ふたつで1パックの太もも 紙コップのうすいコーヒーの温みで時間を計り からだをしめらせてうそをかくす たくさんのうそがドアーにはりついている そして地面が壊れはじめる 受け止められずに 受け流せずに  .... まず綱が切れる.物事は徐々に浮遊しはじめる.昨日はトースターの裏側からら行がごっそり見つかった.つぎに内部と外部がゆっくりと剥がれおちる.

たとえば、思うのは
そのちょうど中庸にいることは ....
かえり道
ひる間の道路で
失神した

ことばを
ていねいに
編みすぎて
くちは
どこかに
縫い込まれてしまった

おい、猫
わたしたちは
やさしさが
足りなかったな
 ....
たぶんこのまま
消えたらいいな
うすねず色の
雲がかかって
脳みその中が
ぬるく泡立つ
朝靄の薄雲に似た恋情の 移ろい易くもいちめんに咲き 鉄塔の切先に白い烏がとまって喚いている 物事の切先に頭の良くない蛸が絡みついて喚いている 夜のえりあしが伸びきった性器に引っ掛って喚いている 敵はどこだ?
白い白い夜明け の向う側に 見えるか  ....
「届かない」 抱き合いながら目を伏せる

いとしさの静寂にふる白い雨

引き寄せるつよさをはかる むなしさよ
うつろいを隠してくもる窓硝子 季節が後退して冬がくる
胸のなかに痩せたこどもをひとりかくして
ステンレスにはまる寒々しい白をみている

いろいろを重ね
温度を保ったとして
巻き戻る波をとめることはできない
 ....
しりながら 夢をみすぎた いくつかの瞬間には 死だった しりながら 罪をながめた そのとき初めて会ったみたいに 橋は わたしのためのものではなかった 自分むけにつくられたせかいなんて嘘だと しりながら .... さいごに何か言いたいことは

神父に言われた死刑囚は
「おれは
手品師になりたかった」
と言って
舌を噛んだ

そのとき
神父の持っていた
聖書は
白紙だったことを
だれ ....
鳩を飼っている家がある。近所だ。なんというのだろう、名前はわからないけれど、鳥小屋をもっともっと大きくした屋舎に、何十匹も。朝がたと夕暮れ、鳩たちは放たれて舞う。ほとんどの鳩の身体は真っ白なので、 .... あの星が流れたらひとつ捕まえて 君に会うまで隠しているよ         静かな窓のまえに立って
       汚いことばをいくつも吐く
      うす甘い空に雲がたなびいて
     鏡のようにつるつるの水の上を
    あかるい色の羽を ....
さえないな、と思っていたら、十月なのだった。
十月のある日はわたしにとってはもっとも重要な節目のひとつの日だ。
だから、こうして、いろいろ考える。
いつもいつも、ひとつの考えが頭の中にある。
 ....
遠い夢にひとりきりでたっている 澄んだ海辺に干されるように


やるせないものばかりを盗んでいる ほつれた糸を引き抜くように


後ろ手に楽器を鳴らすようなもの わたしを見ないひとを抱 ....
くち元におだやかな笑み 午前2時 夢をみながら 夢みせるひと

体温のうら側を抱き合うふたり せまい寝床は寝息で縺れて
だれかを
いとしいと
思っても

自分のものには
できない
知っているから

いつもより
すこし早起きして
おだやかな寝息を
瓶詰めにする
灰だらけの朝のじめんから
つるつると生えてくる腕たちに
片っぱしから色をつけるその間に

目隠しをして手足を縛って猿轡を噛ませて、
炙って捩じってばらばらに千切って、
砕いて溶かして混 ....
ぶどうの実みたいにていねいにしてね 薄い皮膚のしたは滲んで ためらいを波打ちぎわでうけとめて こぼれる前に飲み干す二人

えりあしに新しい香をしのばせて 季節のように抱き合う初秋

組んだ手を解いては笑いまた組んで ほろりと落ちる金木犀
ときどき、自分がいままでどうやって生きてきたのか思い出せなくなる。
たとえばそれはセーターを編んでいて、順調に右肩まで編んだところで突然、鈎針の動かしかたを忘れるようなかんじ。右に編むのか左なの ....
わたしたちにとっての生活は
愛にみちながら残酷で
はてしなく自由でありながら縛り付けられ
とりとめもなく広大なのに小箱のように手軽な
つねに両極と矛盾を孕んだ
お菓子のようなもの
いろいろなひとがいるから
いろいろなきもちになる
ろうそくのような 虎のような かみくずのような 長靴のような かみどめのような 列車のような 自動販売機のような 鶏のような
そんなきもちに ....
めぐちゃんは
やりまんと言われてたけど
自由だった
やりまんと呼ぶわたしたちよりは
ずっとずっと自由だった

べつにうらやましくはなかったけど
おとこを抱こうと
きめるとき
こころは安らかだった
耳元で
お札がさらさら鳴るような
そんな安らかさだ
すぐに吹き飛んでしまうような
中庭に
植えた花は
きれいだけど
枯れてしまった

窓際に
活けた花は
きれいだけど
萎れてしまった

花屋に
勤めてみたけど
まい日
まい日
まい日
まい日
まい ....
誰だ誰だ誰だ誰だと喚きまわっているから私だと耳打ちしてやったらすうっとしぼんでいった誰だ誰が死んだんだ?私だ、菊の花まみれで立っている女。あれはもう腐ってるから食べないほうがいいと男。緑の肌の少女 .... ゆうぐれに
さみしくなったり

あるいていて
ふと生活のにおいに
あしをとめたり

ゆっくりとしか
すすめないこと
くやしくなったり

生きるとゆうことが
どれだけ不安でも ....
ながくのばしたかみの毛を深い赤色に染めて、頬は日焼けしているんだけれど、蒼ざめて。
いつか会おうね、きっと会おうね、手を振って、見えなくなって、立ちつくして。
みんないってしまう。
みんな、来て ....
はるな(1730)
タイトル カテゴリ Point 日付
電車、みじかいスカート自由詩310/11/12 13:07
浮遊自由詩1+10/11/12 13:06
自由詩510/11/10 13:42
あわ自由詩210/11/10 13:38
薄雲[group]短歌110/11/6 5:52
敵はどこだ?[group]自由詩310/11/2 3:10
逢い引き川柳110/10/29 18:50
別れ話川柳110/10/29 18:36
できない自由詩110/10/28 14:01
みすぎた自由詩010/10/28 14:00
手品師自由詩110/10/28 1:14
鳩のこと[group]散文(批評 ...210/10/23 15:14
秘みつ[group]短歌110/10/22 23:54
穏やかな日自由詩410/10/20 17:24
十月散文(批評 ...010/10/20 17:09
神様[group]短歌110/10/20 3:12
いとしいひと[group]短歌110/10/20 2:52
小瓶自由詩010/10/14 6:25
自由詩110/10/14 6:22
ぶどうの実[group]短歌110/10/9 23:35
二人[group]短歌110/10/9 23:28
保健室のこと[group]散文(批評 ...210/10/8 23:45
お菓子の箱自由詩210/10/8 23:25
自由詩010/10/6 23:43
めぐちゃん自由詩0+10/10/6 23:40
安らかさ自由詩110/10/6 23:39
フラワーショップ自由詩410/10/4 16:44
リバーシ[group]自由詩110/10/3 23:30
日常自由詩410/10/3 23:00
散文(批評 ...010/9/29 21:53

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