触れて触れて 粗く
肌が肌に 痛く
どこまでも拙い指きりに
耳をすます


{ルビ白湯=さゆ}の林
そよぎささめき
花を織る熱
冷えて 冷えて


波 海鳥
山の ....
音は高く
鳥の背にのり
光はにがく
水をつぶやき
道にこぼれる
日々の花房
砂の花 花の乳
うすくくゆる みどりの


建物は泣き
門は目をふせ
かつての幸は
 ....
ひかりとひかり
あしおとといき
たどりつく波
ひらく手のひら


水に溶けぬ火
沈みつもり
水面に映る
底に棲む泡


ひとりきりで
かがやきを増し
いつか冷え ....
白く大きな建物が倒れ
道に大量の湯を噴き出していた
蒸気と飛沫がとびまわり
離れても離れても熱さは変わらず
自転車を手で引きながら
白いかたまりを見つめていた



 ....
糸の光
曇に沈み
雨は低く
小声 小声


まぶた かけら
冷えて重なり
愚かしさのまま
流れ 昇る


高く積まれたもののなかから
少しだけ見える鏡の先端
ま ....
うそつきにひとつ
水に沈む瞬間の
鳥のくちばしにひとつ
うそつきにひとつ


群れを照らす光
肩から上の影
音のない群れ
滴をもとめて


水が描くはざま
入 ....
火の向こうに
もうひとつの火があり
さらに向こうの火に重なり
ひとつのようにじっとしている


一本の木が
雨を呼びつづけている
丘は近づき
わずかに崩れる


 ....
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いろいろな移動のあつまり。


水に落ちたりもします。
埋もれた実つつく鳥の背ゆく四月



三月を折りたたむたび曇の声



吐息から吐息へわたる二月かな



ざらざらと白さ一月うたいけり



紅い背を ....
何かが去ったあとの高鳴り
大きなひとつの花になり
たくさんの小さな羽になり
微笑みながら消えてゆく


ひたされたとき
見えるかたち
雨はすぎて
胸とくちびる


 ....
ひとつの炎がてのひらにいて
手のひらのかたちからあふれては
熱も音も伝えずに
あふれつづけるそのままでいる


蒼い羽とむらさきの矢が
吹き荒れていた夜は明け
白い髪 白い ....
布をひらき 布を折り
隙間を残し さらに布を折り
ひとつの色に定まらぬ陽は
ひとつのうたをくちずさむ


暗がりの宙に浮かぶ音
変わりつづける一瞬を
意味とは異なる姿の方へ ....
陽はひらき
もの皆きしみ
葉を迷い
土へ降る色


曇をせばめる音は冷え
路はひととき白くなる
風に生まれる幼いまだら
水たまりの空のはじまり


ゆがみを抱いた黄 ....
かわいた中洲は
鳥に埋もれ
流れはただ
飛沫の跡を運んでいる


望まれぬものが橋をすぎ
影は明るくひろくなり
音や色に梳かれては落ち
にじむように流れを濃くする

 ....
音をつまみ
降りてくる
曇の端に
奏でられるとき


わたしのなかの
水であるもの
いつわりをとく
筆を洗う


ふりつもる底
浅い水紋
沈みひろがる
音を見 ....
避けられ 切りとられた夜を
小さな熱の泡が昇る
風のなかの水の群れ
崩さないちからへ向かう群れ


壁の傷は洞のように
しずくのこだまのようにつらなり
やがてしたたるそのま ....
誰もいないようでいない家から
窓が飛び去ったあとの暗がりに
にこやかな家族を
はめこむ陽がある
雨が来る
雨は去る
屋根は
何も変わらない


