手のひらいっぱいの雨
カーテンを閉め切ったままだから
しんでいく影がよくみえた
たくさんたくさん食べて吐く
たくさんたくさん切って拭う
洗う
視る
たくさんたくさんたくさんきる
たくさんたくさんたくさんわらう
たくさんたくさんたくさんしる
たくさんたくさんたくさんわ ....
だってみんなはしぬでしょ、

と言った声がにじんだ


ことばに縋ればことばに溺れる
ひとに縋ればひとに沈む
覆せない日常を受け入れれば日常に窒息し
空気は望むことでしか手に入れら ....
一日に
二度の食事
少しの甘いもの
四十分ほど湯舟に浸かり
一本のチューハイか
グラスに二杯の安ワイン
十本の指を磨いて
文章を書いて眠る

一週間に
二度か三度性交し
新し ....
わたしの
おてがるなかなしみに
まきこんじゃったから
だめ

だめになったら
だめじゃなくなるまで
いるしかないけど
むりだったら
いなくなる
だめじゃなくなると ....
愛された娘は
でていった
ちいさな鞄と
痛みを持って

途方もなく美しい世界に
挑むことをやめれば
いくらか楽にはなるだろう

愛された娘は
しっていた
なにもかもが
既に ....
マリアさま
800円で買った

塗りたての爪で触れると
つよくなれる

かれにもらった
ブラックダイヤは
マリアさまみたいには
魔法をかけてくれない

わたしよ
強くあれ
いつでも
 みしてよ と
 いうのは あかくなる肌が
 ことばで 染まるようで 愉しい

 いやいや と
 いうのは ことばが 手のように
 なぞる心地が とても良いから

 
髪を切った。たくさん。
ばかに明るく、たくさんの鏡に囲まれた美容院。やわらかくなった毛先と、骨ばった手にほぐされる頭皮。わたしは犬のように従順になって、なされるがままでいた。耳元をとおりすぎる小気味 ....
行っておいで

彼女は言った

でていけば
また
帰ってこられるんだから
おまえらが寝ているときに
わたしはずっと起きていた
おまえらが起きたからって
簡単に追いつけると思うか
だってわたしは起きていたんだ
おまえらが安らかに眠ってる間じゅう
髪を切ったわたしは
なんにもなれないまま過ごしている
うたがある
ペンがある
紙がある
手がある
だからなんだって自由で
なんだってつくれるのに
なんにもなれなかったわたしが
髪 ....
かわいい、こどもみたいなかなしさ。
いつかは別れると思ってた。
でも全部わたしになった。過ぎ去ってはじめて、わたしになった。
だからもう一度出会えるよ。新しくじゃなくて、続きじゃなくて、ただ ....
冬と春が手をつないでいる夕方に
静かに立ってそとをみていました
わたしはもう少女ではなく
絶望と仲良くもありません
ひとりで
静かに立ってそとをみていました

燃えつきる煙草、蘭のつ ....
いとしさの痛みあつめて穴を掘る

はれわたる白い世界と細い背と

うしろ手の情と熱とを持て余し
愛していると言えば
愛していることになるのか

なぜそんなに飢えているのか
欲しいものもわからないままで
自分の気持ちも言えないままで

愛していると言えば
愛された気持ちになるの ....
わらうしかなかった なんでも持っているあなたのひとつになれないままで あまい季節を夢みて
窓のちかくに立っている
腕には
うすあおい痣をもって

むかしに覚えたうたを
口もとに飾って
すこしだけ
笑っている

明日になったら
明日
もしあまい ....
たくさんのひとの中にいて話していると
からだがだんだんうすっぺらくなる
笑ったり怒ったりしている人たちのなかで
からだがだんだんうすっぺらくなる
頭のなかに大きな丸をえがいて
からだがだ ....
電車が来るのに
飛び込まないのはなぜだろう
研いであるのに
刃を当てないのはなぜだろう
行き交う車に
跳ね飛ばされないのはなぜだろう
ビルがそびえるなか
落ちないのはなぜだろう
ド ....
向かいの屋根の瓦にはまだすこし雪が残っている。祖母の家から預かっている蘭の葉が黄ばみはじめた。髪の先だけを少し赤く染めて、わたしは座っている。
選ぶことがすごく苦手だった。どうやって選んでき ....
むかし
世界はぜんぶさわれるとこにあって
世界がぜんぶ自分のものだった
いつからそうじゃなくなったんだろう
手に負えなくて
おそろしくて
おおきくて
でも
確実にうつくしい
いつ ....
花が枯れたから
僕はここにいるね
花が枯れたから
僕はここにいるね

咲いたらよぶから
咲いたらいくから
花が枯れてるうちは
僕はここにいるね
季節はずれの立ち枯れの薔薇の木と 似た者どうしで冬の日に二人

日が落ちて からむ寒さにあわす両手のひびわれがいつもより深い

何もなければよかったね なにひとつ持たずにここにいられたら
 ....
花巻から一時間半。単線列車にゆられて、彼のふるさとへいった。
空気がつめたく、おりたった駅からはおおきな山と、大きな工場がみえた。
祝日。人はまばらで、商店街のシャッターは七割がた閉まっている ....
あく
音は
男の
懐を
つんざいた
鳥は
はばたいた
女は
終わってる

息を
閉じる
見える
邪魔な
ものが
見える

いく
音は
男の
懐を
つんざい ....
おまえらの心が傾くところに
どんな花が咲くか見てやろう
それがこわいって言うのか
種も蒔いてないくせに
ぜんぶたべきれない
なんでも
半分くらい
時間がわたしを撫でたので
わたしはおとなになった
なにかをきめるたびに
時間がわたしを撫でたので

でも
なぜだろう
男の手が撫でると
すこし
子どもに戻る
ひと言の代わりに振った手のひらを降ろせずに一人振り続けている

わがままを言えば最後になるような気がして噛んだ唇から血
はるな(1799)
タイトル カテゴリ Point 日付
アメ自由詩011/3/8 21:53
水水水(2007/3/6)自由詩211/3/8 21:50
16歳自由詩011/3/8 21:48
くみたてる自由詩611/3/7 0:50
かなしみ自由詩211/3/6 14:55
any suspicious item(持ち主のわからないお ...自由詩211/3/5 10:45
魔法携帯写真+ ...111/3/5 2:47
いやいや短歌111/3/4 1:48
過去のこと[group]散文(批評 ...211/3/3 21:15
彼女自由詩311/3/3 18:40
正夢自由詩211/3/3 18:37
なんにもなれない自由詩111/2/28 11:07
好きだよ自由詩411/2/26 6:32
みていた自由詩411/2/24 19:08
穴を掘る川柳311/2/24 7:41
ばか野郎自由詩111/2/24 7:21
なれない[group]短歌011/2/21 7:07
雨と靴下自由詩411/2/20 21:02
だんだんうすっぺらくなる自由詩511/2/20 17:23
なぜかな自由詩311/2/18 5:12
美しいこと[group]散文(批評 ...211/2/17 16:29
世界自由詩211/2/16 1:21
自由詩111/2/16 1:19
立ち枯れ[group]短歌111/2/16 1:13
置物のこと[group]散文(批評 ...011/2/14 14:41
(Ⅱ).自由詩011/2/14 3:48
音楽自由詩411/2/13 23:13
うわき自由詩211/2/11 12:00
自由詩211/2/7 11:58
弱むし[group]短歌311/2/3 9:45

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