児の水分量 イコール ....
きのこから
かすかに放たれる
木の薫り

ふかふかのおがくずに
そっと置かれた
誠実なお守りが
息をしている

きのこ

木の子
木の子ども

木は森の子ども
森は山の ....
右折を待つ
ウインカーが
正しくその意思を刻み始めれば
心臓の鼓動と
いつか同調する

反復
同化

ト切れぬ
直進の車

既視
夕日
影法師

見送ることに
慣れて ....
ドラッグストアの棚に並んだ
石鹸の類い
これでもない
あれでもない
おそらくどこにもないのだろう

探している香りは
高電圧のくしゃみのように
蒸発してしまって
世界のどこにも、ない ....
動くものなら
食べてしまうその本能を
罪ではないと
あなたがいう

あわただしい
交尾のあと
わたしが捕まえるより早く
どうか逃げおおせてください

大きな腹を抱え
一晩かかって ....
細い髪の毛は実にからまりやすく
しじゅう梳かしてあげないと
やけっぱちになった団子になる

しこりになったそれ
まるで永遠に解くことのできない
知恵の輪みたいで
まるで
宇宙だねと
 ....
ヒョウ柄のブラジャーすれば少しだけ強い女になれちゃうのです

キャミソール細い肩紐に見せかけて女の紐はほんとは太い

ふわもこが恋しい季節になりましてしーんと冷えた足のゆびさき

てぶくろ ....
美しい言葉を
うすぺらいと
思う人もいる
人の心や現実というものを
わかっちゃいないねと
笑う人もいる
そこへたどりつくまでの
流した涙を知らずに
美しい言葉を
幻想だと
突き返す ....
もうそろそろだと
祖母は言う
おかいこさんのからだが透けはじめると 
そのうち糸をはきだして
楕円のおうちで
別者に生まれ変わるのだと

その不思議な虫は
一日中
桑の葉を食べている ....
秋風のなかに
ほんのわずかに残された
夏の粒子が
午過ぎには
この洗濯物を乾かすだろう

通夜、葬儀の放送が
朝のスピーカーから流れて
犬が遠吠えを繰り返す

香典の額を算段して
 ....
新米を握る母の手は
燃え始めたかえでのように色づき
かぐわしい湯気を蹴散らしながら
踊ってみせる
熱いうちに握らないと
美味しくないのよと
まつわりつく子に言いながら

端をほんのわず ....
遠吠えが連鎖してゆく昏れた空おおかみだったチビとかルルの

むしのねがあんまり近くにいるもので内なる声かと耳をすますよ

秋の日に縁もゆかりもなかった人と過ごした時をたどってみたり

はら ....
大切な約束をしたことを
いいかげんなわたしは
いつのまにか
忘れてしまった
むきだしのアセチレンランプの猥雑さざめく夜市
腹を見せて死んだ金魚は
臭う間も与えられずに すばやく棄てられる
 ....
君は
覚えたての「こんにちは」を
わたしがこぐ自転車の前に付けた補助椅子から
道行く人はもちろん
畑仕事をしている人にも
隔てなく投げかける

たいていの人は
一瞬驚いたような顔をする ....
やわらかな鉛筆の芯で
ここにはいない君を
スケッチしました
身体をおおう毛は
鉛筆を少しねかせてふんわりと
ひげは鉛筆を立てながら
細い針金のように
それは君の
生きることにまっすぐだ ....
どんなにおそろしいか
どんなにふあんか
まくらやみのなかで
ふみだす そのいっぽ

声をかけられなかった
ずっと昔
学校帰りの交差点で
その人は白杖を持って
信号待ちをしていた
声 ....
いちじくがなりすぎて
おしうりされて
いやになる きみの
ことがだいきらいなわけではないけど
だいすきなわけでもない
いっそきらわれたほうがましとでもいうように
そのみはすこしわれていて
 ....
 私は蝉の声の中で、ひぐらしのものが一番好きである。少し緑がかったボディに透き通るような翅というビジュアルも美しいと思う。夕暮れや明け方にカナカナ……と聴こえてくれば、夏の終わりを含んでいるようでなん .... いくつかの
起承転結が
たとえば
レース編みの
小さな花模様のように
点在しているような
ひざかけを
(今朝、突然に秋が来たので、
 それが不意打ちであったため
 タオルケットだけの ....
汗でもなく
涙でもなく
果物から
液体が染み出てきて
それは
どれも芳しく
汗でも
涙でも
薬でも
ましてや毒でもないから
(万が一毒だとしても)
私はありたけを込めて
愛して ....
スパイダーマン
バットマン
スーパーマンたちが
こぞって
窓拭きをしている

ヒーローたちは
そこでは闘わない
闘っているのは
きみたちだから
やわらかな夜の入口で
関節のありかを
ひとつひとつ
たしかめていく
幾度となく
繰り返してきた
解体のための
いとおしい作業
継ぎ目よ
さようなら

肉体は部品となって
ていね ....
夜空が見せる死へ
立ち会えば
人は願いごとをするのだというけれど
想いに比べれば言葉はもどかしいだけで
現実にはそんな暇もないほど
許されている時間は
まるで人生のように短く
まばたきの ....
あれは炎だ
理由も道徳も求めない炎だ
まごうかたなき赤い炎だ

怖れを知らぬ
黒い鳥が炎を目指す

命とはそういうものだ

せめて美しい君を覚えていよう
たった一日でしぼんだ朝顔
 ....
そらの珊瑚(1025)
タイトル カテゴリ Point 日付
月と小熊短歌11*14/11/19 9:20
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夜更けの紙相撲 霜月あるいは食物月(おしものづき)[group]散文(批評 ...15*14/11/15 16:29
饒舌な耳自由詩1614/11/5 9:07
キッチン自由詩1514/11/2 11:45
ハローおばけちゃん 【るるりら収穫祭参加】自由詩6+14/10/31 20:26
うとうと短歌814/10/30 9:52
PORTE-BONHEUR 【詩サークル群青十月のお題「山」 ...自由詩1414/10/29 10:00
家路自由詩17*14/10/22 9:09
かりそめ自由詩1614/10/18 13:25
じょろうぐも 【詩人サークル「群青」 九月のお題「悩」への提 ...[group]自由詩14*14/10/16 9:51
台風を待つ朝に自由詩16*14/10/13 9:27
ベッドでは香水だけをつけるなど、一生縁のない日々のつれづれ[group]短歌19*14/10/11 11:24
赤い月はノクターンを奏でる自由詩17+*14/10/10 11:44
偏愛自由詩2314/10/8 17:06
まえぶれ自由詩2214/10/4 11:14
秋の抽斗自由詩1814/9/28 14:16
むしのね短歌614/9/27 9:57
あかい花自由詩2514/9/26 9:13
こんにちは。自由詩2114/9/20 16:34
猫 【詩サークル 群青 八月のお題「猫」から】自由詩2114/9/16 8:48
白杖の人自由詩22*14/9/11 8:18
いちじく自由詩17*14/9/8 16:17
夜更けの紙相撲 夏の墓[group]散文(批評 ...10*14/9/3 12:18
たくさんのおはよう、いってらっしゃい、ありがとうが行き交う交 ...自由詩22*14/8/29 9:51
のどごし自由詩14*14/8/27 11:16
小児病棟自由詩21*14/8/26 11:50
心だけ小さな舟に運ばせて自由詩21*14/8/17 12:13
一瞬一生自由詩23*14/8/6 13:33
夕火の温度を僕は知らない自由詩2614/8/2 10:19

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