陰の色の石があり
誰も通らぬ道があり
雲がひとつもない日にも
常に陰のままでいる


花は風に放られて
雨をつかま ....
ひとつの星が
ひとつかみの曇を引き連れてゆく
定まらぬ夜の噴水
戻らぬものの行方
はばたきの影


かわいた溝を雨が流れ
羽を持つものはみな飛びたち
持たぬものは淀みに廻 ....
夜を知らぬ服を着て
夜を歩けば
夜は増す



夜は触れる
夜は浮く
夜はうたう
夜は{ルビ清=す}む
父去りて夏去りて今日ほどく紐



熱を捨て陽は降り急ぐ石の丘



涼やかな花には寄らぬ鳥と虫



触れるほど水はすばやく風深く



誰ぞ置く錆びし{ルビ ....
あらかた片づいてしまって
のどが渇く
コンビニの廃墟の前で
自販機ばかりが新しい


削る自分に
どこか遠くから
別の何かを削る音が降り
崩れそうに震え重なる

 ....
酒呑んで見よ!なだらかに腹の出る



真面目すぎ優しさのない体重計



「わたしにはあなたしかいない」馬鹿が見る



自分から自分を取れば残る馬鹿
 ....
菩提樹の上で交わるけだものの系譜の果てに立ち尽くす我



吼えるものただ自らに背くもの震えるけもの響くけだもの



膨れては刃のごとく雪を斬る寒さ忘るるための憎しみ
 ....
枯れ葉に眠る蛾
湯の底の丸薬
動かぬまま 呑みほされようとし
はばたき
のがれる


長い光の筒のさき
ずっとひとりを狙いすます
遠くにじむ銃と引き金
灯と灯のふるえ
 ....
めざめては指に生まれし水かきで午後の終わりを泳ぎゆくひと



ゆきずりの他人の家の軒下に丸く在るもの季を唱うもの



届かない遠い川原に届かない指の軌跡の光あおいで
 ....
光が光をまとうとき
ひかりかげり かげひかり
静かに昇る
譜をめくる指


文字の見えない
明るさの紙に
ひとつをひとつに書きつけて
降りつもる音を見つめている


 ....
空あおぎ覗き込まれる月夜かな



くりかえし夜を描き足す爪の蒼



水に浮く石を踏む道帰り道



目の生えた指が私になじみゆく



耳だけが曇と ....
何かを探る翼の音が
昼の終わりをすぎてゆく
短く密な闇の入口
まだあたたかな水の{ルビ足跡=そくせき}


腕から肩へ
沈むように横たわり
つづくわずかな揺れのなか
じっ ....
雨の夜の月
雨の夜の月
誰かの傘に
しがみつく


片目を閉じて
じっとしていて
あなたの水は
内にばかり痛いから
木立 悟(2335)
タイトル カテゴリ Point 日付
降り来る言葉 XXVI[group]自由詩706/11/30 2:51
ノート(庭)[group]自由詩506/11/28 14:37
夜のまぶしさ自由詩706/11/27 13:42
ノート(ひろく 白く)[group]未詩・独白506/11/25 20:39
ノート(指記)[group]自由詩806/11/23 17:24
こだま したたり自由詩506/11/21 20:35
降り来る言葉 XXV[group]自由詩906/11/19 20:27
地図上を飛ぶおすすめリ ...206/11/18 23:43
ノート(二季)俳句606/11/17 9:34
ノート(一夜)[group]自由詩906/11/15 17:56
ひとつ かぞえて自由詩606/11/13 13:41
おりて おりて自由詩306/11/8 17:47
ひとつ めぐる自由詩406/11/2 16:39
ひとり 海へ自由詩806/10/30 15:44
ノート(ひとり うつわ)[group]自由詩706/10/26 17:47
生まれ 生まれて自由詩606/10/25 22:28
ノート(43Y.10・25)[group]未詩・独白206/10/25 22:25
みどり みどり自由詩706/10/21 15:12
鳴夜行 Ⅱ自由詩306/10/19 20:58
ノート(43Y.10・19)[group]未詩・独白206/10/19 20:51
ノート(風にあれ)俳句9*06/10/18 16:27
ノート(木曜日)[group]未詩・独白3*06/10/18 16:25
ノート(朝・昼・酒)川柳3*06/10/18 16:22
系譜短歌706/10/16 21:41
夜とゆくえ自由詩306/10/16 16:06
夜  こがね短歌706/10/12 16:04
ひとつ あかり自由詩606/10/11 16:15
帰り道俳句406/10/9 13:41
ひとり みどり自由詩306/10/5 21:16
ノート(43Y.10・2)[group]未詩・独白106/10/5 17:37

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